今日は富士山頂からの風景をご紹介しましょう。と言っても、昨年までの写真ですが...。
さて、この写真は測候所あたりから北の方角(やや東?)に見えた入道雲を撮ったものです(2015年7月22日に撮影)。入道雲と言えば、モクモクと湧き上がってどこまでも高くなっていくような印象を持たれるかも知れませんが、実は天井があります。緯度によって違いますが、だいたい高さ10km前後に対流圏界面というものがあって、そこで対流は止められてしまいます。あまりに勢いが強いと天井を突き破って雲が ”ジャンプ” することもありますが、多くの場合は横へ拡がっていきます。それが写真の「かなとこ雲」です。と言っても鍛冶屋さんが少なくなった現代では、あまりイメージも湧かないでしょうか?
私たちのNPOでも、雲にまつわる研究をしているグループがいくつもあります。上で雲がジャンプする話を書きましたが、まさにそれを対象にしていたり、遠くに見える雷雲からの放電を地面に向かうものだけでなく上空に向かうものも含めて調べていたりします。また、富士山頂にかかる雲や霧にはどんなもの(例えば大気汚染物質)が溶け込んでいるのか、といった研究をしているグループもあります。「雲をつかむ」ことが、私たちの活動でも重要な柱であると言って良いでしょう。