2022/03/22 14:16

皆さん、こんにちは!
今回は、初の沖縄県!そして、初の特別支援学校での開催となりました。2021年11月・12月、2022年1月と、それぞれ1時間1社の企業様にご協力いただき、3回に分けての開催となりましたので、まとめてのご報告とさせていただきます。

沖縄県立鏡が丘特別支援学校は、肢体に不自由のある生徒さんが多く在籍している学校。中学部の下地先生から8月にご連絡をいただきお聞きしたところ、毎年行っている「就業・生活体験」が行えず、何とかならないかとWEBサイトを検索していたなかで、今回の『オンライン職業講話』の取り組みを見つけてくださったとのこと…。

生徒さんが興味関心のあるお仕事は、 ①養護施設の職員、 ②プログラマー・ゲームクリエイター、 ③美容関係(ネイル、マツエク) 。今回は当法人の会員企業様にはない職種でのリクエストとなりましたが、 

「本校の生徒が希望の仕事に就けたとしても、一人分のお仕事をこなすことは難しいかもしれません。でも、“この仕事がしたい”という気持ちを大切に、どんなことができるか、その他にもできそうな仕事がないか一緒に考えたい。そのためにも、実際に働く社会人の方に出会わせてあげたい」

という先生の想いに最大限応えたいと、コーディネートをお引き受けすることにしました。

【第1回:11月18日 社会福祉法人白峰会 高風子供園さま】

今回の職種は『児童養護施設の職員』。児童養護施設の支援を行うNPO法人フェアスタートサポート様にご紹介をお願いし、高風子供園で家庭支援専門相談員として働く男性の職員さんにご登壇いただきました!

幼少期から学生時代のご自身の経験を通して「自分にも何かできることがあるはず」とこの職業を志したこと、現場ではいつも子供たちが家庭に近い環境で安心して過ごせるよう、みんなでとことん考えていることなどをお話しいただきました。

「職員さんが一番気をつけていることは?」
「自分の意見が言えない子がいたらどうしますか?」
「子供の体調が悪くなったらどう対応するの?」

生徒の皆さんは自分たちと同じ年頃の高風子供園の子供たちのことを思いやりながら、真剣にお話を聞いていました。


【第2回:12月23日 タイムカプセル株式会社さま】

今回は、以前からご縁をいただいていたタイムカプセル株式会社さまにご協力をお願いし、相澤社長自ら、登壇をご快諾いただきました。

「みんなはどんなゲームをやったことがある?」という問いかけから講話がスタート。学生時代に挫折を経験しながらも、今では誰もが知る人気キャラクターのゲームや、野球やサッカーなどのプロスポーツチームのアプリなどを手掛けるまでになった相澤社長。“諦めずに頑張れば、チャンスをつかむことができる”と生徒たちの背中を押してくれました。

「はじめてゲームをつくったときの気持ちは?」
「ゲームをつくるときに気をつけていることは?」
「中学生の今、どんな勉強をすればいいですか?」

「IT業界の歴史は、まだたった十数年。誰にでも可能性がある世界だから、興味があるなら今日からはじめよう!」というメッセージがとても印象的でした。

※今回は、独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所の皆様も見学に来てくださいました!


【第3回:1月20日 BOHO NAILS COLLECTIONさま】

最終回は、JR大森駅にほど近いネイルサロン、BOHO NAILS COLLECTIONのネイリストさんにご登壇いただきました。実は彼女、高校生の頃に学校のインターンシップの一環で当法人代表と知り合っており、卒業時に「ネイリストを目指す」とのことで連絡を取ってみたところ、実際に夢を叶えて頑張っているのこと…店長さんにもご相談し、ご協力いただけることになりました!

今回は運営スタッフもネイルサロンにお邪魔し、中継スタイルで講話を行いました。色鮮やかなネイルの見本を画面越しに見せていただくなど、リアルな現場の雰囲気を味わうことができました!

「デザインを考える時、気をつけていることはなんですか?」
「絵が苦手でもネイリストになれますか?」
「ネイリストになって学んだこと、成長したことは?」

「やりたいことが見つかれば、いつからでも挑戦できる。やり抜けば周囲の人も助けてくれる」という言葉が、胸に響きました。

【先生からのコメント】

●総合的な学習の時間において、1学期からこれまで「進路や将来のことを考えよう」というテーマで学習してきました。自分と向き合う中から生まれてきた各々の将来の夢を夢のままで終わらせたくない、そのために、そのお仕事の達人たちからレアの声を聞いて、自分なりの生き方や進路を考え、そのイメージを膨らませ、望ましい「職業観」「勤労観」を育む機会をどうにかつくれないだろうかと思案していました。そんな時に出会ったのが、NPO法人アスリードさんでした。アスリードさんの紹介で、3人の達人たちのお話を聞くチャンスをいただくことができました。

毎回、生徒からは「とても良かった」という声がきかれました。
始めはお仕事に対して「大変そう」「難しそう」というイメージがほとんどでしたが、達人たちの仕事への熱い思いに触れ、「自分の好きなことでお客さんを笑顔にすることができるんだ~」、「自分の生活、さらに他人の生活も豊かにすることができるんだ~」と感慨深く聞いていました。

