活動報告では、釜石ローカルベンチャーコミュニティ( http://opencitykamaishi.jp/ )で、地域資源を生かした事業の創出に挑戦する6人の若者を紹介していきます!
次に紹介するのは、『大槌食べる通信』編集長の吉野和也さんです。大槌食べる通信とは、食のつくり手を特集した情報誌と、収穫した食べものがセットで定期的に届く“食べもの付き情報誌”。目の前の食べ物をどんな人がつくり、どのようなストーリーがあるかを知ることで、大槌を「ふるさと」だと思う人を増やすことの実現を目指しています。
大槌食べる通信も手がける吉野さんが、釜石ローカルベンチャーコミュニティで挑戦するのは“潜水”を核とした「一次産業×ツーリズム」。レジャーダイビングや漁師さんのサポートなどを通して、海の仕事を作ることに取り組みます。
2011年5月から岩手県大槌町に移り住み、被災した女性が刺し子をほどこしたTシャツを販売する「大槌復興刺し子プロジェクト」を推進してきた吉野さん。6年以上活動を続ける中で、「生産者がいる現場が学びとなることに気づいた」と語ります。生産者がいる現場が観光コンテンツとなり、お金が継続的に入る仕組みはないかと考えたそうです。
同様の取り組みはさまざまな地域で行われていますが、お金になりにくいのが現状です。例えば、漁業体験を行ったとしても、それだけで収益をあげていくのは集客や参加費を考えると難しいそうです。吉野さんは「漁師や漁協の手伝いを海に潜って行うという仕事や、集客がある程度見込めるレジャーダイビングのようなものを、形にするのが手っ取り早いと考えた」と語ります。
釜石ローカルベンチャーコミュニティの支援期間は最大で3年間、年間200~最大250万円の起業支援金が交付されます。被災地で10個以上のプロジェクトに参加してきた吉野さんにとっても、今回は大きな挑戦です。
「まずは動いてみることが大事だと思うので、寺子屋プロジェクトには、これまで一歩踏み出せなかった人に参加してほしいと思っています。やってみてわかることが多くあるので、ぜひご一緒できたら嬉しいです」(吉野さん)