明けましておめでとうございます!
昨年は大変お世話になりました。あと1年、研究に励んでまいりますので今年もどうぞよろしくお願い致します!活動の内容や平井の様子などは、引き続き活動報告を通じてお知らせしたいと思います!どうぞよろしくお願いいたします!
雪降る平井
この冬はなんだか各地で雪が降っているという話を聞きますね!平井も例外ではなく、12月末から何回か薄っすらと積もっています。ここでは山端から太陽が顔を出すと一気に雪が溶けてしまうので、寝坊すると雪景色は見ることが出来ません。本当は早起きしてあちこち写真を撮りたいのですが、朝晩の冷え込みが厳しくて布団から出られず、毎回溶けるギリギリの光景しか見られないのが残念です…。次、積もることがあれば、平井を一望できる場所から雪景色の写真を撮ろうと思います!
どんぐり播種
さて、12月の後半は2年ぶりに札幌に行く用事があったので、それまでに今年の実験で使うアカガシのどんぐりを芽生えさせるべく準備をしていました。アセビ・ヤマグルマ・マンリョウで行った土壌処理実験を、今年は他の樹種でもやってみるつもりです。去年、種子を取るタイミングを逃してしまった照葉樹林を代表する樹種も多数あるので、面白い傾向が出ると良いなと思っています(でないと困る)。
どんぐりは、あの熾烈な昆虫やリス、ネズミとの取り合い合戦を制し、無事数1000個準備しました!ただ、全てが発芽できるとは限らないので、この中から発芽したものだけを植え替えて、実験に使います。
どんぐりを育てるのは初めてなのですが、扱う上で重要なのが「乾燥させないこと」だそうです。そのため、取ってきたどんぐりは湿ったティッシュと一緒にジップロックにいれて保存していました。これで大丈夫だと安心していたのも束の間、カビが広がってしまうのを防ぐため、水で洗い直したりティッシュを入れ替えたりと、なかなかデリケートなやつです。パッと見ると保存に適してそうな殻を持っているので、乾燥やカビにも強いのかと思っていましたが、意外と手間がかかりました。
さて、どんぐりをはじめとする多くの植物では、一定期間寒さにさらされることで発芽や花芽形成のスイッチが入る仕組みがあります。そこで年末年始を迎える前に1000個ほど播いておいて、様子を見ることにしました。
10日後、古座川に帰ってきて様子を見るとまだ芽は出ていませんでした。以降、週に2回ほど様子を見に行っているのですが、その度にトトロの発芽促進の儀式が頭をよぎります(笑)。メイになった気分でどんぐり畑とにらめっこを繰り返していましたが、よくよく見ると割れ目から根っこが出始めていました!
もう少し暖かくなれば芽も出てくることでしょう。気長に待つこととします!
札幌キャンパス
さてさて、どんぐりを播いたあとは久しぶりの札幌キャンパスです。折角なので研究林関係の建物を紹介したいと思います。
一つ目は古河講堂と言われるこちらの建物(下)。どこか和歌山研究林の庁舎を想起させるこちらの建物は、北大の前身である札幌農学校が東北帝国大学の農科大学となっていた1909(明治42)年に建てられました。林学教室の建物として建設されたので、入り口に「林」の文字がデザインされた装飾があります(写真を撮り忘れました)。建設当時、足尾銅山鉱毒事件の責任を追及されていた古河鉱業が償いの意味を兼ねて、東北帝国大に寄付したお金の一部で建設されたそうです。
白い壁面と緑の屋根が雪景色にもよく合いますが、窓が一重で中は非常に寒いそうです(Ref. 北大再発見 CAMPUS TOUR)。今は別の学部の研究室として利用されているらしく、残念ながら内部の一般公開はしていません。
次は有名な農学部です(写真下)。上空から見ると北大の「北」の形になるように建設されたそうですが、増改築の結果、今ではよく分からなくなっています。正面玄関から階段にかけては趣のある装飾が残っていますが、それ以外の場所は無機質な研究所のような内装であまり面白くありません。 ちなみに入り口の横には電話が撤去されボックスだけ残った謎のオブジェがあります。
一方で理学部の博物館は内装も往時の雰囲気が残っていて羨ましいです。こちらの建物は理学部の開設を目的に昭和4年(1929年) に建設されました。この建設費用は研究林の造材によって賄われたそうで、実は研究林が深く関わっている建物でもあります。 博物館は見学可能なので、機会があれば是非立ち寄ってみて下さい!
北大の宣伝みたいになってしまいますが、建物だけでなくキャンパスの景色もオススメなので、訪れた際は是非ポプラ並木の方まで足を運んでみて下さい!
下の写真はポプラ並木のあたりから農場を見た景色です。久しぶりに見るとやっぱり綺麗ですね。このあたりはキツネの通り道にもなっていたので、よく張り込んで写真を撮っていました。
農場の中程には下のようにキャンパスの西側へ抜ける道があって、学部1年生の頃はこの道を通学してました。晴れている日は良いのですが、吹雪の日はホワイトアウト状態で皆が踏み固めた道の感触を探りながら通学した記憶があります。踏み跡を外すと30㎝ぐらいズボッと沈み込むので、恐る恐るの通学でした(笑)。
一方で夏は牛が放牧されてのんびりした風景が広がります。札幌駅前で手軽に北海道感が味わえるので、季節の違いを楽しむのにも良い場所かもしれませんね。ちなみに僕のオススメの季節は5月末から6月です!北海道は本州と違ってほとんどが落葉樹で構成されているため、長~い冬が終わって一斉に木々が葉をつけ始めるこの季節が大好きでした!本州の春よりも、生き物たちが「待ってました!」と言わんばかりに生き生きとしているのが伝わってきます。新緑の香りと一緒に漂ってくる、久しぶりに顔を出した地面のちょっと湿っぽいような夜の匂いもとても良いです。キツネの子ども達もこの頃に生まれて、まだ警戒心を知らない子供たちがこっちの様子をじろじろ見てるのもまた可愛らしいです。
完全に宣伝になってしまいましたが、興味があれば是非札幌キャンパスの方も足を運んでみて下さい!
さて、今回は年末年始の休暇もあったので少ないですが、この辺で終わりたいと思います!今年度も研究活動をはじめ和歌山研究林や平井の様子、森林関係のニュースなど取り上げていきたいと思います!どうぞよろしくお願いいたします!