ゲルニカ事件を「どちらが本当の教育か」という一冊の本にして刊行した原田奈翁雄さんはその本の前書きに痛切なメッセージを刻みこんでいる。
「この本を、日本の子供たちに手渡したい。いい成績を、いい学校へと、家で、また学校で追い立てられる子供たちに。
校則や先生たちの監視にしばられて、身をすくめて生きる子どもたちに。
いじめ、いじめられて、いずれにしろ学校に行ってもちっとも楽しくない子供たちに。
学校とは、勉強とは、ほんとうはこんなに楽しく、やりがいのあるもんなんだということをぜひ知ってほしい。
この本に登場する小学校六年二組の子供たちはこんなにも燃えた。こんなに頑張った。こんなにいろいろ体験し創造した。
この本を日本のすべての大人たちに手渡したい。子供たちが学校で友達と出会い、一緒に悩み、一緒に考え、一緒にぶつかり、それぞれに学びあって成長していくとはどういうことかをその具体的な様子をこの本から見てとってほしい。無気力に生き、いじめ、いじめられていた子供たちが、実は大人たちによって追い込まれているのだということがよくわかる」
草の葉ライブラリー版「ゲルニカの旗、南の海の島」は原田さんにささげられている。