公園に行こうとしていたEくんとFくんが戻ってきました。聞くと「オレたちは何にもしていないのに、スタッフから、公園に連れていけないから部屋に戻ってと言われた」と。(スタッフからは、入っちゃいけない柵の中に入り、注意したら今度は道路に飛び出したりして、危なくて連れていけないから帰すね、と連絡が入った後でしたが。)
戻ってきたEくん、机の上に置いてあった鉛筆をテープでグルグル巻いて、それを太いストローの中に入れて割りばしとくっつけて…「〇〇(スタッフ)のやつ~、帰ってきたらこの剣でやっつけてやる~」と怒っていたので、「そんな細い剣より、新聞紙で作った剣の方が強いよ、きっと」と、剣をチャチャッと作ってみたところ…。「つくる~」「オレも~」と公園に行かなかった子たちがみんな作り始めました。
強い新聞紙の剣を作るには、きれいに広げた新聞紙を、端からしっかり丸めなくてはならず、これがけっこう難しい。「まるめて~」には「自分でやりな、手伝ってあげるから」と声かけながら少しずつお手伝い。テープで止めたら、今度はビニールテープでデコレーション。それとは別に、鍔(つば)の部分を作って、ビニールテープでくっつけたら出来上がり。
つくりながら「剣で戦えるのは、剣を持っている子とだけ。もしまちがえて、剣持っていない子のことを叩いちゃったら、あっという間に私がもらって捨てちゃう!からね!」とお知らせ。
剣が出来上がる前に公園組が帰ってきて「え、なに作ってるの?私もやりたい~」と加わってきました。女の子もこういうの、大好きですね。スタッフも戻ってきたけど、Eくんは剣づくりに夢中。
しばらくしてできあがり、戦いごっこが始まった。自分たちで範囲を決めて、戦おうぜ!と声をかけて、戦い開始!4年生に小さい子たち4人くらいでかかっていこうとするのは止めて、基本1対1だよって声かけたら、自分たちで話し合って1(4年)対2でやりあいはじめ、しばらくすると、背中に4年生の剣が当たって痛かったとうずくまるE。「大丈夫?」と抱きかかえながら「戦いごっこは痛いからやめておきなよ、Eのことが心配だよ」とささやくと、1分くらいの沈黙の後で、「だいじょうぶ~」とまた戻っていきました。
1対1の真剣勝負は、まるでスポーツみたい。シュンッ、シュンッと剣が空を切る音がして、子どもたちの息づかいが荒くなっていく。汗だくになって遊ぶ子たち。しばらくすると「ちょっとこの剣が弱いから、もっと強い剣作りたい!」と戻ってきて、今度は新聞紙の枚数を増やして再挑戦。中には剣のさやを作り、身体に固定する子まで出てきました。
女子は戦うためでなく、ひたすらかっこいい剣をつくる。Gちゃんは、「鬼滅の剣を作りたいから検索して~」と来ては、画面とにらめっこして剣づくりに戻りました。しばらくすると、段ボールで鍔(つば)の部分を見事に作り、低学年のHちゃんにプレゼント。Hちゃん、ものすごくうれしそうでした。それを見た子たちの間では、今度は段ボールで鍔(つば)を切り出すのが流行り…。
1週間くらい続いた剣づくりブーム。こんなに素敵な剣ができましたよ。