先週の金曜日、土曜日と「新公益連盟」の合宿がありました。加盟するNPOなどの代表者やリーダーが一年に一度集い、合宿型で最新の動きをインプットしたり、グッドプラクティスを共有したりします。また、孤独と言われる経営者同士だからこそ話せること、それに対する回答や助言など、なかなか外では話さない、SNSなどでも上がらない情報が飛び交います。
特にルールや作法もありませんが、毎年、「はじめまして」のひとがたくさんいますし、顔や名前は知っていても二人で話をしたことがなかったり、仲が良くても経営話を深くしたことがないということもあります。僕自身も初めての場所で、積極的に声をかけていくのが得意なタイプではありません。きっとこれは学校生活や日常生活でも同じではないでしょうか。
機会があれば仲良くなれるし、しかしながら、自分から関係性を作っていくのは苦手。トレーニングや慣れで何とかなるところもあるかもしれませんが、それぞれに個性や性格がありますので、苦手なものは苦手です。
ルールや作法がなくても、そういう経験の積み重ねのなかで、他者と関係性を構築するにあたっての”自分のパターン”というのはみんな持っていると思います。積極的に声をかけるひともいれば、知り合いにお願いをして紹介してもらうひと。その会を取り仕切るグループのひとにお願いをしてつないでもらうひと。とにかく、偶然隣に座ったひとと丁寧にコミュニケーションを取るというのもあります。
こういうのは社会に出てもあります。特に所属企業に限らず、仲間や知人らと宿泊を伴って長い時間を過ごす機会はここかしこにあります。苦手であれば参加しないのも一手ですが、一方で「行きたいけど苦手」というひともいるはずです。
夏休みだけでなく、宿泊や合宿の機会は成育歴のなかで少なからずあります。家族での旅行や部活の合宿、サークルで泊まりに行くなど。たくさんの思い出があるひともいれば、ほとんどないひともいます。子どもたちを支援していると、日常的な旅行が家族でなく、部活にもうまく参加できず(合宿は別費用とか)、修学旅行もいい思い出がない(回避した)なども。
こういう経験の不足は、社会に出てから少なからず影響があるように感じました。ルールや作法がないなかで、自分らしい関係性構築のパターンがなく、どうしても孤立してしまう。また、どのタイミングでどこまで話をしてみたらいいのかもわかりづらい。経営者合宿であっても、いきなり経営の話をすることもあれば、単純に子育てとか他愛のない話から始まることもあります。
もちろん、今回の合宿に限らずですが、いろいろなコンテンツが準備されているので、枠組みの中での機会はありますが、隙間時間や自由時間も大切な機会形成の場です。
私たちが子どもたちに提供したい夏の合宿は、そこまで深い意味を持って行うわけではありませんが、経験蓄積の不足が何かしら機会を逸する可能性があるとするならば、やはり、子どもたちには相応の経験をさせてあげたいなと思います。
子どもたちの合宿を見ていると、そこで自然と役割ができたり、リーダーシップ・フォロアーシップが生まれたりします。結構自然にできます。しかし、大人になるとなかなか自然にできないこともあります。自然に仲良くなれる(あまり合わなくてもそれなりに付き合う)ことから学び、失敗や成功を経験すること。そんな育みの機会が今回のキャンプにもきっと内在されているのだと思います。
最後は朝4時くらい・・・(ソファーで前に寄りかかっているのが僕です)
育て上げネット
工藤 啓