2020/09/14 18:00

こんにちは!
TORICOTORの「ぼを」でございます。

今回も「拍子の概念が存在しない音楽」という事で、1940年代のフランスに端を発する「ミュージック・コンクレート」という音楽のジャンルについてご紹介します。

とりあえず、1曲聴いてみましょう。



発端はラジオ技師。音楽家ではありません。カテゴリとしては実験音楽、現代音楽のひとつ、という捉え方で良いのかと思いますが、「具体音楽」という呼ばれ方をするのが通例のようです。「具体」な音楽。何が具体なのか。

具体、という事はつまり、実体が存在している、という事です。つまりミュージック・コンクレート とは、「実際に存在している物(車の走る音、缶が転がる音、衣擦れの音といった生活音など)が発する音」を録音する事で「実体から音を切り離」し、それを電子的に加工する事で音楽として仕上げた作品の潮流、という事になります。

となると、ミュージック・コンクレート に対する「抽象音楽」とはなんでしょう? これは言ってしまえば、具体的な実体を持たない、楽器等を使った一般的な音楽郡の事を指している、のではないかと思います。例えば、バイオリンが音を奏でる。バイオリンは音を出すことを目的とした物体です。つまり、音を出す以外の機能を持たない「実体と音を切り離す事ができない」「抽象的な」存在であると言えます(多分)。ミュージック・コンクレート とは、そういった今までの音楽の在り方に対するアンチテーゼであった、と考えられるのかもしれませんね。

ミュージック・コンクレートに分類される楽曲の中には、旋律というか、リズム感が存在するものもあります。



この様な音楽の潮流は、1900年代初頭にイタリアで興った「未来派」というアート潮流における「未来派宣言」と、テクノロジー発達による録音技術や電子音楽の発達が結実した結果なのではないか、と私は憶測しております。

こういった生活音を音源にするのは、今では一般的に行われる事ですが、その源流はこんなところにあったんでしょうね。





「未来派宣言」については、実は私の楽曲でも歌詞で触れている物がありますので、ご紹介します(なんか3回目くらいの登場な気もしますが)。





引き続き、「人類には早すぎる音楽+」をよろしくお願いします!