2020/08/10 13:00
今年の夏は残念ながら富士山頂での大気観測ができませんが、このような状況でも研究を進めていくため、麓の太郎坊(1290m)において大気観測を開始しました。
光化学オキシダント(正確ではありませんが光化学スモッグといったほうが分かりやすいでしょうか)として生物に悪影響を及ぼす対流圏オゾン、汚染大気輸送の指標となる一酸化炭素、燃料の燃焼から発生だけでなく火山性ガスである二酸化硫黄の測定を行い、山麓での大気の状況を知るだけでなく、これまででデータの蓄積のある山頂との比較を行っていきます。
高度の高い地点で大気観測を行うと、遠距離から輸送されてくる大気をとらえることができ、長距離越境汚染や遠方の火山の噴煙の影響の検討ができます。
富士山中腹に位置する太郎坊においては、昼と夜で都市域の影響を受ける大気と自由対流圏(地表の影響をあまり受けない大気)の入れ替わりが見られるかもしれません。