「山のクマに運ぶどんぐりが生態系を破壊する」私たちが協会を立ち上げる前からそうした声がありました。大学教員からの指摘もありましたが、結局よくわからないと説明されないまま立ち消え、終わったことだと思っていました。それから15年経ちますが、どんぐりすてーしょんをスタートすると、同じ指摘を受け、またTwitterで話題になっていると聞き、研究は地味な作業で、研究内容も研究者もほとんどテレビやネットには登場しませんし、説明が必要だと思いました。
まず、日本人なら誰でも知っているはずですが、昭和の杉檜の拡大造林政策以前、外来種含め広葉樹造林時代があり、いろいろなどんぐりの木を植えており、今でもどこにこの種類を植えてはいけないとの規制はありません。その土地で合うものが育って行きました。そしてそのどんぐりの木も伐採する、昭和の大規模な拡大造林政策で、森林や生態が破壊されてしまったことは、説明しなくても人工林だらけの山を見ればわかります。輸入木材で売れなくなり、放置された人工林が太陽を遮り山を荒廃させていく問題はこの数十年さんざん耳に、目にしてきたこと。私たちは拡大造林が進む様子を、年代的にも地域的にも見ておらず、その時の現場のお話を聞くと、木の上にいた鳥や動物が空から降ってくるように落ちて、倒れていく木に踏み潰されて、恐ろしい大虐殺の現場であったと。
私たちは生態系や環境を大事に考えるので、どんぐりすてーしょんを立ち上げる前に、どんぐりについて、環境省が本州どこにばら撒いても良いと言うクヌギだけでなく、他のどんぐりについても学びました。それによって、アベマキ、クヌギ、コナラを募集し、3つのコナラは西日本の高い山の固有の種であり、どんぐりすてーしょんでは、回収しませんでした。実際に、高地ではない、動物のいない住宅地の公園にはない種類で集まることはなかったです。どんぐりすてーしょんにはクヌギが最も多く集まりました。マテバシイはほとんどのクマが食べないので回収しないことも伝えています。(画像は市街地の公園など、集めるどんぐりの指示をしたもの)。研究に没頭するために大学の教員職を辞めて山の麓に暮らし、毎日昆虫と植物、長年山の生き物の観察をする研究者の知識と見識は非常に参考になりました。コナラは明治時代の政策でも雑多にばら撒かれて、環境に合うものが残った、クマの食べるどんぐりを置くことがワームも含め、今の状況で生態系や環境を破壊すると言うようなものではないでしょう。また、クマのいる高地より暖地のどんぐりを運んでも発芽しないでしょう。これは実験された方の見解です。もちろん現場を見て行く必要はありますが、私たちが環境に配慮していないとは大きな誤解です。
そして、どんぐりの環境破壊視点は、最近の異常なナラ枯れ現象を見ると、現実に沿っていない。これまでの古い木が枯れる状態ではなく、若い木も枯れて稚樹もない。恐ろしいことですが、これまでの環境破壊と気候変動で、ミズナラは日本の山ではもう生きていけない、育たない状況なのではないのか。山に入って土壌を見てください。植樹しても育つ状況ですか?専門家以前に素人が見てもぞっとする現実があります。また育つかもしれない、しかしもうその視点に立つ状況であるということです。この加速する変動の対応対策にせめてクマを守らないと、土壌が育たない。
どんぐり運びで、遺伝子だとか生態系だとか野生が壊れると考えるとしたら、昭和以前、明治以前との比較が必要です。日本の自然林やクマ含めて奥山の研究は遅れています。昭和の拡大造林政策以前の状況前提で考えても、もうありませんし、もともとどんぐりはばら撒かれて、どこで何がどう育っていくのかで今に至り、それをどうとらえ、これからはどう考えていくのか?例えば、今大量にミズナラが枯れて、もう山では育ちにくい、これからどの広葉樹、どんぐりが育つのか?いろいろ植えて実験していくのか、そうした研究をされたら良いですが、原生林は、生物多様性の豊かな森は、破壊され続け、それがクマが大量に里に降りる現象です。せめてクマを救わないと、クマの貴重なフンで土壌を少しでも戻さないと、どうやって破壊を止められるのか?草を食べるシカとクマではフンの内容が大きく違います。また馴染みあるどんぐりにつく細菌まで言い出すなら、もう人は一切山に入れません。細菌についてはクマのフンの乳酸菌を研究すると良いと思います。どんぐりすてーしょんは、山の緊急事態宣言であり、調査もしているのです。
