ご支援頂きました皆さま、ページをご覧頂いております皆様に感謝申し上げます。さて、本日は前回に続き「グランドピアノ」の運び方についてご紹介させて頂きます。前回の記事はこちらから→「グランドピアノの運び方①」エレベーターと「人の力」でマンションの8階まで運び入れたものをご紹介しました。本日は、クレーンを使ったグランドピアノの運び方をご紹介します。恩師から譲って頂いたピアノは、恩師のご自宅の2階に置かれていました。恩師のご自宅の周辺は住宅が並んでいることや、階段を使い運び出す作業は難しいとのことでクレーンを使用しグランドピアノを搬出しました。使用したクレーンがこちら↓前回と同様、グランドピアノの足を外し、傷がつかないようにグランドピアノを梱包します。梱包作業が終了したら、グランドピアノを人の力で運び、クレーンで少しずつ引き上げます。私自身、クレーンを使用してのグランドピアノの移動を見たのは初めてだったので、貴重な経験となりました。恩師のご自宅からピアノを搬出したのは、昨年の8月。厳しい暑さの中での作業となりましたが、たくさんの方々にご協力を頂き、無事に搬出することができました。搬出に携わって下さいました皆様に心より感謝申し上げます。次回の記事では、グランドピアノをオーバーホールする工房のご紹介と、リターンについてご支援頂きました皆様にお伝えさせていただきたい事がありますので、そちらについての記事を書かせていただきます。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。白熊杏梨
ご支援いただいた皆さま、ページをご覧になられている皆様に心より感謝致します。さて、今回の記事は「グランドピアノの運び方」についてご紹介します。私は、江東区でピアノ教室を主宰しているのですが、よく生徒さんや保護者の方から「どうやってグランドピアノを入れたんですか?」という質問をよく受けます。教室は音楽専用マンションの一室で行っているのですが、レッスン室は決して広くはなく(8.7帖ほどです。)、大きく重たいグランドピアノを運び入れるほどの入り口は一切ありません!では、どのようにして運び入れたのか、ご紹介させて頂きます♪私の教室は8Fなのですが、マンションのエレベーターを使用して8Fまで運びます。エレベーターの大きさは、狭くはありませんがとても広いわけでもなく、一般的なエレベーターの大きさくらいだと思います。皆様がよく見るグランドピアノの姿は、こちらかと思います↓江東区のレッスン室です。オープン前だったためピアノしかありません(笑)しかし、このままではエレベータには入れることは難しいため、グランドピアノを分解し、運ぶ際に傷等がつかないよう、梱包します。↓グランドピアノの足を外し、ピアノを傾けている状態です。↓こちらが取り外したグランドピアノの足です。↓こちらはマンションのエントランス。エレベーターに運び入れるまでの様子です。エレベーターに乗せるまでは人力です。↓エレベーターに乗せ、部屋まで運び入れます。部屋の入り口も決して広くはなく、グランドピアノ一台を、運び入れるほどの広さしかありません。↓部屋に入ったグランドピアノの様子。そしてここから、取り外した足を順番に取り付け、ゆっくり起こしていきます。この後に、配置の希望や角度などをお伝えさせていただき、作業は終了となります。(この後に、細かな作業は色々とありますが、省略させていただきます。)グランドピアノの重さ(YAMHA C3)は320kg!これだけの重さのあるグランドピアノを分解、梱包に始まり全てを「人の力」で行います。ちなみに、作業に携わってくださった方は3名。こちらの運送業者さまには、何度かお世話になったことがあり、毎回丁寧かつ迅速に作業して頂いており、感謝の気持ちでいっぱいです。今回の「グランドピアノの運び方」はエレベーターを使用し、「人の力」で運ぶものをご紹介させて頂きました。次回は、クレーンを使用し、実際に恩師のグランドピアノを運び出した際の様子をご紹介させて頂きます。地元千葉から東京にグランドピアノを運び出したり、東京に来てからも何度か引っ越しをしたこともあり、グランドピアノの運び出しを何度も見たことはあったのですが、恩師の自宅からグランドピアノを運び出した際は本当に大変な作業で、クレーンを使用しグランドピアノを運び出すのを見たのは初めてのことでした!是非、私のプロジェクトをご覧いただいている皆様と共有を出来ればなと思っております。お時間ある時にご覧ください♪本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございました。白熊杏梨
