2019/08/26 08:58

 

こんにちは。村上です。

おかげさまで、<みんなの休憩室>、改修工事が完了いたしました!

前回のレポート以降の歩みを、ご報告いたします。

壁の塗り直し

いよいよ、土壁の修繕です。

土壁は、左官職人でもあり建築士でもある山下直三さん(山下直三建築デザイン事務所)にお願いしました。山下さんは日野町で、「日々の暮らしを豊かにするコト、モノを生み出し、喜びを共有できる場」da-na(ダーナ)もご夫婦で運営されています。

 作業は二日間。

初日はまず、古い壁の除去から。水を吹きかけて、削っていきます。

なんども修繕を重ねた建物だけあって、部分部分で塗られ方が微妙に違うそうで、削りすぎないよう、慎重に削られていました。初日は、下地の処理をして、完了。 

 

二日目は、上塗りです。色は、もともとは赤茶色の壁でしたが、白い方が明るく清潔感もあるだろうと、漆喰に藁を入れ、自然な風合いにしてくださいました。隅々まで、丁寧に、仕上げてくださいました。 

畳の新調

壁の次は、畳です。畳は、碧いびわ湖の前身団体、環境生協の時代からお付き合いのある、彦根の高居健三さん(高居畳店)にお願いしました。 

傷んだ畳を診てていただいたところ、6枚のうち5枚は、畳表だけ替えれば大丈夫とのことで、1枚のみ畳床から新調し、あと5枚は畳の表替えだけお願いしました。 

 

お預かりいただいて約1週間。帰ってきた畳を敷き込むと、部屋一面に畳の心地よい香りが。見た目だけでなく、空気が入れ替わったように感じました。 

ガラス障子の入れ替え

これで完成!と言いたいところでしたが、実は縁側と和室を仕切るガラス障子が割れていました。しかも、一部にグラデーションの入ったすりガラス。 

 

どうやって直せば良いものか…?

と悩んだ末、工事で知り合ったご近所の大長材木店を訪ねて訊いてみると、「それなら、すぐそこの平尾硝子店さんなら直してくれるよ」と即答。

え、どこですか?と調べてみるとごく近所。しかも、いつもよく通っている道でした。灯台下暗しとは、まさにこのことでした。

 

早速、建具を持ち込んでみると、「あ、はいはい」と慣れた調子で受け取ってくださいました。すぐに、ガラスを取り外して、代わりのものの製作に。同じ寸法でガラスを切り、次に、すり加工をする機械で、同じようなグラデーションを加工。

 

ものの10分から20分ほどで作業は完了。流れるような仕事に、思わず見とれてしまいました。

ホームセンターのようにぱっと見てわかりやすくはないけれど、材木屋さんやガラス屋さんをはじめ、建築に関する業者さんが、今も近江八幡の旧市街地には息づいていることを実感しました。旧市街地は、「訪れるまち」でもあるけれど「暮らし、はたらくまち」でもあります。 

完成を経て、いま。

その後は、部屋の仕切りをつくったり、掃除をしたり、床板を油で拭いたりと、細々とした仕上げをして、部屋は無事に、完成しました。

 

 

 

振り返れば、数ヶ月前、この部屋はふさいで、物置にしてしまう予定でした。

 

でも、工事中のある日の夕方、この部屋に差し込んだ美しい光を目にし、吹き抜けた風を肌に感じたあのときから、流れが変わり始めました。

綾さん、原さん、松岡さんとの対話、クラウドファンディングの実施、みなさまからのご支援…自分自身の、ビオトープづくりの経験や住まいづくりの経験…それらがすべて組み合わさって、この場所の実現に、つながりました。

 

そのことに、あらためて、奇跡のような静かな感動と、感謝を感じています。

 

いよいよ明日、オープンを迎えます。(案内はこちらのレポートを御覧ください)

「旧市街地の、食堂の中にある、<みんなの>休憩室」という存在は、まだ新しく、ちょっとわかりにくい。だから、街中で広く認知されるまでは、少し時間もかかるかもしれません。

 

でも、この場には、多くの方々の想いが注がれています。単なる「機能」だけではない、目には見えない人の輪の「温もり」のようなものが、たしかにあると思います。

だから、その温もりに誘われて色んな人が自ずと集まってきてくださり、この場も自ずと育っていく、と感じています。

 

これからもいろんな事があると思いますが、仲間とともに、ご支援くださった皆さん、この街で働き暮らすみなさん、そしてこの場所を訪れるみなさんと共に、この場を温かく守り育てていけることを、楽しみにしています。

<みんなの休憩室>の誕生を支えてくださったみなさま、本当にありがとうございました!

そしてこれからも、この場が街の中で息づき、愛される場所であるよう、引き続きご協力を賜りますよう、よろしくおねがいいたします。