もう、残すところ1時間。
このプロジェクトの期間が終わってしまうというのが、本当に寂しいと感じています。
まだ何が終わったわけでもなく、むしろこれからに続いていくための期間だったんだけど、それでもかつてのお客さん、大学や高校の同級生たち、カンボジア仲間、幼なじみ、お世話になった先輩後輩の皆さんと、これだけ濃厚に言葉を交わし、思いを送りあったり、語り合ったりする時間は本当に宝物のようでした。
なぜ、と話をするたびに、どんどん削ぎ落とされて、核がシンプルになっていく。
その過程は、ホテルを始めるかどうかを決める段階での1人の自問自答とは全く違う温度のある時間でした。本当に囲炉裏ばたにいろんな人が来ては座り、また次へというように。
そういう日々がこの2020年の終わりの終わりに迎えられたということが、壮大なプレゼント。
そして、今このプロジェクトに向けて届けられたお金というエネルギーを受け取って、ここから本当に物語が加速していくんだ、という少しの怖さとお腹に力が溜まる感覚を改めて感じています。もう数年来やっていないけど、ソウルスポーツであるスキーの、ゲレンデに降りていく瞬間のような感覚。
そして、それを最初に感じたのは思い返せば9月9日。スタッフたちと大掃除を始めた時。
あの時も、耳元に新しい風が吹いていく高揚感と肩甲骨のあたりに漂う緊張感があった。
きっとこれから何度もこういう場面がある。むしろこれからの旅にこそ、たくさんある。
そしてゲレンデの急降下に、こちらの勇気がついていかないこともあるかもしれない。
今までよりもずっと加速度的に変化していく世界の中で、それに1人で備えようとするとトランスフォーマーみたいな装備になってしまう。それでも、対応できるかどうかはさらに不確か。
それならば、スターウォーズに出てくるイウォーク(森の小さいくまさんみたいな集団)のように、それぞれの小さなチカラを多彩に混ぜ合わせて、あるものを組み合わせて進んでみたらどうだろう。事業をするものとしてはとてもかっこ悪く、みんなの知恵とチカラを貸してください!と仲間を募集した裏側には、そんな思いがあります。
カンボジアの地方都市の川の近くの小さなホテルから上げたその声を、これだけたくさんの人が拾って、受け止めて、興味を寄せてくれた、そのことに本当に、何よりも感謝を伝えたい。
そして、この新しい飛び入り新人をこの場所の新しい主として迎えてくれたチームの面々にも。
ありがとうの思いを込めて。現場のチームから皆さんへ。
(この動画を撮影したのは、実は1ヶ月前。このプロジェクトが始まったばかりの頃。
それから1か月、今なら私が音頭を取らなくても、彼らが自分たちのハンドルで素敵にやってくれるってわかる。この時はまだ、わかってなかったな。)
忙しかった11月初めのある日の夜、休憩中のテニスプレーヤーみたいにタオルで汗を拭いているマネージャのチャンティさん(最後から2人目)に「大変?みんな大丈夫?」と聞いたら、
「何言ってんの〜!本気のハイシーズンは、こんなもんじゃないわよ!」と笑われ。
そして、ちょっときりっとした顔で「うちのメンバーはみんな、お客さんが来てくれた方がエネルギー回って気合が入るの。誰もいない時はLow Batteryみたいな顔してるけどね」と豪快に笑った。
新しく迎える2021年という年と、その先に広がるさらに先の未来を、これまで一緒にコンポントムで生きてきた人たちと、このプロジェクトを通じて集った人たち、そしてその周囲にいるこれから出会うであろう人たちと一緒に進めるということが、何よりも幸せです。
本当に、本当に、皆さんに感謝を。
そして、これからの旅路も、どうぞ一緒によろしくお願いします!
一人ひとりの皆さんへのお礼は、明日以降、きっとまた目頭熱くなりながら致します。
まずは、明日も素敵な、良い1日を。
吉川 舞