はじめに・ご挨拶
音楽は常に私たちの生活を豊かなものにしてきました。私はヨーロッパの伝統音楽を中心にアイルランドをはじめとするケルト圏や北欧の伝統音楽、海外のシンガーソングライターたちの音楽を日本に紹介してきた野崎洋子と申します。
THE MUSIC PLANTは、そんな私の個人音楽事務所。96年の創業以来、発売したCDは300枚以上、コーディネイトした来日アーティストのツアーは100本以上に及びます。
私がこの仕事をしている中でいただいた一番嬉しいお客様の感想は「コンサートに行ったら、日頃のいやなことを忘れられた」というものです。音楽を聞いてもお腹は膨れないし、日々の大変な状況がどう変化するわけでもないけれど、海外のアーティストによる来日公演の実現が難しくなった今、彼らの音楽の重要性をあらためてかみしめる毎日です。
当プロジェクト「バンドにエイド」は、そんな音楽を私たちに与えてきてくれていたミュージシャンたちに、これからも頑張って活動を続けていってほしいという応援をこめたCD制作のプロジェクトです。
CDのタイトル「Band Aid in Reverse」はいつもお世話になっているDJのピーター・バラカンさんが考えてくれました。
彼らの音楽を応援するリスナーのみなさんで、このクラウドファンディングを成功させ、ミュージシャンに活動経費とこのCDを送りたいと思います。ぜひご賛同&ご参加ください。
このプロジェクトで実現したいこと
日本のファンのみんなで資金を出し合ってコンピレーションCDを作り、楽曲を提供してくれたアーティストに「使用料」として活動資金を送金する事がこのプロジェクトの目的です。
通常、この規模で販売するCDにおけるマスターテープ保持者に入る印税は1曲につき100ドル(1万円くらい)未満がせいぜいといったところです。CDの定価のうちのほとんどは製造費、JASRAC、流通経費として流通をコントロールする配給会社、そして小売店の取り分となるからです。しかし、この企画はあくまでミュージシャンの活動資金援助を目的としているため、あえて彼らにある程度まとまった金額(目標1アーティスト700ユーロ。約10万円程度)を送金することを目標にかがげ、それを基準にスタートさせることにしました。
CDの内容ですが、選曲についてはラジオ番組や無印良品のBGM制作などにもかかわってきたTHE MUSIC PLANTが行い、どなたが聞いても楽しめ、心なごめる、優しい作品を目指しました。また90年代初頭から日本にケルト音楽を紹介してきたプランクトンさんのアーティスト2組にも参加をいただき、日本市場で最も人気のあるアーティストたちの楽曲15曲をそろえることができました。
各アーティスト、楽曲の詳細は、本企画の特設サイトに掲載しました。
CDのパッケージは、シンプルで軽量な紙ジャケット4パネル。また折り込みで歌詞と歌詞の対訳カードを付きになります。(歌もの7曲、インストメンタル8曲)
CDのタイトル『Band Aid In Reverse - a present from Japanese music fans to their favourite musicians』は、何年も前からTHE MUSIC PLANTが紹介する音楽を応援してきてくださったピーター・バラカンさんに命名していただきました。ピーターさんには、ミュージシャンの連中が自分のCD棚などに置いて嬉しく思うものを想定してくださいとお話しました。例えばお友達や家族が彼らのCD棚をのぞいて「これ何?」聞かれた時、「いや〜、日本のファンが応援してくれてさー、オレ日本で人気あるんだよねー」と自慢できるような、そんなタイトルです。Band Aidは1984年アフリカの飢餓を救おうと行われた世界的なチャリティでしたが、今度はこのコロナ禍において、私たちリスナーがアーティストをサポートする番なのです。
加えて当プロジェクトの名前「バンドにエイド」は、歌詞対訳を手がけていただいた通訳の染谷和美さんによる素敵なアイディアです。ユーモアとこのプロジェクトの意味を端的に伝える絶妙なネーミングだと思います。
プロジェクトをやろうと思った理由
洋楽のアーティストをプロモーションする私のような仕事の存在意義ってなんだろう。このコロナ禍で、次々と自分の企画や自分のアーティストのコンサートがキャンセルになり自身の無力さを強く感じる中、私は考えに考え、ついにこういう結論にいたったのです。 「私の仕事は海外のミュージシャンたちにギャラを送金することだ」と。
笑わないでください。でも本当にそうなのです。皆さんが購入してくれたコンサートチケット、そしてCDの売り上げをとりまとめ、これらの売り上げをもとにTHE MUSIC PLANTは、今まで多くのミュージシャンにギャラを支払ってきました。
今や海外の音楽をプロモーションする者の存在意義は薄れつつあります。ストリーミングで安価に音楽が楽しめる、並行輸入の安いCDがネットで買える、You Tubeにはたくさんのライブの映像があがり、リスナーにとってはほぼ無料で音楽をたのしめる最高の時代が到来しました。そんな中、あえてリスナーとアーティストの間にたつ仕事をしている、私たちの役目とは?
