2020/11/27 21:11

日光男体山と中禅寺湖を望む景観。
日光市のアウトドア会社Ametsuchi様に、商品たちを連れて行ってもらいました。
栃木リキュールのテイストは、アウトドアやキャンプのシーンにも寄り添います。

今回は、今日までの商品開発レポートです。

2020年10月20日、動き始めは、工場の在庫の棚を処分することから。
180×90cm棚4段のうち、下2段を撤去しました。
500kg耐重棚なので、成人男性二人がかりで運ぶ重さです。
市内の業者さんに頼んでスチールリサイクルへ。

そこに、稼働重視の4輪自在キャスターを導入。

下段ぶち抜きで、空き瓶やキャップの在庫置き場になりました。
今回は新しい資材を導入するために、このスペースが必要でした。
これまで棚に頭をぶつけた人が私含め何人もいるので、エアーも貼っています。
奥のものも出し入れしやすくなりました。

清掃準備。
排水溝もピカピカに。

10月22日。容器を選定します。
「今までの黒いキャップを銀のキャップにしたらお洒落じゃないか」
「100ml容器にしたら存在感あるんじゃないか」
「銀のキャップに何の意味を持たせよう」
「軽いから山用がいいんじゃないか」過去に登山をしていたのでそう思いました。

そうして、「山時間 mountain hour(仮)」と書き記しました。
しかし帰国子女のバーテンダーに聞いたら、mountain hourは馴染みのない英語だそうで、即やめ。
実は「MAGIC HOUR」という吉村和敏さんの写真集が大好きです。
夜明けの瞬間の、空のブルーとピンクが美しい写真集。
世界が最も美しく見える「魔法の時間」です。
BARは月休4-5日ですが、立ち上げ段階ともなると自営や同業の皆さんは14時間お店にいるなんてザラだと思います。缶詰生活1周年の2013年頃に、異様に外の景色が見たくなり、せめてもと「MAGIC HOUR」を店に飾りました。その時の晴れやかなイメージの影響を受けています。

「山の時間」と和名に切り替えて、
登山用語の「トレッキング・ビバーク・コテージ」と名付けました。
ちなみにコテージは、長野県の白馬を縦走した時の、白馬大池山荘の赤い屋根や、白馬山荘のチーズケーキのイメージです。

ラベルはモノトーンで。
タイトルが決まっていない段階では「よもぎ(仮)」など、コピー用紙に印刷したラベルを切って貼って、イメージを見ます。線画はせっせと書きました。

10月28日、名前をつけて、コピー用紙のまましっかり撮影して、クラファンサイトを申請。

10月30日オープン。


初動で3割近く応援いただきました、頑張るぞ!

製造の準備に入ります。
まずは新しい容器を運ぶクレートから。
私が腰を痛めずに持てる重さは18kgまでです。胴径と質量を計算して選びます。

製造後は1商品ずつ蒸留してアルコール測定します。今回は90分×9商品。
国税がかかってるので慎重に。15℃で記録。必須の事務作業です。

その間に、プリントパーカーを作成。
お客様に2択のデザインから1つに投票してもらいました。
この写真とは異なるタイプに決まりましたね。
一生懸命自分でコミットしても、最後は他人に譲ったり、自分の手から離すということは本当に大切だと思っています。「誰のために始めたことか」を考えるなら。
M&Aもきっと同じです。
もちろん自分のためにやるシーンもあります。

11日経過で7割達成できました。
ここから進まないぞと予測。
いつものお客さん達は買い終わり、100%以下なのでサイトユーザーの目にもつきません。
けれど今回は最小限しか営業に動かないつもりです。むやみに声がけしません。コロナに感染したお客様もいます。
拡大でなく拡充を目指したクラウドファンディングです。尊重する姿勢で自然に臨みます。

ちなみに前回の創業支援では、クラファンを引っ提げて会ったことのないバーテンダーやバーファンに挨拶をたくさん入れて繋がりました。それも良い経験でした。そういうタイミングもいずれまた必要です。


さて印刷位置を決めたり、

瞳孔開きながらラベルをカットしたり。

11月5日、実際の容器が届きました。
この時に、アウトドアツアーのAmetsuchi様にサンプル進呈。
日光は雪の時期も早いので、いち早く試していただこうと思いました。

150本、3日間かけて形になりました。可愛い子たち。
いつだって「製造業はやめときな」と言ってくれた酒造の人たちを思い出します。
派手な格好や車を持った人はいませんでした。
みんな自分の酒造に投資することで、地域により良いものごとを循環させています。
私もこの仕事が好きです。自分に留めず、思いを循環させていく仕事だと思います。
まだできてないけどな。

初めての200ml角瓶もスタート。

後半は、ラベルを貼ってから洗浄。このラベルは水に強いです。
液体の色では商品の見分けがつかないため、事前に貼る方法に切り替えます。

11月15日。いよいよ企画の折り返し地点です。
「配送どうしよう?」
取り寄せていた梱包材や、過去に失敗した箱など、集めてみました。
私はゴミはコンパクト派なので「②が捨てやすくていいな」と思っていましたが、とんでもない!

山のめぐみのことをギフトと言ったのか

新作を届けたいニュアンスをギフトと言ったのか

何をもってギフトかよく考えていなかった。

お客さんに聞いたら、④の意見が圧倒的。

全くすみませんでした。

ちなみに、工場で通常出荷に使うダンボールでも、1箱264円かかります。
1本1.3kgの商品で重量があるため、丈夫なダンボールです。
どうせダンボール箱にお金をかけるなら、いっそギフト箱作ろう!

実は、箱には何度も挫折してきました。
デザインを打ち合わせて、いざサンプル瓶を送ったら、破れた箱が帰って来たり。

けど今回、お客様が欲しいと言ってくれたので、やる気の所在はがぜん違います。


冊子は、開封シーンに浸って「わぁ!」とか「なんか見たいものと違う!」と自分でジャッジして確かめていきます。
これは日々商品を触っている私より、商品を初めて手にしたお客様の方が真実で、大事なことに気付いてくれます。
栃木リキュールは小規模でオープンなので、お客様の声をダイレクトに聞きやすいですが、それでももっと聞きたいです。これからもお客様の使用感を大切にしていきますので、いつでもご意見お寄せください。よろしくお願いいたします。

いよいよ洗浄完了した小瓶たち。出荷を待っています。
「どんな箱で出かけるの!?」「どこ行くの!?」
期待いっぱいで出荷を待っています。

まだパッケージングが未完成ですが、

以上が商品開発レポートでした。

酒造に関しては、今回9種類のお酒の製造申請や、表示届の義務も終えて、
酒造の帳簿も11種類ほどあります。
書類仕事でじっと動かないことも多いので、工場では冷え対策しています。


液体を造ることはほんの一部で、いろんな条件が組み合わさって酒造になっています。

その中で「お客様の存在が感じられること」は何より励みになります。

皆さんの言葉、地域への思い、温かい支えに日々感謝して、これからも取り組んで参ります。
私自身の叶えたい夢もあるので、その時は一緒に楽しんでくれたら嬉しいです。
また元気にお会いしましょう!