「BOOK BUS 初運用の手応えと、これから」
7月27日に内外装の改修を終え、納車された「BOOK BUS」は、去る7月28日~30日の3日間、長野県大町市の木崎湖畔で開催された「ALPS BOOK CAMP 2017」の29日と30日の2日間に出店。
全国から集ったブックラヴァーズに向けて初お披露目を果たしました。
そんな記念すべき現場に立ち会うことになった「BOOK BUS」プロジェクト担当の中村(写真左)と市川(写真右)に、初出店の現場を振り返ってもらいました。
―初出展にして初お披露目。当日はどんな気持ちで会場へ?
市川「天気が心配だったかなあ。出発する時からすでに雨が降っていて…それが心配だった。移動中にも降りが強まってきたし。ただ、現地に到着したら小雨だったので、それほど雨の影響を受けずに店支度出来ました」
―本を積んで移動した初めての機会でしたよね。どんな本を持って行ったんですか?
中村「『NABO』(弊社が経営するブックカフェ)に置いてあるような本がいいんじゃないかってことになって、暮らし、料理、旅、小説・文学、アウトドアに関する本、絵本なんかを持って行きました」
―BOOK BUSが会場に到着した時の周りの反応は?
市川「サイズも含めインパクトがある車輌なので、会場入りする時の注目度はありました」
中村「『でかいの来たなあ』みたいな、『でかいのきたよ〜、大丈夫か、あれ』みたいな(笑)」
市川「そんな感じはあったっぽいね」
―「場所が狭いんじゃないか?」「入れるのか?」と心配していましたよね。実際は?
中村「木立の間がちょー狭かったんですよね。あの隙間は通んないんじゃないかなあ、と」
市川「まあ僕的にはあれはいけるな、と思ったんだけどね」
中村「いや、でも相当ギリギリでしたよ!相当ギリギリだったし、1回大きく切り返すことになって、それがなんかこうやって、こうやって、こうやって、こうやって、こう!みたいな、なんかそんな」
一同「笑」
―店支度をはじめてすぐにお客さんは集まってきましたか?
中村「バスは目立つし、お客の引きは良かったかな」
市川「本を並べ始めている時からずっと見に来てくれましたね」
中村「ずっと人いた!ほんとに」
市川「たえず10人くらいは乗っている感じでしたよ」
中村「しかも当日は雨で、ブックバスは室内で、ベンチもついているから」
―お客さんの反応は?
中村「子どもが乗りたがるんですよ。親が『乗る?』って聞くと『乗るー!!』みたいな(笑)」
中村「なんか子どもとか連れている人にとってはいいかもしれないですね。子どもは座っていて親も本を見られるし、子どもにもこうやって読ませられるから」
中村「偶然の産物が、タイヤハウスのでっぱりがこどもの足置きになるっていう。ちょうど!」
一同「笑い」
カズ「会場も良かったんですよ。本を選んでいて棚の先に目をやると、湖みたいな、、、」
市川「お客さんは黙々と本を探して買っていく感じで、5冊まとめ買いとか、そういう人が何人もいました」
―ベンチはお客さんに好評でしたか?
市川「ベンチがあることで滞在時間が長くなりますね、やっぱり。座ってなんかこう、棚全体をぼーっと見て、選んでもらうみたいな感じで」
市川「空間の広さやベンチの使い勝手など不安要素もありましたが、みなさん楽しそうに利用してくれてよかったです」
―当日の写真を見せてもらいましたが、夜の雰囲気がまた一段といいですね!
市川「ちょっと暗くなってきてから中の本がライトで映えるようになって、主催の菊地さんも『いいねえ』って言ってくれて」
中村「中がライトアップされていると棚が外からすごく綺麗に見えて、でー、かつ、なんかカラフルに見えるんです。いーですよ!」
中村「照明!」
市川「そうね、照明をちゃんとしたいね」
―マスキングテープはなにか反応ありましたか?
市川「買えるものだと思って持って来てくれたり、『買えないんですかー』とか、『売り物じゃないんですねー』みたいな」
中村「値段書いてないですもんね」
中村「でもこれは売れますよね〜」
市川「ね、欲しくなる」
―この黒板のグラフィックは?