音楽の素晴らしさを伝えること。それはもちろんです。でも、そういう事ではなくて、自分が今まで仕事をしてきて何が一番嬉しかったか。確かにステージの袖から最前列のお客さんの笑顔をのぞいたり、ミュージシャンがステージから名前を呼んでくれたり… それらはすべて嬉しいことです。
でもそうじゃなくて、そうじゃなくって…。
そして思い出しました。ツアーが終わって銀行に行き、彼らの銀行口座にお金を送金し、ほっと一息つき「いや〜いい仕事した!!」という達成感を感じることができた、あの瞬間を。
私が送金するお金はわずかです。でもそれがミュージシャンや彼らの家族を養う糧となる。これからも音楽活動続けて行こうという励みになる。そうだ、私の仕事はミュージシャンに送金することなのだ、と。そして考えついたのが、この「バンドにエイド」のCD制作プロジェクトでした。
送金すると言っても、THE MUSIC PLANTには自分のアーティストに理由もなく送金するような資金力もないし、そもそも送りたくても送るためのうまい理由がありません。例えば「大変だろうから、10万送るよ」というのも何か変だし、そんなことではアーティストたちも遠慮するに決まっているのです。そこで思いついたのが当企画です。CDを出し、その印税という名目で送金しよう、と。
このCDを購入いただくことによって、アーティストには印税としてのお金が分配されます。概算ですが、CDを皆さんの元にお届けすることで、1枚の購入につき平均1組100円のサポートになり、THE MUSIC PLANTによってアーティストの口座に直接入金されることになります。また万が一、予定より多くの皆さんにご協力いただけたら、さらに送金金額を増額する予定です。
これまでの活動
現在までのTHE MUSIC PLANTが手がけた来日公演などの活動歴についてはウェッブサイトのこのページをご参照ください
資金の使い道
楽曲15曲印税 10万予定 約1,500,000円
CDジャケット・デザイン料、音源マスタリング、CD1,000枚プレス製造費 約200,000円
JASRAC 172,000円
リターンCD送料
クラウドファンディングの手数料など
詳細は『バンドにエイド』特設ページにて随時ご報告してまいります。
リターンについて
リターンでお送りするCDは15曲入り、約61分収録。パッケージは、シンプルで軽量な紙ジャケット4パネル。また折り込みで歌詞と歌詞の対訳カードを付き。
各曲に関する詳細は『バンドにエイド』特設ページをご覧ください。
01. Birds are leaving - Boo Hewerdine
02. No Frontiers - Mary Black
03. Ghosts Of Memories - Wallis Bird
04. The Bunting Fund / Ocean Child - Flook
05. Les Pauli - BartolomeyBittmann
06. Sciatica - Timo Alakotila
07. Scarborough Fair - The Gothards Sisters
08. Pie Jesu - Anuna
09. Polonaise No.6, Op.53 - Sväng
10. Swan Lk243 - Catoriona McKay
11. Life is Change - Robyn Hitchcock & Emma Swift
12. Once In A Lifetime - Paul Brady
13. Abosent Friends Ivory Lady - Lúnasa
14. Byggnan - Väsen
15. Pilvi & Esko Brudvals - Väsen
実施スケジュール
〜 各アーティストとの交渉とりまとめ
8月5日 音源マスタリング完了
8月5日 歌詞対訳アップ・歌詞カードのデザインスタート
8月10日 写真撮影・パッケージのデザインスタート
8月17日 パッケージのデザイン完了、マスター・テープとともに製造会社へ納品
9月20日ごろ リターンのCD製造完了
10月2〜4日 巣鴨で行われるケルト市にて配布開始
10月5日 各リターン郵送分の発送開始
最後に
