はじめまして。NICCOヨルダン事務所駐在員の小野田です。
私は、2019年3月よりヨルダンで勤務しています。NICCOで働く以前は、船舶管理会社で働いていましたが、2019年1月に現職に転職しました。
ヨルダンにおけるNICCOの活動は歴史が長く、1993年の農業支援まで遡ります。当初はヨルダン人に対する農業支援を行っていましたが、イラク難民やシリア難民の流入に伴い、難民支援も行うようになりました。
2020年3月からは、犯罪で逮捕された少年の勾留施設に対して、設備そのものの拡充や、入所少年に対する施設職員の心理的・社会的支援能力の強化を行っています。
シリア難民に対しては、2012年より、物資配布や女性の収入創出、紛争で心に傷を負った子どもに対する心のケアを行ってまいりましたが、2019年に全事業を終了し現地パートナー団体に移管しました。一方で、シリア難民やヨルダン人貧困層の生活は苦しいままであることから、困窮した生活を送る人たちが、寒さの厳しい冬期を乗り越えられるように現金給付支援を継続しています。
私は、昨年冬の現金給付支援にも関わっていたことから、シリア難民の方々とお話する機会が多くありました。生活の窮状を訴えてくる人、笑顔でお茶や食事を勧めてくれる人、それまで余り喋らなかったけれど子どもの話になったら生き生きと語り出す人など、当たり前のことですが、それぞれ十人十色でした。
私はヨルダンで暮らして約1年半経ちますが、「ヨルダン」と聞くと砂漠の国だとイメージする方が多いのではないかと思います。それは間違いではないのですが、実は砂漠だけではなく、首都には高層ビルが建っており、国の南側にはダイビングで有名な海があり、北部を中心に冬は雪も降ります。夏は八百屋にスイカが並び、イスラム教の断食月では、夜になると人々が盛大に食事を楽しみます。私は、砂の色だけではない、色とりどりなヨルダンに興味を持っていただける人が増えたら嬉しく思います。そして、住宅ひしめく都市部の、アパートの地下や屋上などには、非常に苦しい生活を送るシリア難民の方がいることを知って頂けたら幸いです。関心を持つ人が増えて支援の輪が広がっていくことが、シリア難民の助けになると思っております。