(こちらのnoteに投稿しております)
ポショをご存じでしょうか?
(参考 ポショとは?)
ポショはトウモロコシを粉末にしてお湯で練ったアフリカの主食です。(作っている様子です→Youtubeより)スワヒリ語でウガリといいますがこちらのほうが聞き覚えのある方が多いかもしれません。
ウガンダの主食はマトケと呼ばれる甘くないバナナやスイートポテト、アイリッシュポテト、キャッサバ、お米、ミレットなど様々ですが、ポショが一番一般的に食べられています。
今回はそんなポショの話ですが、ウガンダでは2種類のポショがあります。
一つ目は真っ白のポショ(以下、ホワイトポショ)、二つ目はクリーム色のオーディナリーポショです。
オーディナリーポショは乾燥させたトウモロコシ全部を粉末にしていますが、真っ白なポショは胚乳という炭水化物と水分でできた部分のみを使っています。つまり、ホワイトポショはトウモロコシの栄養素をがっつり取り除いちゃっている糖分だけ高いポショなのです!!しかも減らした部分は処分したり飼料となったりいるためもったいない!!
しかし、ホワイトポショは広く食べられています。
では一体なぜなのでしょうか?私の周りの人と話して分かった理由をご紹介します。
1.オーディナリーポショは時間がかかる
オーディナリーポショは乾燥させたトウモロコシを丸ごと製粉機で粉にして作ります。そのためフレッシュですが逆に腐りやすいです。乾季は気温が高く雨季は湿気の多いウガンダですが、ほとんどの家庭には冷蔵庫がなく、長期保存ができないため、定期的に粉にして使い切らなければなりません。一方でホワイトポショは長期保存が可能で、お店にも既製品が売ってあるため大袋を買ってしまえば製粉の手間がなく保存も可能です。
2.ホワイトポショのほうが癖が少ない
ホワイトポショは、トウモロコシの栄養素をほとんど取り除き糖分と水分の多い部分だけにしているため味が淡白です。一方でオーディナリーのほうはトウモロコシの香りや味が残っており、これを嫌う子どもや男性が多いようです。(なぜ男性のほうが苦手意識を持っているかは分かりません)
3.ホワイトポショのほうが固まりやすい
混ざりけが少ないからか、ホワイトポショのほうが固まるのが早く、成形しやすいようです。私が実際に作ってみると確かにオーディナリーのほうが柔らかく、成形に時間がかかります。
4.ホワイトポショは”裕福”の証
実はこの理由が一番大きいのではと調査した感覚的に思っているのですが、ホワイトポショを食べることがステータスとなっているようです。
・子供のころに村で生活し、毎日オーディナリーポショとビーンズを食べていた。大人になって独り立ちし、やっとそのループから抜け出せた…というようにもうオーディナリーポショには飽き飽きしてしまっている。
・村の”貧しい””病気”といったイメージがオーディナリーポショのクリーム色(白に比べて”汚い”)から連想される。
・少し値段の高いホワイトポショを食べることで見栄をはりたい。 etc,,
こういったオーディナリー=貧しい・汚い、ホワイト=リッチ・きれい、というイメージが人々に浸透しているようです。
これらの理由から、人々はオーディナリーポショのほうが安くて健康にもいいと分かっていながら、ホワイトポショを食べ続けているようです。
個人的にはオーディナリーポショのほうが柔らかくて味も香ばしく断然おいしいと思っています。ただ染みついてしまったイメージはなかなか拭えないため、どんなに健康のため食品を無駄にしないためとはいえ、ウガンダの人々がオーディナリーポショに戻ることは難しいと思います。
これも発展(時間が無くなる)やビジネスに利用されている(ホワイトブレッドと同様)などの弊害の一つの例だなと思います。