富士山での大気観測は山頂だけに限りません.2019年7月には早稲田大学,東京理科大学,静岡理工科大学の共同研究として,富士山麓からドローンを用いて森林上空の大気観測を行いました.
2018年の富士山頂では観測史上歴代2位となる高温でしたが,2019年は一転して天候不順が続き,富士山周辺では激しい雨に見舞われました.観測を行うタイミングが難しく,台風6号の接近により計画を繰り上げて,7月25日にドローンに大気観測を決行しました.
当日は早朝6時前からドローンによる大気観測準備を開始し,朝7時から夕方5時まで合計8回のフライトを行いました.大気中の微小粒子状物質(PM2.5)、二酸化窒素(NO2)、オゾン(O3),ブラックカーボン(BC),気象(風向・風速、温度・ 湿度、気圧)観測とともに雲粒捕集を行うなど,世界ではじめての大気観測に成功しました.
ドローンによる大気観測にはグリーンブルー株式会社の全面的な協力を得て行い,BCモニターは東京ダイレック株式会社より借用しました.
富士山における研究は,多くの方々のご支援を得て成し遂げられるのです.