叡山電鉄一乗寺駅から1分ほど歩いたところ。
青い屋根のクリーニング屋さん・・・と思って通り過ぎてはいけません。
実はきれいな鉄板焼き屋さんなんです。
お店に入ると、素敵な手書きのメニューがたくさん。
今日はこちら『京都一乗寺 もんじ家』さんの店長・吉村さんと奥様の美由紀さんにお話を伺ってきました!
【店長プロフィール】
店長:吉村正行さん
年齢:47歳
出身:京都府
好きな食べ物:もんじゃ焼き、焼き鳥
趣味:釣り、ドライブ
バイトの子たちと釣りに出かけることもあるのだとか。
鉄板焼き屋の店長、介護職、居酒屋の店長・・・と様々な経歴をお持ちの吉村さん。
現在のお店を開いた経緯や今の思い、そしてこれからについてたくさん語っていただきました!
京都では珍しいもんじゃ焼き。
ー初めて食べるというお客さんも多いのではないですか?
吉:多い多い。元々僕も知らなかったですからね。
知り合いのお好み焼き屋さんに行った時に、もんじゃ焼きを出し始めたというので食べてみたのが初めて食べたもんじゃ焼きでした。
その後そのお店を任されることになって。でも僕はそのお店で食べたもんじゃ焼きしか知らないから、実際お店で出すんやったら本場のもんじゃ焼きを食べとかないと、と思って。どんなもんやろう、どんなもんじゃって。月島に食べに行ったんです。そこで本場のもんじゃ焼きを知って、アレンジしながら自分の店のもんじゃ焼きを変えていきました。
そこから、トッピングしだいでいろんな味が楽しめるってことに気づいてもんじゃ焼きが好きになりました。
吉:まあ(月島でも)美味しいと思う店とそうでない店はありましたね。
ここ好きやなとかここあんまりやなとか。その好きやなって思ったお店がやってるような感じでもんじゃ焼き屋をやりたくて、味とかもだんだん近づいていきました。
前の店では、今みたいにいろんなメニューはなくて、「もんじゃ焼き」の一種類でトッピングをずらっと書いて選べるようにしていたんです。ベースもソース味だけでした。
トッピングだけではなく、ベースの味も豊富な『もんじ家』。
いろいろなベースの味は試行錯誤の末思いついたものなのだとか。
吉:家に鉄板があった時に「クリーム味できるんちゃう?」とか「トマトベースできそう」とか。カレーも美味しそうとか。
思いついたのをノートに書き溜めていました。
なんと家に鉄板が!
吉:そうなんです。この店をする前に、家に鉄板を買って7〜8年は家に人を呼んだりして試作してました。
何してる時ももんじゃ焼きのこと考えてましたからね。違う介護の仕事してる時もこんなもんじゃ焼きがあったら楽しそうやなとか考えていて。
前の店を辞めた時からもう一回お店がしたいっていうのをずっと考えてたんです。
『もんじ家』開店のきっかけは・・・。
大好きなもんじゃ焼きを京都に広めたいという思いをずっと持っていたという吉村さん。いざお店を開こうと思ったのはどんなきっかけがあったのでしょうか。
吉:居酒屋で店長をやっていた時に、「もう人から雇われるのしんどいな」って(笑)
そう思った時に前から思ってたことやしお店やろうかなって。嫁さんの後押しもあったので。結婚する前からもんじゃ焼き屋やりたいって言ってたから。
美:言うてた言うてた。でも私その時(出会った当初)はもんじゃ焼きなんて絶対食べたくないと思ってました。家に鉄板買ってから食べてたらなんか美味しいなって思うようになってだんだん好きになったんです。病みつきになる感じ。
吉:京都でもんじゃ焼きは受け入れられにくいことはわかってたし、前の店でも「もんじゃなんかいらんわ」って言う人結構いましたからね。
けどそっから時間が経ってちょっとずつもんじゃ焼きが浸透してきて京都にも入ってきて。これはチャンスあるなあって。
実際もんじゃ焼きのお店も昔に比べたら増えてるんです。
オープンから2年半。今の思い。
吉:もんじゃ焼きを京都に、関西に、もっと広めたい。そんな思いです。
もんじゃ焼きって最初と最後で味が違うんですよ。そういう変化とか、おこげが美味しいとか、深いところまで知って楽しんでほしいです。
ーお店をやっていてよかったことはどんなことですか?
