今回のクラウドファンディング企画にご参加頂く作家の先生方の紹介を順次させて頂きます。前回の押切蓮介先生に続き、今回はさおとめあげは先生です。

　さおとめ先生には今回初めてご連絡させて頂きました。さおとめ先生は現在はコミック乱にて『零鴉-Raven-』を連載されていますが、僕がさおとめ先生を知ったのは、『ニンジャスレイヤー GLAMOROUS KILLERS』（以下『グラキラ』）という作品でした。

　ツイッター小説『ニンジャスレイヤー』をコミカライズした作品は現在三作あり、原作に忠実な余湖裕輝版『ニンジャスレイヤー』、少年漫画的なアトモスフィアを強調した関根光太郎版『ニンジャスレイヤー殺（キルズ）』、そして、登場する男性ニンジャがなぜか全員美形化（グッドルッキング化）した、さおとめあげは版『グラキラ』です。

『グラキラ』は掲載媒体（B's-LOG COMIC）もあってBL的なニュアンスが強い作品と見なされています。それは実際、間違いではないのですが、では一部の嗜好を持つ女性読者にのみ向けた作品かというと、そうでもありません。

　というのは確かに男性ニンジャ同士の疑似恋愛的なニュアンスは作品に存在しているのですが、この擬似的な恋愛関係を成り立たせるためには原作以上にキャラ同士の関係性を強化する必要があり、結果、原作に＋αした、さおとめ先生独自のキャラの掘り下げが為されているのです。ゆえに『グラキラ』は「ニンジャのBL版」ではなく、「キャラの関係性をより強化して描いたニンジャ」と言うべきものになっています。

　個人的に好きなのが２巻のこちらのシーン。敵の幹部組織「シックスゲイツ」が描かれた一幕です。

　原作ではほとんど描かれなかったガーゴイルが、「シックスゲイツの苦労人」として登場しています。仲間をなだめたり、後輩のヘルカイトにお酒を注ごうとして断られたりと、わずかな描写ながら彼の立ち位置と人となりがすごく分かる！

　そして、野良犬じみていたヒュージ・シュリケンが、シックスゲイツの関係性に擬似家族的なものを感じている描写。さおとめ版にのみ見られる、このヒュージの"甘さ"ですが、これもガーゴイルのキャラでかなり裏付けされています。そりゃガーゴイル＝サンがあんな感じで日々がんばってたらシックスゲイツの雰囲気も良くなるよな。

　そのガーゴイル＝サンがミッション中の事故で死亡。ヘルカイト＝サンによる謀殺だと疑っている時のヒュージ。仲間であるはずのシックスゲイツ間での確執が生じ、これによりヒュージの中での疑似家族的な甘い幻想が打ち砕かれるわけです。

　と、このように、原作ではかなりあっさりと描かれていたガーゴイルの死と、ヘルカイトの謀殺、ヒュージの抱いた疑惑などが肉付けされて描かれ、さおとめ先生独自の「シックスゲイツ」組織像を提出しています。こういったニンジャ関係性の強化が『グラキラ』の魅力であり独自性だと言えます。
　＊
　さて、そんなさおとめあげは先生に今回お願いするのは『戦闘破壊学園ダンゲロス』から服部産蔵。

　元剣道部副将にして番長グループの一員。学生服に忍者ルックを組み合わせた奇妙な男です。魔人能力は『妊娠眼』。画像の通り、「みんながみんな戦いの役に立つ能力を持ってるわけじゃないよなぁ」というキャラです。

　横田版では顔面偏差値の非常に低いキャラとして描かれていますが、今回、さおとめ先生にはグッドルッキング化をお願いしました。先程ラフを見せて頂きましたが、実にグッドルッキング。また、それに伴いゲーム内での性能も変化させました。

Lv1　服部産蔵　
『妊娠眼』
<戦闘時>
直接の対戦相手がの場合、攻撃ダイスを振る前にダイスを１つ振っても良い。６が出たら直接の対戦相手を自分の手札の最後に加える。手札に空き枠がなければ捨て札とする。
<決戦時武道場ボーナス>
能力成功時、手札の上限数を突破して手札にして良い。

　初期の能力設定は原作に忠実に「ゲーム中の効果はない」の一文で終わっていたのですが、テストプレイをしてみたところ、まるで紙くずのように顧みられない可哀想なカードになってしまったので、せっかくさおとめ先生に描いてもらうのにそりゃないよなあ、ということで強化しました。

　イメージ的には「さおとめ先生の描く服部なら、女性６人につき１人くらいは恋心を持ってその場で裸になってくれるのでは？」という感じです。だとしても妊娠させる必要は全くないのですが……。

　ともあれ、さおとめ先生の描くグッドルッキング服部にご期待下さい！！！