(こちらのnoteに投稿しております)
ウガンダの名前は3つ、もしくは4つから構成されています
ファーストネームが生まれた場所(状況)、セカンドネームがイングリッシュネーム、サード・フォースネームが親の自由というのが基本です。
一番気になるのはファーストネームですが、まずはセカンドネームから触れていきます。
ご存じの通り、ウガンダはイギリスの植民地でした。そのためウガンダには多くの植民地時代の名残があるのですが、名前もその一つです。
西欧によくある名前やクリスチャンネームがセカンドネームに使われます。
例えばジョージやピーター、ナンシーやマリアなどです。
植民地前はというと、先祖代々名前を引き継ぎ足していく文化だったようで、とてつもなく長い名前の人ばかりだったようです。植民地支配は黒歴史ですがそのお陰(?)で名前の簡易化が進んだようです。
そして気になるファーストネームですが、上述のように「その子が生まれた場所(状況)」が名前になります。
例えば、道端(yoo)で生まれた子供はOyoo(男)/Ayoo(女)
茂み(tim)で生まれた子供はOtim(男)/Atim(女)
雨(kot)の日に生まれた子供はOkot(男)/Akot(女)
といったように生まれた場所(状況)に男はO、女はAつけたものが名前となります。
ちなみに例外として、車(mutaka)の中で生まれた場合はそのまま男女関係なくmutakaだそうです。
ウガンダはまだ医療が発達していないところや、適切な知識を持たないお母さんも多いため、病院での出産が当たり前ではありません。これは負の側面ですが、その一方でこんなユニークな名前が生まれるのは皮肉でもあり面白い文化です。
ちなみになんでもOKのサードネームですが、日本と同様に願いを込めてつけたり、先祖の名前を使ったりする場合も多いです。
中にはユニークなものもあり、
指が6本ある(恐らく多指症)(6本目をjaraという)子にOjara/Ajara
生まれてすぐの肌の色が薄い子にmzungu(黒人じゃない人)
といった、どちらかというとマイナスな意味合いの名前も存在します。
これはあえて子どものマイナスな部分を名前にすることによって、幸福な人によりつき幸福を奪ってしまう悪魔が、不幸な子だと勘違いして寄り付かないようにするというおまじないの意味があるようです。
名前だけでこんなにたくさんの歴史や文化に触れることができるウガンダのユニークな慣習、これから発展し医療が発達したり宗教の価値観が変わればこの文化はなくなってしまうかもしれません。そう思うと少し寂しさもありますが、親が子の願いを込めて名前を授けることは時代・国・文化を超えて共通しているなと思います。
*”ウガンダ”の文化として書きましたが、紹介した名前はすべてAcholi(ウガンダ北部に住む民族)のものです。文化としては国で共通しているため一貫して”ウガンダ”と書かせていただきました。