富士山は火山なので、いつまた火山活動が活発になるのか心配されています。火山性ガスを常時モニタリングし、防災に役立てる研究を進めています。
昨年の夏の終わりに山頂の富士山測候所内に火山性ガス(二酸化硫黄:SO2)を測定するセンサーと通信機器(ELTRES)を設置しました。商用電源が利用できなくなる秋から次の夏までこの測器を稼働するためにバッテリーを使用しますが、この無人期間をバッテリーだけで耐え抜くために超省電力である必要があります。写真は窓際に設置したELTRESです(2019年8月27日撮影)。これはソニーセミコンダクタソリューションズが開発したLPWA(低消費電力・広域通信方式)で、富士山頂からの情報をスカイツリーで受信しています。
現在の測定結果はNPO富士山測候所を活用する会のウェブサイトで公開しています。昨年の夏の終わりに設置したバッテリーで越冬し、今年の夏まで稼働さることに成功しました。しかし、今年の夏は山頂での作業ができないため、バッテリーの充電・交換ができません。この状況でいつまでデータを送り続けることができるのか分かりませんが、なるべく長く山頂の状況をお伝えでできればと思います。