
今回のクラウドファンディング企画にご参加頂く作家の先生方の紹介を順次させて頂きます。前回のさおとめあげは先生に続き、今回は旭凛太郎先生です。

旭先生は現在はヤングガンガンにて藍井彬名義で『DUEL!』を連載中されています。
今回は僕が若かりし頃、衝撃を受けた作品、『TWO突風』(原作:藤井良樹 作画:旭凛太郎)をご紹介させて頂きたいと思います。

『TWO突風』は見ての通りの不良漫画。不良である主人公コンビが、チーマー、ギャング、暴走族、愚連隊などの様々な不良と延々と殴り合う漫画です。様々な不良組織が群雄割拠する様は、今で言えば『HiGH&LOW』に近しいものがあります。
しかし、本作の突出したポイントは本当に徹底して〝不良〟漫画であるということ。主人公含め登場人物全員が粗暴凶悪であり(特に主人公コンビが著しく凶悪)、倫理性は作品通しても数える程しか発揮されません。

迫りくる大群を無視して、すでに倒した雑兵を金属バットで殴り続ける主人公たち。


敵幹部がタイマンを申し出ても無視して雑兵を金属バットで殴り続ける主人公たち。
「この世界の警察力はどうなってるんだ?」と思うほどに、主人公たちは金属バットで不良の頭を殴り続けるし、銃とか落ちてたら、特にためらいもなく拾って引鉄を引きます。どいつもこいつも極悪で暴力描写が徹底してやりすぎです。

しかし、単にバイオレンスな暴力漫画というだけではなく、なんだかよく分からない凄まじいギャグセンスが全編に渡って繰り広げられます。

『TWO突風』は不良のヤバさ凶悪さと、頭の悪さをどちらも極端にデフォルメしています。バカと天才は紙一重みたいな感じで、凶悪さと頭の悪さも紙一重な感じで描かれているのです。
そして、僕が一番好きなのがこちらのこのシーン。

「よくて脳死だぜ」。凶悪さと頭の悪さがわずか2コマのうちにフルスロットルで表現された珠玉の1シーンです。

藤井先生の凄まじいセンスで描かれる不良像が、旭先生の表現力と相まって、恐ろしく高密度でハイセンスな不良漫画となっています。徹底的に暴力的で、教育に良い要素は1ミリもありませんが、作品としての存在感は唯一無二。こういう奇跡みたいな漫画が生まれるから、不良漫画だからって表現規制とかしちゃダメなんですよね。
ちなみに『TWO突風』は現在AmazonではKindleUnlimited対象作品となっています。KindleUnlimited利用者であれば無料で読めますので、気になった方はぜひどうぞ。
さて、そんな旭先生に今回ご依頼したカードイラストは『飛行迷宮学園ダンゲロス』から真野五郎です。

希望崎学園番長グループの副番であり、今ではかなり落ち着いたものの、かつては狂犬と呼ばれた危険な男。そしてバカ。長ランの裏にはびっしりとナイフを仕込んでおり、能力は『瞬間移動ナイフ』。投げたナイフが瞬間移動して相手の眉間の寸前に現れるという、何の面白味もないけど無体に強力な能力です。
今回、旭先生には「ぜひ狂犬時代の真野を」「凶悪な感じで!」とお願いしております。真野さんが旭先生の手で一体どんな凶悪な不良になってしまうのか、ご期待下さい!!





