こんにちは!先週末の2日間、東京の伝統工芸青山スクエアでのイベント、「書道に、メイクに。世界が恋する熊野筆。」にて筆制作工程の実演をしてきました。筆ってこうやって作られているんですね!という驚きや、書きやすい!とのお言葉をたくさんいただきました、ありがとうございます!書きやすい筆は、肌あたりが良く自然な表現ができる化粧筆になり得ます。最近、筆のような形状の化粧筆が多いこともそれを証明していますね。さて、こちらのイベント、明日23日(木)まで開催しており、バラの形をした化粧筆の手作り体験も実施しております。お近くの方は、ぜひ足を運んでみてくださいね!
こんにちは!本日は書道筆と熊野化粧筆のつながりについてお話をしたいと思います。晃祐堂の創業は1978年、当初より書道筆の穂首製造を行ってきました。「穂首」とは筆で一番重要な毛先の部分のことを指します。この穂首製造で一番重要なのは、良い原材料を使用することです。僕たちが仕入れる原材料は天然の毛が多いのですが、これらの材料は仕入れの段階では良い毛と悪い毛が混ざっています。良い毛とは毛先が産毛のような柔らかな毛先があるもの、悪い毛とはその毛先が切れていたり擦れたりしているもののことです。熊野筆の先は、良い毛だけを使用しているため、広げてもまとまりが良く回転もしやすいのです。これが悪い毛だけだと、ほうきのように先がまとまりにくいのです。この、良い毛だけを集めて作られた毛先の部分を、「命毛」と呼びます。毛先の透明な部分が、「命毛」です。この「命毛」があるからこそ書道筆は書きやすいのですが、その技術を応用して作られたのが熊野化粧筆です。熊野化粧筆も良い毛だけを使用して作られているため、肌あたりが抜群で、ムラのないお化粧ができるのです。網に悪い毛をひっかけて取り除く、「さらえ」という作業です。ちなみに山羊毛1kgの中からどれくらいの良い毛が取れるかというと、約700gといわれています。つまり、30%は悪い毛として選別され、毛先の部分に使用することはありません。手間暇がかかる作業ですが、お客様の手元に筆が届くのを楽しみに、今日も職人が良い毛を選別し続けています。
こんにちは!本日は、大人気の「熊野筆ボディブラシ」の秘密をお話したいと思います。晃祐堂のボディブラシは猫の肉球のようにポコポコとした形になっており、お肌に触れた時の弾力や泡立ちを良くするよう考えて作られています。「どうやって作られているの?」といったご質問も多くいただきますが、すべて手作りで「穂首」と呼ばれる毛束の形を作り、それを持ち手に一個一個接着していきます。下の写真を見ていただくと、小さい穴が8つ、大きい穴が1つ開いた木(ウォールナット)の持ち手の左側に、大きい穂首と小さい穂首がずらりと並んでいますね。こちらを一つ一つ持ち手に接着していきます。白い穂首がフワフワで、まるでお餅のようですね!この小さいほうの穂首の大きさは大体チークブラシと同じくらい。そして、大きいほうの穂首はパウダーブラシと同じくらいの大きさです。つまり、この「熊野筆ボディブラシ」は、チークブラシ8個分、パウダーブラシ1個分の材料が使われているということです!このように毛量たっぷりのボディブラシ、泡立ち抜群で気持ち良い肌あたりも納得ですね!