原爆投下の日あるいは終戦の日にかかわって、平和の問題についての報道が、今年は75年ということもあって、積極的にされており、メディアの皆さんに敬意を表したいと思います。
加えて、新型コロナ禍の報道が積極的になされており、国民の意識を啓発し、感染防止につなげるうえで、好ましいことだと思っています。
しかしその反面、7月豪雨災害に関する報道が、全国紙の記者の被災地立ち入り禁止という動きもあって、ほとんどなされなくなっています。
健康被害に関わるほこりやカビが蔓延する自宅の2階にとどまり、県外からの支援がこれまた禁止される中で、やむなく自力で家のエンドレスの片づけや泥出しを、高齢者の方々が疲労困憊の状態でされているという現実が、全国の皆さんに伝わりません。
そこで、お願いです。被災地の報道を、減災の視点から、そして人道の視点から、意識的に行ってください。厳しい状況の中で、必死にボランティア活動をする高校生や大学生の取り組みも。
私は、阪神・淡路大震災で、被災者と、専門家、メディア、ボランティアがくクラムを組むことが大切だと、気づかされました。それ以降、メディアの皆さんとはコミュニケーションに努めてきました。
メディアの皆さんに少しはお役に立っていると思います。
そこで、もう一つお願いです。
被災地の学生ボランティアを支援する私たちの取り組みを、取り上げてほしいのです。
いまの被災地の窮状を救うには、被災地の中の若者が、出来ることをできる形で、被災地支援することが、不可欠です。
その若者の支援を支援する取り組みを、始めました。本来、こうした取り組みは、共同募金会やメディアが率先して行うべきものですが、上からではなく下からこうした取り組みが進むことも、これからの社会形成には欠かせないと思っています。
被災の報道は、被災者を救い安全な社会の形成につながるものでなければなりません。何を報道すべきかを、今一度考えなおしてほしいのです。
この私たちの取り組みを、メディアの皆さんから全国民に伝えてほしいのです。
<2018年7月 広島県坂町にて>