ご支援頂いた皆さま、ページをご覧頂いている皆様に心から感謝いたします。グランドピアノのオーバーホールについて3回にわたりご紹介しています。(過去の記事はこちら↓をご参照ください。)「グランドピアノのオーバーホール〜①弦の張り替え〜」「グランドピアノのオーバーホール〜②ハンマー交換〜」恩師から譲り受けたグランドピアノに必要な修理は主に3つ。①弦の張り替え②ハンマーの交換③鍵盤内部部品交換本日は、③鍵盤内部部品交換についてご紹介いたします。通常のピアノは鍵盤を弾くとハンマーが弦を打ち、ピアノの音色が聞えてきます。しかし、長年使用されていたピアノは鍵盤内部の細かな部品が古くなってしまい、鍵盤を押すとピアノの音色とともに雑音も混ざってしまいます。雑音というのは、鍵盤に触れると鍵盤が横にずれる感覚があり、「カタカタ」という音が鳴ってしまいます。雑音がしてしまうのと同時に演奏する際、鍵盤がガタガタ左右に揺れて、弾きにくいということが起こってしまします。恩師から譲り受けたピアノは、長年多くの生徒に弾かれていたこともあり、鍵盤内部の部品がかなり消耗しています。そのため部品を交換しなければ、弾きにくさと演奏する際の雑音は解決されず、本来、グランドピアノが持っている「美しい音色」が響きません。これはピアノ内部の写真です↑(恩師から譲り受けた実際のグランドピアノとは異なります。)鍵盤の左右の揺れや、雑音を取り除くためにはまず、赤いフェルト部分を全て張り替える必要があります。たくさん弾かれていたピアノは、このフェルト部分が磨耗が原因で上記のようなことが起こってしまします。その他、鍵盤下内部にある鍵盤を支えている部品の交換も必要です。鍵盤を支えている部品が歪んでしまっていることが、左右に鍵盤が揺れてしまっている原因の一つです。これら部品交換にかかる費用が十数万。全3回にわたりご紹介した修理の内容は、大きく分けた中の一部分です。以前、ご紹介した弦とハンマー交換、そして今回の鍵盤部分の部品交換、さらにご紹介してないその他の部分の修理も必要です。活動報告を書いていて改めて感じていますが、オーバーホールというのは本当に大掛かりな作業だということ。そして、オーバーホールにかかる費用も膨大だという事。このプロジェクトが無事に成功し、恩師から譲り受けたピアノをオーバーホールして、再び蘇る事を願います。そして、このピアノがたくさんの音楽家の方や、未来の小さな音楽家たちに"弾き継がれる"事を楽しみにしています。今回のプロジェクトのリターンは当然の事ですが、応援をして頂いている皆様に、いつか必ず、何かしらの形で、ピアノを、音楽を通して恩返しできるよう努めていきます。どうか皆様のお力をお貸しください。引き続き活動報告は更新致しますので、お時間ある時にご覧いただけましたら幸いです。
ご支援頂いた皆さま、ページをご覧頂いている皆様に心から感謝いたします。グランドピアノのオーバーホールについて3回にわたりご紹介しています。(1回目の記事はこちら↓をご参照ください。)「グランドピアノのオーバーホール〜①弦の張り替え〜」恩師から譲り受けたグランドピアノに必要な修理は3つ。①弦の張り替え②ハンマーの交換③鍵盤内部部品交換本日は、②ハンマーの交換についてご紹介いたします。ハンマーとは、弦を打ち音を出す役割をになっているものです。ピアノの鍵盤を押すと、ピアノ内部にあるハンマーが上に動き、そのハンマーが弦を打つことで音が鳴ります。ピアノのハンマーの先端は羊の毛を圧縮したフェルトでできています。ピアノ1台を作るにあたり、羊3匹分もの羊毛が使われているとか!(写真は江東区のピアノ教室で使用しているハンマーの写真です。新品のピアノやあまり弾き込まれていないピアノのハンマーは、ハンマー先端部分の形が、整った綺麗なアーチ型になっています。しかしハンマーは弾くたびに弦にぶつかる部分なので、たくさん弾き混むことで、次第に先端が潰れて平たくなってしまします。ハンマーの先端が平たくなり、形が崩れてしまうと、ピアノを弾いた時の音のコントロールが難しくなり、美しい音が出なくなってしまします。この場合ハンマーの先端部分を削り、歪な形だったハンマーを綺麗なアーチ型にする「整形」という作業を行い形を整えます。この作業を行いハンマーの形が整うことで再び弾きやすいピアノになります。私が恩師から譲り受けたピアノは、長年多くの門下生に弾かれてきたこともあり、当時からハンマーの磨耗があったようで、数十年前にこの「整形」作業はされているものでした。「整形」をしてからも長年多くの方に弾かれていたため、その後もハンマーの磨耗があり、修理が必要な状態です。しかし既に「整形」作業をされているハンマーは、形を整える余地がないため、ハンマーを交換することが必要です。本来、柔らかく美しい音を奏でてくれるグランドピアノですが、現在のままではハンマーの磨耗が激しいことから、柔軟性のある美しい音色は響きません。恩師から譲り受けたピアノを蘇らせるため、新しいハンマーに交換し、再び美しい音色を奏でられるピアノになる事を願います。多くの方にこの想いが届きますように。最後までお読み頂きありがとうございました。次回は、③鍵盤内部部品交換についてご紹介いたします。白熊杏梨
