2019/06/04 23:08

こんにちは。
階段王になる男、渡辺良治です。

 

もうFBなどでの速報でご存知だと思いますが・・・。

6月2日に行われたVWC(バーティカル・ワールド・サーキット)第5戦、ニューヨーク大会において初の優勝を飾りました!日本人男性としては初であり、スカイランニング全体でみても4月の粟ヶ岳スカイレースでの上田瑠偉選手に続いて2人目という快挙を成し遂げることが出来ました!

いち早くレース内容をみなさんにお届けしたいのですが、いつものようにレース前のあれやこれやからお届けします。

 

何故なら今回も本当にいろいろあったんです…(ノД`)・゜・。

 


ほ、本当に危なかったです…ε-(´∀`; )

いや、この目つきも危ないかもしれませんが、実は下手するとアメリカにたどり着くこともできない危機的状況でした。
何度も諦めかけましたが、諦めずに決断して良かったです!

・・・って何のこと?って感じですよね(笑)

変なテンションで申し訳ありません。
実は直前までアメリカ入国に必要なESTAの登録をしていなかった為にNew York入りに黄色信号が灯っていました。
一旦ストップして手続きの完了を待って別の便を取り直すという選択肢もありましたが、勢いで突っ走ってギリギリセーフでした(^_^;)

ことの顛末はこうです…。

遡ること2週間。
レッドブル400に一緒に参加したスカイランニングの「ニューヒロイン」こと立石祐子選手から
「りょうじさん、ESTAとりましたか?」
と聞かれていたんです。
ESTAとはアメリカ本土に入国する為に必要な簡易ビザのようなもので、Webで申請できます。
なるべく早めに申請しなきゃなと思いつつも結局レースのことで頭がいっぱいになりすぐにESTAのことは忘却の彼方へ…(・・)/~~~

そして時は流れ、出国する5月31日の午前7時。
珍しくフライト1時間半前という早めのチェックインを済ませようとすると…。
「お客様、ESTAをまだ取得されてないようですが…。」

「?」→「〜〜??」→「りょうじさんESTAとりまし………?」
⁉️:(;゙゚'ω゚'):((((;゚Д゚)))))))‼️‼️!!!!

あっ…。やってしまった…。
自分の悪いクセです。
「大事なことはすぐやれ‼️」
今後、自分に言い聞かせようと思います。
因みに、自分のフライトは直行便ではなく、北京経由の乗り継ぎ便です。


なので北京からNew Yorkへ乗り継ぐ際にESTAが申請通っていれば大丈夫とのこと。
その代わり、そこで通ってなければ予約した便には乗れず最悪帰りの便も取り直さなくてはならないと説明を受けました。
血の気が引き、手が震えながらも航空会社の方にもお世話になりながら急いでESTAの申請をしました。

ですが、7時45分には一つの決断を迫られました。
このまま申請が通ると信じて北京に向かうか。
当初のフライトを取りやめて申請が通るのを待ってから別の便を取り直すか。
まぁお家に帰って大人しく5日間引き篭もるという選択肢はすぐにゴミ箱に投げ捨てましたが( ̄ ̄)


5分くらいの間に色々と考えましたが、とりあえず自分にはブレーキなどついていないも同然。
倒れる時は前のめり!
の精神で北京まで行く事に。
最悪北京で申請が通るまで待てばいいや〜( ̄ ̄;)

それから飛行機に乗り込んで北京に着くまでの長かったこと…。
悶々とした時間を過ごし、3時間半後に北京に到着。
乗継ぎの間に急いでネットを繋ぎ、申請が通ったか確認します。

ちなみに申請が通るまでどれくらいかかるのか航空会社の方に聞くと、
「24時間以内としか言えません」
とのことでした。ハハハ…。
藁にすがる思いでWebで確認すると…。


「認証は承認されました。」の文字が‼️
にんしょうはしょうにん!゜・(ノД`)・゜・。(^O^

 

