皆さんは富士山というとどんなことを思い浮かべるでしょうか?遠くから見たときのほぼ円錐形のきれいな形、日本の象徴、夏の登山シーズンの山腹を上る長蛇の列、などなどでしょうか。山頂で見るご来光や眼下の雲に映る影富士も、山頂に上った人だけが味わえる独特の光景です。しかし、頂上の旧富士山測候所でいろいろな観測を行おうとすると、そのような美しいもの、癒されるものだけではありません。頂上では真夏でも早朝には摂氏0度付近まで気温が下がります。気圧が低いため山頂に到着した日には決まって高山病に悩まされます。また一旦天候が悪化すれば、雨や風のすさまじさは言語を絶するものがあります。日本で唯一永久凍土の残る富士山(これも温暖化の影響でなくなりかけているようですが)は、冬には南極や北極にも負けない極地なのです。そのため、私たちは夏場しか旧測候所を利用した観測ができないのです。7,8月の2か月間に集中して観測を行い、世界に伍する研究成果を上げてきました。今年のコロナ禍はまさにこのような貴重な研究の場を奪おうとしています。このNPOには頂上の旧測候所を利用した研究のための利用料しか頼れる資金源がないからです。皆さんのご援助がこの貴重な研究の場をキープする唯一の方法だと思っています。どうぞよろしくお願いします。