
クラウドファンディングが始まってはや15日。
鳩の湯はどんどん変わりつづけています。
もっとも大きく変わったのは浴室の天井と壁面です。
今までは壁一面の水色でしたが・・・・

このたびリニューアルということで、ガラッと色が変わりました!
営業のお休みをいただいて、まる2日間かけての大修復。
その模様はまた後日にレポートさせて頂きます。
ペンキ絵の歴史と背景
今回のレポートは、ペンキ絵について少しお話しさせてもらいます。
ペンキ絵といえば銭湯のシンボル。
浴室に入って真っ先に目に入る雄大な景色はなんとも壮観です。
ペンキ絵は通常1年~数年に1回、絵師さんによって塗り替えられます。
その塗り替え方はなんともワイルドで、元の絵の上にそのまま新しい絵を描くのです!
このダイナミックな職人業がどんなものか、当日ぜひ鳩の湯に観に来て下さい。
圧巻ですよ(^^)
ペンキ絵はもともと広告代理店のサービス(つまり実質無料!)で描かれていたものなので、
下の絵を残して保存するという発想はありませんでした。
風呂の湯気が直接当たるペンキ絵は時間がたつと自然と劣化し、剥がれていきます。
今は銭湯絵師をかかえる広告代理店がなくなってしまったので、
銭湯の経営者は絵師さんと直接交渉して絵を描き替えてもらいます。
1年ほどで劣化してしまう上に、銭湯広告のサービスだった頃と形態が変わったペンキ絵はどんどん廃れていき、耐久性のあるタイル絵などに置き変わりつつあります。
タイル絵も情緒があっていいものです。
しかし、生々しい刷毛さばきが肉眼にせまるペンキ絵の迫力は他には替えがたく、
ぜひとも後世に残しておきたい日本文化です。
行くたびに変わるペンキ絵の魅力
現在の鳩の湯に描かれている「西伊豆」のペンキ絵は2013年の作。約3年前のものです。
すでにペンキの剥がれが目立っています。
上に書きましたように、ペンキ絵は、上に直接塗りつぶしていく手法を昔からとっています。
完成した絵の上に保護剤などをほどこすことによって耐久性を強くすることも考えられますが、
いまは従来の方式にのっとっていきたいと思います。
鳩の湯のペンキ絵は数十年もの間、丸山清人絵師に描き続けてもらっています。
丸山さんは現在80歳。最高齢銭湯絵師でありながら、まだまだ現役です。
これはあくまで私見ですが、
常に湯気にさらされ、塗りつぶされ、新しい絵に更新され続けるのがペンキ絵の本来の魅力なのかもしれません。
たった数年で塗りつぶされてしまうのはどうにももったいない気がしてしまいますが、
もともと広告のサービスで描かれていた大衆芸術であるというルーツを踏まえると、
ペンキ絵作品そのものを保存していくことだけでなく
新しく塗り替えられ続けるペンキ絵を、風呂につかりながら喜んでくれる常連のお客さんたちが増えることこそが、ペンキ絵文化保存と銭湯文化保存の肝だと考えています。
銭湯絵師・丸山さんの活きたハケさばきが、これからの鳩の湯の活性化のシンボルになることを
このクラウドファンディングから発信していきたいと思います。





