(こちらのnoteにも投稿しています)
ここはあしなが育英会のウガンダ事務所、「あしながウガンダ」です!
私は映画「シンプル・ギフト~はじまりの歌声~」に感動し、この映画を通してあしなが育英会、特にあしながウガンダについて知りました。以前インターンをしていたNGOの業務の関係で、偶然あしながウガンダの元職員の立岡悠さん(立岡さんにもコロナについてお話を伺いました!)と連絡先が繋がり、今回の訪問に至りました。
あしながウガンダには二つの拠点(首都カンパラのナンサナ)があります。一つ目は親を亡くした子ども達に教育支援をする『レインボーハウス』、そしてアフリカ各国から集まった未来のリーダーたちを世界中の大学に送り出す『心塾』です。
まずはレインボーハウス(2003年~)についてです。
レインボーハウスの対象者は、事務所のあるナンサナに住む、両親もしくは片親のいない子ども達です。初等教育から大学までの教育支援を行います。
子ども達が受ける支援には段階があり、まず1000人の子ども達があしながウガンダに登録されます。登録された子ども達はペンやノートなどの文房具を年に3回受け取り、また後述するケアプログラム、キャンプやクリスマスパーティーなどに参加することが出来ます。その中から、生活状況や、親の理解があるか、子ども自身のやる気があるかなどで100家庭1人ずつ選出され、プライマリーの奨学金を得ることが出来ます。
新しく建てられた寺子屋です。
なんと元あしなが生(日本)の建築家がデザインされたそうです!
コロナ禍で休校の大統領令が出ているため、校舎は約2年間静かなままです
プライマリー1~5年生(小学生)は写真の寺子屋に、プライマリー6,7年生(中学生)は近くの小学校に通います。また、セカンダリー(中学生、高校生)と大学は、成績を基準に、対象年齢に達している1000人の中から選出されます。選出されるのは26人で、あしながウガンダの提携校に通うことが出来ますが、その中で成績トップの子はFuture leaderとして提携校以外の好きな学校に入学することも可能です。どのクラスに配属されるかは、成績や本人の意思、親の理解や家庭の状況で判断されますが、家庭の経済状況に余裕がなくずっと教育を受けられなかったために、中には年齢相応の学年より低い学年に行くことになる場合もあるそうです。
大学は将来の夢などを聞く面接や成績を踏まえて、毎年2名が選出されます。学校によってはオンライン授業があるところもあり、私が訪問した時も、オンラインで勉強する高校生一人と会いました。
レインボーハウスの教室の一つ。
土曜には50~80人の子ども達でいっぱいになります。
教育支援に加え、精神面のケアプログラムも行っています。対象は主にプライマリーの子達で、地域・学年ごとに週替わりで写真の教室に集まり、教育以外で子ども達に必要だと思われるプログラムを提供しているそうです。ここではその中の4つをご紹介します。
1つ目は、「自分の生い立ちや生活、将来についてなどを共有・話し合い」です。自分をさらけ出し、さらに周りとの共通点を知ることで、悩みや不安を解消することが目的です。
2つ目は、「モチベーショナルスピーカーとして、留学経験のある人や起業家などを呼び、経験や考えについて話してもらう」です。ナンサナからなかなか出ることのない子ども達の視野を広げ、将来についてより考えられるようになってほしいという思いからです。
3つ目は「性教育やAIDSなど、学校では学べないが子ども達が生きる上で必要な知識の提供」、最後に、「子ども達が子どもでいられる時間の提供」です。家庭では家事や育児、日銭稼ぎのために、子どもらしく遊んだりする時間を持つことがあまり出来ません。そこで、このケアプログラムの間だけでも、ダンスや友達とのお喋りなど、思いっきり遊ぶことで、子どもが持つべき”楽しい”時間を過ごすことが出来ます。その中でも、限られた時間の中自分がやりたいことをこなすために計画を立てて遊んだり、自分の興味を知ったりと、生きるために必要な学びも得られます。
職員さんは、「どんな理由でもいいからまずは来ることが大切。来れば必ず何か得られるはずです!」と仰っていました。
また、生徒の家を回り、生活状況の変化や近況を知るフォローアップにも同行させていただきました。どの家庭も、片親であるためなかなか厳しい生活環境で、差し入れの食料や生活用品にはとても喜んでくれました。そんな状況でも、子ども達の将来を一番に考え、働かせるのではなく教育を受けさせようとするお母さんたちの姿にはほっとした一方で、食べ物も得られるか得られないかの生活に「そんな余裕ないのではないか」という思いも芽生えてしまいました。しかしお母さんたちは、あしながウガンダのサポートによって子ども達が教育を受けられていることに、心から感謝し満足しているそうでした!
現地スタッフが近況を聞いている様子
子ども達はケアプログラムが大好きで、コロナ下も続けてくれたことにとても感謝していると話していました。友達と話したり遊んだり、また性教育なども受けられる貴重な機会だと言います。
次に心塾(2014年~)についてです。
心塾の対象者は、アフリカにいる、親を亡くした大学入学前の子ども達です。レインボーハウスでも大学生への教育支援を行っていますが、こちらではアフリカ中の高校を卒業した子達の中から各国1,2名ずつ、全部で約30人ほど選出されます。各国代表の学生達はウガンダに集まり、世界の大学進学に向けて、通常の学業に加え留学先の語学や文化などを学びます。この活動の目的としては、アフリカから世界へ送り出し、高水準の教育を受けて母国に帰り、未来のリーダー達を育てることです。
レインボーハウスと同じ建築家がデザインしています。
ウガンダ伝統のレンガを使い、温かみのある素敵な施設でした。
コロナ下はオンライン授業となり、あしながウガンダからパソコンが提供されました。しかし国によってネット環境が整っていない、情勢が悪い、などの問題がありなかなか難しい場面もあったそうです。しかし昨年は見事無事に各大学に合格したそうです!私の訪問時には2人の学生さんが日本の大学の授業を受けているところでした。
2日間にわたり、丁寧に説明・案内してくださり本当にありがとうございました!
どの団体でも課題があったり難しい場面にも遭遇しており、それでも日々改善しようとしているんだなと改めて感じました。ウガンダにある一つのコミュニティ(ナンサナ)で、現地スタッフと日本人が一緒になって子ども達の未来の為に頑張ってくださっています。私も私の出来ること、役割を果たして、みんなが笑顔の世界が来るよう一緒に頑張ろうと思います!!