開発秘話㉑「ふくろとの相性」
概ね設計が出来上がっていた”発熱剤”でしたが、コロナの影響によりまさかの開発をふりだしに戻されるハメに。生産済みの加熱袋も「廃棄の危機」に陥ったのです・・・
ということで、今回はプロジェクトのタイトルにもある「エラーの真相」を。
2層袋は発熱剤と食材が一切触れない”極めてクリーン”な状態で温められる代わりに、内側のフィルムが熱を遮ってしまうため直接温めるのと比べ、どうしても食材が温まりにくくなります。
したがって食材を効率良く加熱できるよう「発熱剤から出る蒸気をできる限り袋の中に閉じ込めておく」必要があるのです。
そのためHOTPLUSは当初、発熱剤から出る蒸気を排出するための穴を”イージーシール”というもので設計していました。
この”イージーシール”は電子レンジ用のレトルト食品などに使われていて、はじめは穴が開いていませんが、加熱で袋内の圧力が上がると破裂しないように穴が開く構造になっていてます。
さらに発熱剤から出る蒸気の量に合わせて必要なだけの大きさの穴が開いてくれます。
この構造をうまく利用し穴が開いていない時は「給水袋」としても利用できる事を想定していたのですが。
発熱剤から出る蒸気に合わせ袋を設計し生産したものの、「不織布」が手に入らなくなってしまい発熱剤の開発がふりだしの状態に・・・
今後また「不織布」が手に入らなくなった時のことも考えた結果、HOTPLUSをより安全にお使いいただくために”蒸気を排出する穴を最適な形とサイズで最初から開けておく方が良い”との結論に至りました。
生産した袋(エラー品)を廃棄するか迷いましたが、その後再設計し完成した袋(完成品)と同じ最適な大きさの蒸気穴を外フィルムに追加で加工しております。
食品の加熱・湯沸かしなど完成品と同等の機能を持ちますが、袋に「給水袋」としての機能表示があるため「エラー品」としてリターン設定させて頂きました。
ちょっと難しかったでしょうか・・・(汗)
ご不明な点があればお問い合わせください。
続く・・・