また、生徒たちから、これからの学校生活で「制作のとき、デザインに挑戦したい」「好きなことを極めたい」「感謝の気持ちを忘れない」「人とのふれあいを大切にしたい」「いろんな事にチャレンジしたい」と自分の夢に向かって一歩を踏み出そうという気持ちを聞くことができて、私たちもますます応援したい気持ちになりました。

生徒たちが夢を途中であきらめることなく、「今できること」を模索し、その夢を追いかけ続けた先に、達人と呼ばれる職業人になり、そのまた後輩たちに夢や希望、勇気を与えてくれる日がくることを期待します。(平良先生)


●私たちの学校は、肢体不自由の学校で、車いすや松葉杖で移動する生徒が多く、何かを体験するには多くの制限があります。生徒たち全般に言えることですが、社会的な経験が不十分な面があります。特に今年度は、コロナ禍のため、就業体験や生活体験ができなかったので、中学部3年生の担任から「職業講話」をしたいと申し出があり、いろいろなところに問い合わせをしたり、Webサイトで検索したりする中で、縁があってアスリード様にお願いすることになりました。アスリード様には、いろいろな無理、難問を快く引き受けていただき、職員・生徒ともに感謝しております。

第1回の高風子供園さまは、見るからに優しさが溢れ出すような笑顔で打ち合わせをさせていただき、パワーポイントの内容を私たち生徒に合わせて作成していただきました。急な要望にもかかわらず、快く引き受けていただきありがとうございました。

第2回のタイムカプセル株式会社さまは、中学、高校と2度挫折をした体験をお話ししていただき、とても有意義な講話をありがとうございました。

第3回のBOHO NAILS COLLECTIONさまは、子育てをしながら資格取得をした体験談をお話ししていただき「頑張っている人には、応援してくれる人がいる」という言葉がとても印象的でした。ありがとうございました。

今回は、アスリード様に講話を開催していただきましたが、これからも沖縄県立鏡が丘特別支援学校の生徒たちの応援者になっていただければと考えます。そして、私たちも微力ながら、ご登壇いただいた皆様を応援したいと思います。

クラウドファンディングで支援してくださっている皆様や、ボランティアでアスリードを支援してくださっている皆様のお陰で、有意義な職業講話が開催されたことに深く感謝申し上げます。(下地先生)


【生徒の皆さんからのコメント】
※今回は、各回とも5名前後の参加となりましたので、感想をご紹介します!

【印象に残ったこと】 

働いているときに悩んでも、休みの日はしっかり休むと言ったのが意外だった。

最初にユーザー目線でゲームが楽しいかを考えることが大切だとわかった。

知識がなくてもやってみる。やっていくと知識がついていく。

必要な資格、そのために何をやったらいいのかを知れた。

自分に直接関係がなくても感謝することを忘れない。


【これからの学校生活で挑戦したいこと】 

友達を大切にする。

自分でできることは自分でする。

プログラミングをやってみたい。分からないことは試してみる。

いろんな体験して、全力で楽しみたいと思いました。

心づかいや、感謝の気持ちをもつ。

もっとふれあいを大切にして、どんなことがあってもチャレンジすることを心掛けたいと思った。

勉強しながら好きなことを探して、それを極める。

制作で何かをつくっているときにデザインを挑戦したい。


【感想・メッセージ】

今日の話をきいて、仕事のイメージが変わりました。前まではつらい仕事のイメージしかなかったけど、今はとてもかっこいい仕事だと思います。

いろんな資格をとって仕事についててすごいなぁと思いました。

どんな方が来るのか楽しみでした。まさにプロの方でびっくりしました。

「ITから日本を元気にしたい」という言葉が心に残りました。今からでもゲームを作れるということを知り、実際にやってみたいなと思いました。

ネイリストのリアルな職場やお言葉を聞くことができてとても良かったです。お話を聞いて、さらにお仕事に興味がわきました。

お客様一番に働いていることを聞けて、すごくかっこいいと思いました。改めて、働く人は誰もかっこいいと思いました。プロの仕事を頑張ってください。

今は、コロナで大変だと思いますが頑張ってください。コロナがおちついたら、沖縄にあそびに来てください。


★   ★   ★

9校目の活動報告はここまで…。

今回は、打ち合わせから当日運営までをすべて完全オンラインで行うという、“初めて”づくしのチャレンジとなりましたが、ボランティアスタッフの方、アスリード会員の方にもサポートしていただき、無事に大きなトラブルなく運営することができました!本当にありがとうございました!

先生方も入念に準備をしてくださり、運営当日も生徒一人ひとりに寄り添い盛り上げてくださいました。生徒との信頼関係や向き合う姿勢に、私たち自身も多くのことを学ばせていただきました。

これからも学校の要望に応えながら、今だからこそできる支援、地域一丸となった“若者たちの未来づくり”を推進してまいります!

引き続きご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!

※運営サポート:ボランティアスタッフ長谷川静音(第1回・3回)、アスリード正会員(スクラムメンバー)浜中香織(第2回)