危うく泣きそうになるほど嬉しくて小躍りしてしまいました(笑)

しかし、ここで油断するとまた失敗するのでまずは残り少ない乗継時間で次の飛行機に乗り遅れないように気持ちを切り替えました。

…そして搭乗口にたどり着いた時にはどっと疲れが_(:3 」∠)_
まぁ精神的な疲れなのでカフェオレとサンドイッチで直ぐに回復しましたが(^^;)

そんなこんなで今までで一番ヤバイ賭けに勝ったのでした。

北京からNew Yorkへはおよそ13時間。
先ほどのフライトと比べると映画「クリード」を観て大粒の涙を流すなどリラックスした状態で過ごせました(笑)
こうしてたどり着いたニューヨーク!
アメリカ初本土上陸は流石に少し興奮しましたね(^_^;)
今までパリやマドリードには行ったことがありますが、到着後直ぐに集団で田舎に移動したので街の雰囲気をほとんど楽しんだことがありませんでした。

 


果たしてニューヨークの街並みやいかに…。

 


そこには予想以上の高層ビル群が待っていました。
最近では超高層ビルと言えば東アジアが主流でしたが、元祖超高層ビル群はここアメリカで、
レース数も群を抜いて多いのでした。

そんな中一際目立つ存在が二つ。


一つは先月にレースが開催されたエンパイアステートビル
初日のホテルの目と鼻の先にありました。来年は登らせてもらうよ〜( ^_^)/~~~
そしてもう一つこそは「1ワールドトレードセンター」です。

 


今回の闘いの舞台であり、西半球最高峰の543mを高さ!

ここはあの「9.11」の跡地に新しく建てられたビルであり、存在そのものが「9.11」の慰霊碑のようなもの。
そこで四年前から開催されているのがこのレース。
正式な大会名は「Tunnel to wtc」で救助に入って亡くなった消防士を記念・慰霊するようなチャリティ企画となります。

登る高さは384m、2226段、104階です。
これはVWCではソウルに次ぐ長い距離になります。
コースレコードは去年のピーターが12分5秒。このタイムから察するに水平移動はさほどないと思って間違いありません。
サーフェイスは右回り、段差は平均的な高さのはずです。
高さ÷ステップ数は0.173でハルカスの0.178に比べれば少し低いくらいで走りやすいと考えられます。
かと言って調子に乗って前半飛ばすと痛い目にあうはず…。
中途半端なことが逆に難しさを醸し出していますね(^-^;

しかも、今回は前日のブリーフィングでも、コース見聞は行えず細かいイメージは一切掴めませんでした。
まぁとにかくやること基本的にはいつもと変わりません!
目の前の階段をひたすら登る。
いかに適正なペースを刻めるか。
踊り場ではスピーディに歩数を抑える。

今回もそれに集中することにしました。
ブリーフィングの後に会場に荷物を置き忘れ部屋に戻ってから慌てて取りに戻るという軽い追い討ちトラブルもありましたが(笑)とにかくいつも通り平常心を強く意識しました。
それさえ出来ればまず負けることはないと確信していました。
何しろ今回はピーターもマークもいないというVWCでは非常に稀な状況だからです。

 


・初のアメリカ本土での慣れない食事や時差
・午前5時スタートという異常に早い時間
・VWCには珍しいウェーブスタート
などなどいつもと違うことだらけでしたが
大事なことは通常の力をきちんと発揮すること。
そうすれば勝てるはずだと自分に言い聞かせました。
不安と期待が織り交じる中、いつもの米ではなくパンを頬張りながら20時過ぎにはベッドに入りました。
午前2時には起きる予定なので熟睡はできないとは思いましたが、これまたなかなか寝付けませんでした。

果たして明日はどうなるのか⁈
流石に不安が大きくなる中でいよいよレース前日が終わるところで今回のレポートは終了です。
レースの当日は近日公開する次回のレポートでご報告致します!

 

 

それではまた。

 

渡辺良治