東播海岸でアマモ場を増やし海を豊かにしたい!
はじめまして、NPO法人 アマモ種子バンクの出口一郎と申します。
沿岸域環境の保全および新たな創造のために、アマモ場造成に関する技術の研究と開発並びに関連する環境保全活動を行い、その普及活動を通じて地域社会の発展と環境の調和を図ることを目的とした活動を行っております。
これまで、東播海岸、泉南海岸において、漁協、環境団体、小学生らと一緒にアマモ場の造成とアマモ場周辺の生物調査を行ってきました。特に、江井ヶ島におけるアマモ場の生物調査においては、須磨水族園の全面的な協力を得て行っています。

主な活動としては!
◇明石、中海、おおい町など日本各地域の種子の採取・養生・保存。
◇播磨灘~大阪湾~紀州灘の市民活動団体と協働してのアマモ場再生活動(赤穂、白浜、江井ヶ島、りんくうタウン、田辺湾)と東播海岸における地引網によるアマモ場周辺の生物調査。
◇神戸住吉川を対象とした「森~川~海を結ぶ都市型河川の自然再生」活動。
これらの活動が評価され、2013年9月環境大臣表彰(瀬戸内海の環境保全に大きく貢献したことによる)を受けました。
アマモってどんな「モ」!?
▼撮影:海っ子倶楽部・三島正嗣氏▼

アマモは「海草(うみくさ)」と呼ばれる植物で、ワカメ,コンブなどの海藻とは異なり、海の中で花を咲かせて種を作ります。北は北海道から南は鹿児島まで全国各地の砂や泥の海底に生えています。秋から春にかけて成長し、高さ1 m以上にもなります。
このアマモがたくさん生えている部分をアマモ場といいます。
アマモ場では、アマモによって波がおさえられて、水の流れが穏やかになります。また、隠れる場所がたくさんあることから、魚や貝、エビやカニなどが卵を産み子供を育てるのにちょうどよい場所になります。それが
「海のゆりかご」と呼ばれている理由です。
また、アマモの葉の表面は、藻類(そうるい)やヨコエビ類、カイアシ類、巻貝などが生息する場所になっています。さらに、周辺に集まった小動物を求めて、大型の魚やカニ、エビなどが集まってきます。このようにアマモ場はたくさんの生き物が棲むために必要不可欠な場所になります。
さらに、光合成により炭酸ガスを吸収し酸素を出します。また、海底からリンや窒素を吸収し、成長します。このように海域環境の改善にも大きく寄与しています。
エビ・カニ・貝の住まいを増やしたい!

1960年代以降、アマモ場を含んだ浅海域の埋め立てが進行し、重要な生物生産の場が全国各地でどんどん失われ、また、アマモ場の再生力を超えた漁業活動の結果、沿岸漁業の低迷が続いています。
東播海岸においても、東二見沿岸域は大規模に開発され浅海域の自然環境が失われました。東二見の海岸では、失われた自然環境を回復するために、浅場の造成が行われました。
しかし、周辺の江井島海岸に自生する
アマモ場周辺での地引網による生物調査では、リッチな生態系が形成されていることが確認されていますが、造成された浅場の生態系は貧相なままです。
昨年は、造成された浅場に試験的な
「アマモの造成」を行い、1年経過後も移植によって植えつけた「アマモ」が残存していることが確認されました。
海底に20m2程度のアマモ場を作ることができれば、次年度以降、自然にその範囲が広がるのが期待されます。アマモ場ができれば、リッチな生態系が形成されます。さらに、沿岸域で大気中のCO2を吸収するブルーカーボンとしての役割も期待されています。
この浅場にぜひアマモ場を作り出し、豊かな生態系を創出したいと考えております。
全国で活動をしております!
アマモ種子バンクの重要な仕事の1つに、アマモ場の造成・再生に必要となるアマモの種の採取・養生・保存というのがあります。今まで、北は新潟県(佐渡島)、南は鹿児島県(指宿)にいたる13か所のアマモ種子の養生・保存を行ってきました。また、兵庫県および和歌山県では、種子の採取から養生・保存を行っています。
さらに、アマモにかかわる全国の研究者、漁業関係者、海岸管理者などが1年に1回集まってアマモに関する様々な議論を行い、情報交換を行う全国アマモサミットに積極的に参画し、2011年には大阪(海遊館)で第4回となる会議を主催しております。
▼全国活動エリアマップ▼
なぜ?今回のプロジェクトを始めたのか!!

様々な財団により、NPOの活動を助成するプログラムが用意されています。
しかし、通常助成の対象となる事業は、それぞれの財団の目的・設立趣旨に沿ったものに限られます。
アマモ場を造成して海を豊かにするというプロジェクトを申請することができる財団の数はごく少数です。また申請が採択されても、必要な経費が100%助成されるわけではなく(通常は、50~80%)残りの経費はNPOで負担しなければなりません。
助成申請が採択されなければ、
NPOの自己負担が増加します。
クラウドファンディングで集められた資金は、
目的達成のため100%使用することが可能です。
さらに地域密着型のクラウドファンドを行えば、より多くの方へこの小さな活動をしってもらえます!
目的達成のため、出資いただいた方との協働も可能ではないかと判断しました。
この活動を支えていただけますよう!よろしくおねがいします!
集まった支援の用途と使い道
▼今回の造成地の位置図▼

アマモ株の移植は、ボランティアダイバーによって
11月15日に東二見沖に造成された浅場で行います。
その後アマモが根付いたかどうか、造成されたアマモ場でどのような生態系が形成されているかという事後調査を、再度ボランティアダイバーにお願いして3月頃実施します。
▼アマモ移植会(ダイバー紹介)▼

▼東二見沖でのアマモ移植準備を行うダイバー▼

移植作業は、6名のボランティアダイバーにお願いします。
ダイバー1人/空気タンクのチャージ料金および交通費などで6名×1.5万円=9万円の経費が必要です。
その他傭船料1回3万円、支援スタッフの交通費(3名×5000円=1.5万円)
移植に必要な消耗品に3万円程度
合計16.5万円が必要となります。
事後調査は、4名のボランティアダイバーにお願いします。
4名×1.5万円=6万円、傭船料3万円、支援スタッフの交通費(3名×5000円=1.5万円)
その他調査に必要な消耗品に3万円程度、計13,5万円が必要となります。
移植時と事後調査の費用の合計、30万円が必要です。
アマモ場!現地見学会!
アマモの移植会!現地見学会!
2015年11月15日(日)に東二見海岸でアマモの移植会を行う予定をしております。
当日の午前中に、移植の準備を江井島漁港で行います。お手伝いいただける方がおられましたら、ぜひご参加ください。
※天候、海の状況によっては、日時を変更する場合があります。集合場所などの詳細は
アマモ種子バンクウェブサイトをご覧ください。
※当日は、温かいお飲み物を用意しております。
最後に!
アマモは海のゆりかごだ!を合言葉に、アマモ場の保全・再生・造成に日々いそしんでおります。毎度、費用的にも大変苦労をしております。
東二見沖の造成された浅場にもアマモが定着し、豊かな生態系が作り出されることを夢見ています。
ぜひ、お力添えよろしくおねがいします。
起案者情報

団体名】特定非営利活動法人 アマモ種子バンク
起案者】理事長 出口一郎
HP】
アマモ種子バンクウェブサイト