現在も支援センターは閉鎖が続いています。きちんと対策をとった上での再開に向けて準備を進める中、電話で家事使用人として働く少女に話を聞きました。
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ルナさん(仮名/17歳)のお父さんは2歳の時に亡くなりました。お父さんが亡くなった後、おじいさんに家を追い出され、村では仕事も家も食べ物もなく、お母さんと二人の兄弟とダッカに出てきました。今は一番上のお兄さんと家事使用人として働くお母さんとダッカで暮らしています。ルナさんはお母さんと一緒に雇用主の家に行き、仕事の手伝いをしています。お給料はもらっていないそうです。
■支援センターに通うようになったきっかけはなんですか?
支援センターの先生が私が住む地域を訪問し、センターについて教えてくれました。母の勧めで通うことになり、勉強を再開しました。以前は勉強が好きではなかったのですが、面白いと思うようになりました。スポーツや他の教科も大好きです。昔、村で学校に通っていたときは、暗記するのがとても難しかったのですが、今は簡単に感じ、楽しいんです。
支援センターでは手工芸、縫製、美容の研修も受講することができました。これで私もしっかり働けるようになったのかと思うと本当にうれしいです。最近では手工芸と縫製の仕事を定期的にもらえるようになってきて、1か月で2000~2500タカ(約2500円~3100円)稼いでいます。母はとても喜んでくれています。支援センターで学んだことを生かして、しっかりと自分の人生を幸せなものへと切り開いていきたいと思います。
■支援センターで好きなことはなんですか?
友達と集まっておしゃべりすることです。自分の話や友達の話を聞くなかで、雇用主の家での生活の様子が伝わってきます。また、支援センターで刺繍を習いました。家で刺繍をしていると近所の人が見に来るのです。そんな時とても嬉しく感じます。
■COVID-19でセンターが閉まっていたときはどうしていましたか?
センターが閉鎖している間は友達や先生に会うことができず、とてもさみしかったです。私が何かものを作るときはいつも、センタ―の先生が見てくれてどうすればもっとよくなるか、アイディアをくれていました。
最近、母が家事使用人の仕事を再開したので私も一緒に働いています。でも、本当は家事使用人の仕事は好きではありません。もっと違う仕事、特に支援センターで学んだことを生かして、仕事ができたらいいなと思っています。新型コロナウイルス感染拡大により、今は美容と縫製の仕事ができず、収入が少なくなってしまいました。早くこの状況が収まって仕事ができるようになることを願っています。