吉:お客さんが「ありがとう、美味しかった、また来ます」って行ってくれる時ですね。
あとは楽しそうに食べてくれてるのを見た時。それで2回目3回目と来店してくれたらもっと嬉しいです。
それに、初めて食べるんですって人が来てくれたときも。「もんじゃ焼きを食べようと思ってきてくれはったんや」って嬉しくなります。
美:自分は(店長さんと)出会ってなかったら絶対にもんじゃ焼き食べてみようとは思わへんから、初めて食べるんですって人に対しては、すごいなって思います(笑)
吉:それでもんじゃ焼きが好きになりましたとか言われると嬉しいですね。
ー逆に大変なことはありますか?
吉:大変なこと・・・。なんやろう・・・。
ーえっないんですか!?
吉:忙しいけど大変なことって少ないんじゃないですかね。
人が大変やなあって思うことでも好きでやってるから大変やと思わんのやと思います。
『もんじ家』の譲れないこだわり。
吉:こだわりって聞かれると・・・。
多分いっぱいこだわっているところはあると思うんやけど、自分にとってはそれが当たり前になってるから分からないですね。
美:細かさとかこだわりやと思うで。盛り付けひとつにしてもこだわるから。そういうところも手を抜かない感じ。お客さん目線が常にあるよね。
あと、もんじゃの盛り付けかたに関しては、あんなにクオリティ高く月島寄りの盛り付け方してるのは京都ではうちだけじゃないかなと思います。
吉:すぐ崩すもんやけど、見た目にも感動してほしいんですよね。もんじゃ焼きのイメージを崩したくなくて。月島行ったら山型できれいに出てくるのに関西ではぺちゃんこだと、もんじゃ焼きってこういうものと思われたら嫌じゃないですか。
美:(店長さんは)人を喜ばせたい気持ちが強いんですよね。昔から。
吉:来てよかったと思ってもらうことが一番大切やと思ってます。
おすすめメニューを教えていただきました。
豊富なメニューの中でもお二人のおすすめは・・・
吉:オニオンスライスかなぁ。
美:あぁ、天草の玉ねぎのね。
吉:期間限定で出してる熊本直送の天草の新玉ねぎのオニオンスライスですね。
自家製の魔法のマヨネーズとお醤油で食べてもらいます。
あれ、もんじゃ焼きではないんですね。
吉:もんじゃ焼きもですよ。No.1、No.2でオニオンスライスともんじゃ焼きですね。もんじゃ焼きの中だと一番はやっぱり“明太もちWチーズ”です。初めて食べる人にはこれを薦めます。
美:私は関西だし醤油味の“海鮮マックス”が一番だと思います。あっさりしてて食べやすい。
もんじ家の「実は」。
裏話を聞いてみました。
美:裏話・・・?えー実は夫婦じゃなかったとか?(笑)
あ、ひと段落したら久住っていう大分の田舎町でカフェをしようと思ってるんです。
吉:やる“かも”ね。
親戚がやってるところをもらおうと勝手に思ってるだけなんですけど。
もんじ家は誰かに任せて。
今までの集大成で何かまたできたらいいなと思ってるんです。
美:この店では終わらないつもりです。まだまだ先があるんです。
ーとっても楽しみです!
もんじゃ焼きが大好きな店長さんとそれを支える奥様。
常にお客さんのことを一番に考えたお店作りを心がけていらっしゃいました。
二人の作り出す素敵な空間で、もんじゃ焼きを「味わう」だけではなく「楽しむ」時間を過ごすことができます。
一乗寺にお越しの際はぜひお立ち寄りください!
(記事:Pumpit 5th 岡崎由佳)