これから山の破壊はさらに広がります。この現実に向き合ってください。みんなの大切な日本の山です。静かに山が崩れているのです。緑の山、木々が茂り、自然豊か?とんでもない誤解です。
火事で言語の違う人がどっと逃げてきて、立ち入り禁止エリアに入ってしまった。法律をなめている、危険だと皆殺しにする、子どもまでも。火事が見えていない。いずれその火が目に見える形になった時には取り返しがつかない破壊が進んでいる。逃げてきた人たちとコミュニケーションできなかったが、被害状況をちゃんと見たら良かった。私たちはなんて愚かなことをして、自分たちの首をしめたのか。気がつく人が増え、日本が良くなっていくことを願います。また、私たちの未熟な力以上の、もっともっと素晴らしい方法で改善されていくなら素晴らしいと思います。
人工林の比率 世界で5% 日本は40% https://ja.m.wikipedia.org/wiki/人工林
以下ウィキペディアから
緑の砂漠「緑の砂漠」とは、樹木はあるものの、下層植生が乏しい状態である。人工林は過密に植えたものを適宜間引いていくことで、良質の木材を得るという手順をたどる。まず樹木が幼いうちは下草を刈るなどして、太陽光や養分をめぐる下層植生との競争を人為的に避ける方針がとられる。下層植生は刈り取られてしまい、樹木は過密な状態のまま成長する。やがて樹木が大きくなり下層植生に対して優位に立つと、今度は樹木間で間引きを行わなければならないのであるが、これを怠ったまま放置しておくと密に広がった樹冠によって太陽光が遮られ、下層植生は枯れ果てて土がむき出しになった状態になってしまう(一応、時間が経てば再生はする)。因みに木材として育てる為には枝打ちをして余分な枝は切り落とさねばならず、枝打ち作業を行う為にも地面が露出していた方が便利という理由でも下草刈りが行われる。このため土がむき出しの状態になる期間が人為的に増えてしまっている。これが緑の砂漠と呼ばれる状態で、遠目には緑に覆われているものの、実態は生物多様性という面で非常に乏しい森林となってしまっている。また、下層植生がないことで雨滴による土壌侵食を受けやすく、土砂災害や水源地の保水力低下や水質悪化[9]の原因となってしまうことがある。
なお、天然林の場合は種子が芽生えた時から激しい競争に晒され、樹木が幼いうちから密度が急激に減る。陽光が地表近くまで届くため下層植生もよく育ち、この問題は起こりにくい。
生態系の破壊単一の樹種で構成されることが多く、天然林に比べると多様性という面では乏しいものがある。下層植生があるうちはまだ良いものの、前述の「緑の砂漠」状態になってしまうと単純化が一気に進んでしまう。木の実や草、小動物といった餌が不足した野生動物が、人里に下りてきてしまう一因とも言われている。健康被害手入れのなされていない人工林から発生する大量の花粉が花粉症の原因として問題になることがある。
これらの原因はいずれも手入れ不足だが、そうなる原因として日本では以下のようなことが挙げられている。
- 民有林では地籍調査が進んでいないことから、所有者間の境界が不明瞭であり、森林所有者の管理意識が低下しがちである。
- 木材価格の暴落により売っても利益が出るどころか、手間賃を差し引くと赤字である[10]。
- 地形が急峻で機械化が容易ではないし、機械を入れるお金もない。
- 林家の高齢化と後継者問題。
天然更新にかかわる問題
近年の人工林は天然更新と称して皆伐後に広葉樹林とすることを狙い、植林をせず放置されることが多くなってきている。これは近隣に広葉樹林があり、条件のよい場所でとられる方法で、人工林にかかわる諸問題を解決する手段ともなっているが、豪雪地帯や風害地など条件の悪い場所ではササ類などが繁茂し森林が順調に回復しないケースもみられる。
2006年時点で、日本の人工林の8割が未整備状態であるとされており[11]、公益的機能の低下に伴う土砂災害や森林の荒廃の危険性は年々高まってきている。廃村や限界集落周辺の森林、大規模河川や都市を流れる河川の上流に位置する森林などは、整備の重要性が特に高いとされている。