この地域の漁船といえば、木造の舟です。
濃尾平野に広がる木曽三川「長良川・木曽川・揖斐川」では高野槙(こうやまき)を材とした舟が川面に浮かび、岐阜の故郷の風景として多くの人の心に溶け込んでいます。
一方で、その造り手である舟大工を取り巻く環境はいっそう厳しさを増し、流域に残り2名となりました。(専業でされている方はうち1名)
漁業による安定収入がない中でこうした状況も追いうちとなり、私たち漁業者は舟の新造ができないまま現在に至ります。寿命10年と云われる舟ですが、多くの漁業者は手持ちの舟を丁寧に補強しながら30年ほど乗り続けているのです。
本来は施したくないですが、グラスファイバーで舟の表面を覆うこともシバシバです。これら私たちにとって苦渋の行為です。
高野槙じゃない和船…
FRP製の漁船…
行く末を案ずる私たちに大きな光が差し込みました。
舟大工「那須清一」さんの鵜飼舟プロジェクト。
鵜飼舟は地元漁業者が使用する「漁舟」とは形状が異なりますが、このプロジェクトの成功が私たち漁業者や地域にとってプラスに作用することは言うまでもありません。
一員として取り組もうと思います。
http://www.forest.ac.jp/academy-archives/2017ukaibune_project/
船長:平工顕太郎