この企画を行うかどうか、散々迷いました。来日公演を行うのが難しい状況になって早くも半年近くになろうとしています。すでに音楽ファンの皆さんもチャリティ疲れを感じていることでしょう。私も悩みましたが、この企画を行って想像できるデメリットはなにか。それはたった1つ。クラウドファンディングの様子がネット上にあかされ、失敗した時に私が恥をかくということだけなのです。目標達成しなかったら、かっこ悪い。それだけ。で、あれば、今、この立場にある私がやらないわけにはいかない。
正直クラウドファンディングなんて素人がやることだと馬鹿にしていた気持ちもずっとありました。自分が賛同したプロジェクトで、アーティストからリターンがきちんと届かなかったという経験もたくさんしています。でも、もし私が一生の間、クラウドファンディングを一度だけやることがあるとしたら、それはきっと「今」ではないだろうかという思いに至ったのです。
自分のことばかり書いてしまってすみません。でもこの企画には皆さんの同情票も必要です。きっと音楽ファンの皆さんも今まで素晴らしいライブを披露してくれたミュージシャンたちのために何かをしたいと思ってくれていると信じたい。このCDは、私が今まで仕事をしてきたアーティストたちの大好きな曲ばかりを集めました。なんだか妙にスローで泣ける曲ばかりになってしまいましたが(笑)、選曲についてはアーティスト本人と何度もメールを交換した結果です。
かなり笑える交渉の経緯はTHE MUSIC PLANTのブログで、これから随時ご紹介していこうと思っています。こちらもぜひ楽しみにしていてください。どうぞよろしくお願いいたします。こちらもよかったら、お読みいただければと思います。
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見るルナサの『ライヴ・イン・ジャパン(仮)』CD制作クラウドんファンディング、残り6日となりました
2023/10/18 05:27こちらはプロジェクト『バンドにエイド』にご賛同いただいた皆さんにメールしております。アイルランド音楽のトップバンド、ルナサが久しぶりの来日、来日中に京都でライブ盤を制作することになりました。制作に向けてクラウドファンディングを行なっております。残り6日で、達成は現状80%ほど。ぜひ皆さんのご賛同をお願いいたします。賛同はお一人様¥1,000から可能ですが、このCD、おそらく一般には流通させない可能性あります。ぜひCDをお求めいただけますと幸いです。詳しくは、こちらに活動報告をアップしております。https://camp-fire.jp/projects/692893/activities#menuどうぞよろしくお願いいたします。 もっと見る
ルナサが日本でライブ盤制作に乗り出します!
2023/08/08 06:35みなさま、ご無沙汰しております。THE MUSIC PLANTの野崎です。2020年のクラウドファンディング『バンドにエイド』では本当にお世話になりました。おかげさまで参加アーティスト全員に、予定より多い金額を送金することができました。あれから3年、音楽業界を取り巻く環境はなかなか厳しいですが、みんな元気にそれぞれの活動を頑張っています。今年はなんと4年ぶりに「ケルティック・クリスマス」も復活。ダーヴィッシュ、デヴィット・ギーニーと一緒に、THE MUSIC PLANTのアーティストの中でもっとも人気のあるアイルランド音楽グループ:ルナサも久々に来日します。そして、ルナサはなんとこの来日中に日本でライブアルバムを制作することになりました。このライブ盤制作のためのレコーディングは、京都の名門ライブハウス:磔磔で、11月27日(月)、28日(火)、29日(水)の3日行われます。同じセットを毎日演奏し、ベストなものを編集していきますので、おそらくとんでもなく良いものができるに違いありません。アルバムの完成は来年の2月、出来上がったマスターテープはクラウドファンディングのリターン送付後はバンドに譲渡します。またこのアルバムの一般市場における発売は未定です。というわけで、昨晩からこちらのクラウドファンディングをスタートしております。ぜひぜひ、再びご支援いただけますよう、お願い申し上げます。ルナサ『ライブ・イン・ジャパン(仮)』制作プロジェクトhttps://camp-fire.jp/projects/view/692893THE MUSIC PLANT野崎洋子 もっと見る
