2020/06/04 15:19

こんにちは、寒菊銘醸・九十九里浜オーシャンビールの風間です。
プロジェクトを支援していただきましたみなさま、ご覧になっていただいているみなさま、ありがとうございます。とっても励みになります!
こんな活動をしてきました!と事後になってしまいますが活動報告をさせていただきます。
今回はビール造りの醍醐味、醸造についてです!少し長くなってしまうかもしれませんが興味のある方はぜひ見てみてください。

【醸造編】

☆醸造についての簡単な基礎知識
醸造(じょうぞう)とは、発酵作用を利用してアルコール飲料(酒類)やその他の食品(主に液状の調味料)を製造すること(Wikipedia)となっています。
すごく単純にしちゃうと醸造は「麦芽から糖分を取り出し、その糖分を酵母が食べてアルコールと二酸化炭素を産み出す」という工程を行うこと、ということになります。
いろいろこだわる部分があるのですが今回は小難しいことは抜きにして、簡単に話を進めちゃいます。
興味ある方はぜひ(コロナの心配がなくなってからですが)、弊社の醸造所に来ていただいたり、メッセージで聞いていただいたりして頂ければと思います。


☆実際の醸造工程
一般的なビールの醸造工程は①麦芽破砕→②糖化→③麦汁ろ過→④煮沸→⑤発酵という流れになってます。
①麦芽破砕、②糖化
まずは麦芽から糖分を取り出す作業になります。
麦芽をいい感じに砕いて(本当に「いい感じ」である必要があるんです)、お湯と混ぜて一定の温度にすることで酵素が働きでんぷんが糖分になります。

↑麦芽とお湯を混ぜているところです

↑糖化槽のプロペラだけじゃなく人力でもまぜまぜ

一時間程一定の温度にすると糖化がすすみ「もろみ」と言われるおかゆ状の麦汁の素が取れます。
このもろみは麦の皮の部分とかすべてがごちゃまぜになってるので、舌触りも非常にわるくこのままでは使えません。
そこで行うのが次の工程、麦汁ろ過です。

③麦汁ろ過
先ほど取れたもろみを次の大きな装置ロイタータンに移動します。
このロイタータンは底部がメッシュ状になっており、そこから下に麦芽カス(麦芽の皮とか)が通りにくくなってます。
メッシュの下から麦汁をとって、上からまた戻す作業を30分ほど繰り返し行っていきます。
すると麦芽カス自体もフィルターになってどんどん麦汁が澄んでいきます
↑麦汁確認のためのサイトグラス、最初は不純物が多いけど、、、

↑だんだん不純物がなくなりクリアになっていく麦汁

④煮沸
クリアになった麦汁は次の装置ケトルに移されていきます。
ここでは単純に麦汁の煮沸を行います。
この煮沸の大きな目的は2つで麦汁の殺菌(タンパク質等の除去)とホップの投入です。
煮沸をすることにより温度を上げて雑菌を死滅させ、さらに発酵の阻害要因にもなりえるタンパク質等を凝固させて取り除く作用があります。
またこの状態でホップを投入することでビールに苦み付けをすることができます。
(ホップの種類や投入のタイミングとかいろんなこだわりが生まれる部分でもあります)

⑤発酵
100度になった麦汁を酵母が活動しやすい温度帯(エールであれば20度付近、ラガーであれば10度付近)まで冷やして発酵タンクに移動します。
無菌になった甘い麦汁は雑菌の大好物なので、熱交換器を通して文字通り急冷してあげる必要があります。
冷やした麦汁に素早く適量酵母投入。
そうすることにより酵母が爆発的に増殖し、他の雑菌が付け入る隙を与えずに発酵がしっかりと進んでくれます。

こんな感じで仕込み(醸造)を行います。
大体は8時に始めて17時に終わるくらい、8~9時間ほどで終わります。


☆いちごのゆくえは、、、?
ん?いちごはどこで使ったのか?
それは企業秘密です 笑
でもほら、こんなに大量に別鍋でぐつぐつ。
一度の仕込みで約200キロも使ったので一日中ぐつぐつしてました。
ジャム工場かと思うほど大量にぐつぐつしました!

私自身も出来上がりが楽しみです。
みなさまのお手元に届くまでもう少々お待ちください。