3万人が暮らす新宿区若松地区(住吉町、市谷台町、富久町、河田町、若松町、余丁町、戸山1~3丁目)に配布される情報誌「わがまちわかまつ」に紹介していただきました! 震災からもうすぐ10年、本記事を読んでくださった方が、もう一度東日本大震災のことを考える一つの機会にしていただければと思います。
前浜では令和3年3月31日までの予定で、防潮堤工事がおこなわれています。写真奥に見える盛り土はその被覆用です。ちなみに写真右奥の盛り土の後ろが、私たちの第1号植樹地です。また、今回取得を予定している土地が、左奥とその手前の2つの盛り土の場所になります。ここ一帯が津波浸水地域です。津波は17.4mもの高さだったそうです。
毎年、9月の中旬ぐらいになると前浜では椿の実の採取時期になります。実を少し乾燥させると割れ目ができ、中から種を取りやすくなります。ひとつの実に4~6個ぐらいの種が入っています。地面に落ちた実を採取すると、すでに虫に食われているものがあるので、高枝切ばさみなどを利用して、木から直接実を採取します。
今日は椿の種の植えかたを紹介します。私たちは9cmポット(水はけ用の穴あき)に培養土を種が隠れるように入れて、後は毎日水をまく(夏は朝夕2回)という雑なやり方ですが、十分育ちます。前の年の秋に採取したタネを冷蔵庫で保管し、4月ぐらいに取り出して新入生と一緒に植えて、毎年6月の梅雨の時期に芽が出てきます。今年はコロナで植えられなかったので、1000個以上のタネが研究室の小さな冷蔵庫を占拠しています(笑) 写真は前浜の幸治さんからいただいた情報です。かなり丁寧ですし、12cmポットなので根がはり、大きな苗木が出来ます。関東から郵送するにはちょっと大きくなりすぎるかも。
岩波書店の雑誌『世界』の2019年4月号で、元内閣官房参与・法政大学名誉教授の五十嵐敬喜氏の論文において、前浜の椿の森が取り上げられています。たった一行だけですが(笑) ご参考まで。