2017年も始まり、皆様新たな気持ちでいらっしゃるのではないでしょうか?あかうし研の松川です。
(写真は高知県のブランド鶏、土佐ジローの卵から生まれたひよこです。模様がイノシシの子供のウリ坊みたいで可愛いです)
「柚子だっこ誕生秘話」と題し4回を数えたにもかかわらず、なかなか話が進んでおらず恐縮です。前回のレポートでようやく柚子研究のスタートラインに立ったことを書かせていただきました。
尊敬する研究者の一人、iPS細胞の開発者の山中伸弥教授は、「研究で成功するためにはVW (VisionとHard Work)が必要」とおっしゃっています。
私も日頃の研究活動では、まずビジョンを設定し、基礎的研究と実用的研究を両立させるようにと心がけていますが、なかなか上手くいかないですね。
とはいえ、今回の柚子を使った研究の戦略は、
遠いビジョン:持続可能な畜産の振興
近いビジョン:柚子と土佐あかうしによる地域の振興
を掲げ、柚子をきっかけとした今後の研究の発展につながるような「システム作り」を重視し、以下のフェーズを設定しました。
(フェーズ1) 柚子果皮に含まれる成分を詳細に調査する:家畜の餌としての成分だけでなく、特長のある機能性成分の量も把握する。
(フェーズ2) 柚子の効果を細胞レベルで検討する:いきなり牛を使った給餌試験をおこなうのではなく、安全性、効果をまず牛の細胞を用いて調べる。
(フェーズ3) 土佐あかうしへの給餌試験:ウシの体重の増加や肉質などの経済的な面だけでなく、ウシの健康(血液検査)や環境へ与える影響を検討する。
(フェーズ4) 柚子の効果のメカニズムを科学的に証明する。
(フェーズ5) ブランド化・普及を目指し、地域に貢献する。
突然ですが、様々なビタミンC飲料が販売されていますが、皆様、何色をイメージしますか?
おそらく大部分の方は"黄色”を思い浮かばれたのではないでしょうか。ですが、実際、水にビタミンCを溶かしたものは「無色透明」です(長く放置すると徐々に色がつきます)。ビタミンCといえばレモン、レモンといえば黄色、ということであえて着色して売られているのが、ビタミンCをふくむスポーツドリンクや炭酸飲料などです(最近の研究ではビタミンCが風邪予防に効くというのも怪しいようですhttp://bylines.news.yahoo.co.jp/mamoruichikawa/20170107-00066205/)。
ビタミンC以外にも私たちを取り巻く食品の世界では、イメージが先行していることが多々あります。柚子=健康的、それを土佐あかうしという希少な牛に与えるだけで、物珍しさから一時的なブランド化は可能だと思われますが、それでは本当の意味での”地域への貢献”にはならないと考えました。
そこで、以上にお示ししたような回りくどく面倒だと思われる計画を立て研究に取り掛かかりましたが、これが結果的に新たなビジョンを生むことになり、その後のあかうし研での柱のひとつになっていくのでした。
(つづく)