中村「あ、なんか、チョークボーイさんが出店していて、で、それで、なんか夜ご飯食べていたら、リビセン(リビルディングセンタージャパン)の人ともたまたま一緒になって、『チョークボーイくん来ているから書いてもらえばいいじゃん』みたいになって呼んできてくれたので、『描いてもらおうかな』みたいな。『せっかくだし』みたいな。って言って。そうそうそう…
市川「今気付いたけど、B、Bも本になっているんだね、あれ」
中村「Bも、あー」
市川「気付かなかった」
中村「あー、気付かなかった」
一同「笑」
市川「屋根だけかと思っていたけど」
中村「まぢだ。気付かなかった」
市川「ね」
中村「そういうの、もうちょっと言ってくれればいいのに、みたいな」
一同「笑」
―気になったんですけど、ダッシュボードの上に置いてある“光GENJI”のカセットテープは?
一同「笑」
市川「それは、あのー、買取不可の商品の中から出てきてー、それ、カセットテープしか使えないんだけどー、カーステが」
―これを聴いて行ったんですか(笑)
中村「一瞬ね!」
市川「うんうん、一瞬、一瞬ですよ」
中村「聞いたのは一瞬で、カセットからつなぐやつ買っちゃったから。そっちで普通に…。いや、でもいいっすよ、音楽」
市川「カセットいいですね。やっぱ質が。ローファイな感じが、うーん。普通にiPhoneから繋げて流したんですけど、いい感じにアナログっぽくなって」
―初出店で感じた手応えは?
中村「当日は生憎の天候だったけど、バスだから雨でも心配なかった。室内だしベンチもあって、座って本が読めるし」
中村「子どもが『バスだー』って言って、乗りたいって言って、本を家族で見たり読んだりしているところを想像していたけれど、実際に目の前で本当に起こっているその風景を目にした時は、やっぱり嬉しかった」
中村「一時はベンチが子どもで埋め尽くされた瞬間もあって、子どもも、そうしたことはもしかしたら印象に残って思い出になったりして、いい本との出会い方になっていたりしたらいいな、と改めて思った」
中村「今回は1,000冊持って行って、余裕をもってたくさん面出ししました。詰め込めば2,000冊くらい( NABO の半分くらいの物量)は持って行けそう。つまり小さな本屋さんくらいの物量は持って行けるから、『本屋さんがやってきた!』って言う感じは十分に演出できそう」
市川「お一人様から親子連れまで、老若男女問わずブックバスの空間を楽しんでもらえてよかったです。今後の出店予定や出店条件の問い合わせも多数いただくことができました」
―これからの展望は?
中村「自分たちだけで毎日運用していくのは難しいかもしれないけれど、同じ思いをもってやってくれるような人たちがいれば、そういった人たちと連動しながら、いかに続けていける姿に出来るかが課題だし、重要だなと感じた。本屋さんをやっている人でやってみたいという人がいたら、やってもらってもいいかもしれないし」
市川「今回の出店で多くのお客さんに利用してもらえて、ブックバスの可能性を実感することができました。また、実際に出店してみて設営の効率や照明など設備の問題点も発見できたので改良していきたいです。今後、色んな場所でもっと多くの人に本と出会う機会を提供できたらうれしいです」
—クラウドファンディングは本日8月11日が最終日。皆さんへメッセージをお願いします。
市川「支援してくださっている皆さん、SNSでいいね!やシェアをしていただいた皆さん、本当にありがとうございます!おかげさまで目標金額を集めることが出来ました。残り1日ですが最後まで応援宜しくお願いします!」
中村「たくさんの皆様に応援していただき、お陰様で目標金額を達成することができました!ほんとうにありがとうございます。ブックバスが赴く先で本を手にとってもらえる姿を想像するだけで嬉しくなります。クラウドファンディングの期間も、残すところあと数時間。もっと多くの皆様にブックバスを呼んでもらえたら嬉しいです!!最後まで応援の程、どうぞよろしくお願いします」