
今回のクラウドファンディング企画にご参加頂く作家の先生方の紹介を順次させて頂きます。前回の大多和要先生に続き、今回は厳男子(きびだんご)先生です。
厳先生は講談社のちばてつや賞にて、陶芸漫画『TOUGEI 闘芸』にて優秀新人賞を受賞してデビューした漫画家です。

『TOUGEI』は戦場帰りの兵士ヴィクトル・ドラゴが陶芸の道を歩む異色の陶芸漫画ですが、兵士の荒んだ心が芸術活動を通じて癒やされていく様子をハートフルに描き……
……といったような生っちょろい話ではまったくありませんので、安心して読んでみて下さい。こちらのページから全ページ無料で読むことができます。
厳先生とはヤングマガジンの読切企画にてお会いしまして、僕の原作『暴力退魔師ド外道菩薩丸』にて作画を担当して頂きました。

作品的に画力が求められる内容だったのですが、厳先生はその画力で見事にこなして下さいました。本当にありがとうございました。
そんな新人離れした画力を持つ厳男子先生に、今回お願いしたのは『ダンゲロス1969』のキャラクター、魔人公安課長、池松叢雲です。
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「……冗談には思えんな。何のための武者修行だ?」
「…………ほ、惚れた、女の……ため」
この答えにミスターイングリッシュはフゥームと唸った。やや考えてから、仏頂面のまま言った。
「よし。お前、俺と一緒に日本へ戻るぞ。英語の基礎から性根まで俺が叩き直してやる」
実際、これはベストな方法と言えた。警視庁預かりなら歩峰家も文句は言えまい。NY市警は渋るかもしれないが、利用された手前、このくらいの無理は通させてもらう。
だが、歩峰は顔を青ざめさせながらも叫んだ。
「嫌だ! 生温い世界には戻らねえ、二度と!」
「お前」
池松が不意に間合いを詰めた。反射的に歩峰の体が飛び退る。
「俺の英会話レッスンが生温いと思ってるのか?」(『ダンゲロス1969』より)
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『ダンゲロス1969』の世界では、空手や柔道と同じように英語が武術体系として存在しており、池松叢雲は警視庁最強の魔人にして、世界最強の英語使いとして名を馳せています。その英検段位は実に三十段。
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彼は動揺を見せた警官たちを穏やかな素振りで制すると、
「ハアイ! ハワユウ! アイアーム、ムラクーモ=イケマーツ!」
尋常ならざる卓越したイントネーションを以って名乗りを行い礼を示した。その一語一語に丹田から溢れ出す英語が漲っていた。ネイティブスピーカーの警官たちは電撃に打たれたかのように一様に身を震わせるばかりで、「ファインセンキュー」の一言すらままならない。
そして、彼は続けて言った。
「呼ばれてきた」
――日本語である。「不射之射」という言葉がある。真の弓の名人は弓を射ることもなく飛鳥を落とすという。池松叢雲の英会話力ともなれば日本語で十分に通じた。(『ダンゲロス1969』より)
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ダンゲロスの世界には完全熟達者(オーバーアデプト)という概念があります。それぞれが特殊な能力を持つ魔人たちですが、それとは別に、技術を極めることで魔人能力以上の理不尽な力を得た者たちがいるのです。セックスを極めし鏡子、パントマイムを極めしパントマイムよしお、そして、英語を極めし池松叢雲。この三名が現在確認されている完全熟達者です。
完全熟達者はその技術だけで『転校生』をも屠りうる力を秘めており、劇中で池松は『転校生』両性院乙女と互角の戦いを繰り広げます。そんな池松のイラストが厳先生から届きました!

池松の凄まじい英語の漲りが強く表現されています! すごーい!
<戦闘時> このカードは攻撃ダイスを4つ振る。また、このカードは振った攻撃ダイスを他プレイヤーから変化させられない。
今回のゲームでは池松は上のような能力となっております。『転校生』とも殴り合えるスペックを「ダイス4つ」(『転校生』と同じ)で表現し、己の心身を完全にコントロールする池松の能力『統一躯(とういっく)』を攻撃ダイス保護能力として再現しました。
池松叢雲のカード実装を楽しみにお待ち下さい!