TOKYO SCREENING VOL.1 ウォリス・バード
2021/02/14 09:29緊急事態宣言もまだまだ続く今日このごろですが、みなさんはどうお過ごしでしょうか? 「バンドにエイド」のプロジェクトでは大変お世話になりました。THE MUSIC PLANTの野崎です。まだまだ海外のアーティストの公演を作ることが厳しい中、今日はまた新しい企画のご紹介です。ミュージシャンにギャランティを払うことが、わたしの仕事の存在意義だというお話は以前このクラウドファンディングをやったときにお話しました。そして、この状況下がついに2年目に突入していく中、今、いわゆる海外の音楽が好きなリスナーのみなさんに何が必要とされているかということを考えました。最初は何か動画配信的なことでもやってみようかな…とも思いました。でもなんだか自分自身も含め、どうも最近の動画配信にはすでに食傷気味。そして一番問題なのが、家での音響機器のしょぼさです。コンサートホールやライブハウスのあの臨場感あるスピーカーの低音とは比べ物にならない。なんというか、ちゃんとした音で好きな音楽を聴きたい。そこでライブハウスを借りてライブ映像をみんなと一緒に見るというのは、どうか…という考えが浮かびました。でもそれは、普通は上手くいかない。そもそも日本でライブをやる際に、一番費用がかかるのが「場所代」だからです。またこの状況下、密を避けるために会場を準備すれば、ただでさえ高い会場は倍の値段になります。これをカバーすることは到底難しい。また一方で言ってみれば、単なる映像上映会ですから、新しいものを収録して準備に予算をかけてもお客様に一定以上の金額を取ることは非常に難しい。なんというか、昔のフィルムコンサートの感覚ですよね…でももしかしたらやってみる価値はあるかもしれない。会場費カバーのため入場料はどうしても高くなってしまいますが、ここで参加してくれる方が多少でも満足してもらえるようにCDを2枚つけるという案を思いつきました。というわけで、第1弾は、これを聞けば絶対に元気になれるウォリス・バード(from アイルランド)!! 彼女とマネジメントにこの件を相談したら、この上映会のためのスペシャルな演奏を録画してくれた他+彼女が昨年6ヶ月にわたり続けててきた6枚のアルバムの全曲ライブ演奏(有料でした)のハイライトシーンを編集したものをつけてくれることになりました。ですので、この映像は、当然他では見られないようなスペシャル映像です。お土産でお渡しするCD2枚は、「バンドにエイド」のCD(非売品)と、ウォリス・バードの元気なライブアルバム「YEAH!」の2枚。すでにお持ちのみなさんは、お友達へのプレゼントにどうぞ!開演時間は18:30とちょっと早めですが、19:45には終わります。演奏(上映)時間はきっちり70分、現在字幕などを鋭意調整中です。お客さんが多少でもきてくれるといいな。わかりませんが、ぜひ皆さん、PAの大きい音と大きなスクリーンでウォリスの演奏を一緒に楽しみましょう。それこそウォリスが動画の中で言っています「東京は(制限はあっても)みんなで集まれるんだ。ちょっとうらやましいわ」同じ音楽を好きな人たちが集まって、一緒に音楽を聞く、あの感覚。あの感覚をまた味わってみたい。そんなTOKYO SCREENINGです。CDジャーナルさん、毎日新聞さんにこの企画をご紹介いただきました。お時間がある方はぜひ。みんなで良い音と大きなスクリーンで音楽を一緒に楽しみましょう。詳細、お申し込みはこちらです。2021年2月25日(木)代官山 晴れたら空に豆まいて にて 18:30開演(19:45終了予定) 4,500円(+1オーダー)*CD2枚付 もっと見る
おめでとうございます!さすが、これまでも全力疾走されてきた野崎さん!一曲あたり10万円ならアーティストもかなり助かるでしょう。野崎さんの生きざまそのものの企画だと思いました。また野崎さん・ミュージシャンが自由に日本とアイルランドを行き来できる日が来ますように。ロックダウン再強化のドニゴール・デリーより(なんでこんな田舎で再強化・・)