支援センターでは、遊びながら保健衛生や性教育などを学ぶ時間があります。絵やルーレット、すごろくを使って楽しみながら学びます。
たとえば保健衛生について学ぶすごろくの場合、マスひとつひとつに健康に関するルールが書かれています。「トイレに行くときはサンダルを履こう」「下痢のときは経口補水液(塩と砂糖を溶かした水)を飲む」、のようなことです。 まだ文字が読めない子が多いので、一緒に参加している年上のお姉さんが書かれていることを読みあげてくれます。
働く少女たちの多くが女親やきょうだいと離れて生活をしているため、思春期の身体の変化や生理のときの対応を教えてくれる人が身近にいません。一定の年齢になるとセンターではそういった知識についても伝えています。
性的虐待を防ぐため、「よいタッチ、悪いタッチ(触られることを許していい場合といけない場合)」などについても教えています。例えば、頭を撫でられるのは許してもいいけれど胸だったらよくないタッチといったように、女の子たちでも抵抗なく受け入れられるような伝え方を工夫をしています。
本来であれば学校や家庭で教えてもらうことを、学校に通っていない少女たちは学ぶ機会がありません。支援センターの授業を通じて、生きていくために必要な知識を身に付けます。身体の変化、そして自分の身を守る方法を学んでもらうことで、彼女たちが心も身体も傷つかないよう、自信をもって大人になれるよう育っていってほしいと思っています。