2011年6月9日にようやく僕は気仙沼大島に歌いに行きました。港には大きなフェリーが打ち上げられて半分ほど陸上に横たわっていて、ため息が出ました。「早く気仙沼に行きたい」と思っていた理由は「Birthday」という歌があったからです。ご存じの方もおられるでしょう、NHKの人気番組「鶴瓶の家族に乾杯」の主題歌です。実はこの歌は気仙沼で書きました。今から20年以上前、大島でのコンサートが終わったその夜、殆ど寝ないようにして書き上げたものでした。ですからあの大地震の後、僕は一日でも早くこの歌を故郷に帰してあげたい、という思いが募っていたのです。6月9日にこの歌をようやく故郷に帰した日、既に夜になり、定期便が終わってたので大島からの帰り道は、ひまわりさんが気仙沼まで送ってくれました。菅原さんからあの日の話を沢山伺いました。20メートルの第一波、もっと高かった第二波。「地震が来たらすぐ沖へ向かって船を出せ」「津波がおさまっても決してすぐに帰るな」お年寄りに教わったように、そのまま沖合に停泊して夜中中「だれかいねーかぁ」と声を枯らして叫び続けたこと。その後は「ひまわり」がたった一隻で大島と気仙沼とを結ぶボランティアを行ったこと。あの災害を忘れないために、あのときの感謝を込めて、「ひまわり」は陸上保存されることが決まりました。この度は、その「ひまわり」を護る為の屋根を作ろうという動きが始まりました。僕も一生懸命応援します!みなさんもどうか応援して下さい。そしてきっと「ひまわり」に会いに来てください! ~ さだまさし ~
ひまわりさん
2020/12/13 13:44