ご支援頂いた皆さま、また私のページをご覧頂いております皆様に心から感謝いたします。さて、本日から3回に渡りグランドピアノのオーバーホールとは、具体的にどのようなものなのか、恩師から譲り受けたピアノを例にご紹介させて頂きたいと思います。少し長い文章になりますが、グランドピアノの構造に興味がある方やこれから修理を検討されている方など、たくさんの方にお読み頂けましたら嬉しいです。私自身、ピアノに携わる仕事をしていながら、ピアノそのものについての知識が乏しく…今回のプロジェクトをきっかけに、改めてグランドピアノの構造やオーバーホールというのはどのようなものなのか、ということを調べてみました。オーバーホールとは・・・大まかに言うと、ピアノを工房に預けて分解し、弦、ハンマー、フェルトなどの部品を新しいものに交換して、再度組み立てる、ピアノの大掛かりな修理のことです。しかし一口にオーバーホールといっても、修理をする内容はそれぞれのピアノによって変わっていきます。今回、私が恩師から譲り受けたピアノに必要な修理は大きく分けて3つ。①弦の張り替え②ハンマーの交換③鍵盤内部部品交換本日は上記のうちの①弦の張り替えについてご紹介します。まず、グランドピアノの弦というのは一つの音に対し3本の弦が張られ、その弦を羊の毛で出来たハンマーで打つことにより音がなります。(リターンとしてお届けするキーホルダーはこのハンマー部品を使用し、作成します。)グランドピアノに張られている弦の張力は非常に強く、それをハンマーで打っているので、弦には相当な負荷がかかっています。長く弾かれているピアノはそれだけハンマーで弦を打っているので、弦の力が弱まり弦が切れてしまうということが起きます。弦が切れると、当然通常のピアノの音色は響きません。ピアノの弦は一つの音に3本の弦が張られていることから、3本のうちの一本弦が切れてしまうと、3本で支えていたものが2本になりこの2本の弦にかかる負担が大きく、その他の弦のも切れやすくなってしまいます。(弦の数は最低音に近くなるにつれ、2本、1本と弦の数が少なくなります。)(私が江東区の教室で使用しているピアノの弦が切れた時の写真です。)また、置かれていた環境により弦が錆びてしまっている場合にも、弦の張り替えが必要となります。夏季、高温多湿となる日本の気候では、長期間弾かれていないピアノはどんどん錆がすすんでしまうのです。そしてこの錆が原因で、弦が切れてしまったり、錆により音に伸びがなくしまい、音色が悪くなってしまったり。写真だとわかりにくいかもしれませんが本来、弦の色は銀ですが茶色くなっている部分がたくさんあります。実際は、もっと広範囲にわたり色が変わってしまっています。恩師から譲り受けたピアノは上記の条件に当てはまってしまい、弦を交換することは必須だと調律の方から伝えられました。・長年多くの人に弾かれてきたピアノ→ハンマーで弦を多く打っているため、弦が弱くなっている・恩師が亡くなられてから10数年、長期間に渡り弾かれていない→錆が進んでしまい弦が切れやすく、また音色が良くないグランドピアノに張られている弦は230本前後。この弦全てを交換するために、ピアノを工房に預け、現在張られている弦を全て取り、新しいものに交換をします。弦交換にかかる費用だけで数十万。このプロジェクトを多くの人に知ってもらい、たくさんの方に私の想いが伝わる事を願っています。長い文章になりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。次回は、「②ハンマーもの交換」についてご紹介させて頂きます。恩師から譲り受けた現在のピアノの音色です。このページで紹介した、弦の劣化と次回お話するハンマーが磨耗していることから、音の細かなニュアンスや音色の幅が乏しいですが、このピアノをオーバーホールをした際、どんな音色を奏でてくれるか、ご想像しながらお聴きいただけましたら幸いです。白熊杏梨