2020/09/01 00:58

こんにちは!
TORICOTORの「ぼを」でございます。

「人類には早すぎる」をテーマに現代音楽を取り上げてしまうと、なんでもありになってしまうので、あまり取り上げるつもりはなかったんですが、それでも折角なので、有名なところでジョン・ケージの音楽をご紹介しようと思います。

言わずもがな、ジョン・ケージの最も有名な楽曲と言えば「4:33」ですね。まずはお聴き下さい。


ピアノがちゃんとシュタインウェイなのがエモーショナルですが、つまり4分33秒間、奏者はピアノを演奏しないんですね。じゃあこれの何が音楽かって、一番はじめにキャプションが出ていますが、全てが音楽な訳です。奏者がピアノの開けしめで発する雑音や、観客(この動画ではいなさそうですが)がたてる雑音なんか全てを音楽として定義している訳です。

じつは私、学生時代に映画サークルにおりまして、これのオマージュとして4分33秒間、真っ白な画面を映し続ける作品を作った事があります。個人的には「何も映ってないじゃないか」という観客のぼやきや、映写機の前を観客が通った時の影が「映像作品」だった訳なんですが、まあだれにも理解されませんでしたよね。

ジョン・ケージはそのほかにも、ピアノ線に洗濯バサミとか色々な物をくっつけて演奏したり、はたまた「演奏し終わるのに639年かかる曲」なんてのもありますけれどね。


ただ、当然作曲家ですので、こういった現代音楽っぽいのだけでなく、ちゃんとした音楽も残していますし、マヤ・デレンだったかモホリ・ナギだったか忘れましたが、映像作品に普通のBGMを提供したりもしていたはずです。




さてさて。「人類には早すぎる音楽+」は「ちゃんと音楽として聴ける変拍子」を原則としておりますので、ジョン・ケージのような現代音楽は収録しておりません。

しかしながら「実験的な楽曲」という観点から、「ボカロにホーミーをやらせた」楽曲がありますので、こちらをご紹介させて頂ければと思います(ボカロのホーミーに、人間のホーミーを重ねています)。


「ホーミー」については、また明日にでも改めて詳細をご紹介させていただこうと思いますが、簡単に説明しますと「口の中の空間をうまく操作することで、倍音を複数生じさせる、主にモンゴルを発祥とする発声法」の事です。口の中の空間が必要なので、コンピューター音声であるボカロには当然不可能なのですが…それを、とある手法で擬似的に実現しています。

今回は以上です。
引き続き「人類には早すぎる音楽+」をよろしくお願いします!