今、水のいっぱい入った風船が弾けようとしています。
町では10年ほど前から、元気のなくなっていくふるさとをなんとかしょうと、いくつかの地域活性化団体が立ち上がっていました。町の中を流れる瀬戸川に鯉のぼりを流したり、観光ガイドに挑戦したり、夏祭りに伝説の天狗を復活させたり…。
こうした中、昨年大きな変化がありました。次々に商店が閉まって行く町に一軒の喫茶店が開店したのです。川沿いの古民家をリノベーションしたお店で、静かな町に行列ができていたのには驚きました。店の名は「川のHotori用瀬」。ご近所では、町を訪れる人たちが気持ちの良い時間を過ごせるように、自宅前を掃除したり花を植える人が増えてきました。
去年の夏、鳥取環境大学の3人の学生が週末住人としてやって来ました。なんと彼らは、小さな町にゲストハウスを開業し、遂には地域の住民として暮らし始めたのです。すると、自宅で取れた野菜をお裾分けする人、手料理で宿泊客と交流する人達がでてきました。すっかり用瀬に溶け込んで、様々な地域行事に参加している彼らを見ていると、用瀬の明るい未来と希望が見えてきます。
そして今年は、用瀬には珍しいビルディング?を改造した芸術家、職人の拠点ができようとしています。これを機に多くのクリエーターが集まり、沢山の人が訪れるようになる。かつての賑わいを取り戻し、町が活気づいていく。
先日、川のHotori用瀬で、かつて地元でみんなに愛されていたアンコロマンジュウが復活しました。みんなの力で蘇ったこの小さなマンジュウは、用瀬の賑わいの復活を予感させる大きなマンジュウでした。
このアンコロマンジュウとみんなの願いが大きく膨らんで、用瀬という風船が弾ける時を想像しながら、今日のところはスーパーのまんじゅうをいただいておこう。
元気な用瀬を願う地元民オキタ