2017/11/03 13:57
25日からスタートした初めてのアメリカ挑戦も、先日の31日に無事帰ってきました。Review Santa Fe の報告です。

 出発当日まで作品の準備に追われながら何とか成田に到着、日本を飛び立ちました。ロストバッゲージが本当に多い!と聞いていたので、どうしても作品とは一緒に行動したいと思っていました。大きなプリント作品は機内持ち込みサイズ限界でしたので、預けないとだめと言われそうで大変心配していましたが、あっさりクリアできて、一安心しました。

入国の際、渡米目的を「ビジネスと答えると色々大変になるよ!」とアドバイスされ、でも、大きなポートフォリオケース持参では、「観光」にならないのでは?と心配していたのも、目的すら聞かれずにアメリカ、デンバーに入国できました。人生初めてのアメリカ本土上陸です!!

乗り継ぎのゲートへの移動に電車を使うという、デンバー国際空港の大きさに圧倒されながらも順調に乗り継ぎ、アルバカーキーに到着。そして、会場のホテルまでの移動はバス。サンタフェ行きシャトルバスの予約サイトは英語だった為、ネットでちゃんとできていたか、またもや心配でしたが窓口のおじさんに「1本早いのに乗れるよ~!」と。ホテルのチェックインまで全てが順調でした。

それにしても、アメリカの人達は本当に親切です。私たちが空港で次の行き先を少しでも迷えば、通りすがりの人も、別の列で待っている人も、私たちを見つけて直ぐに助けてくれました。「他人に奉仕する」文化を肌で感じました。

一晩早めに到着したのですが、作品裏へのサイン記入とプレゼンする順番の準備が間に合わなかったため、ホテルに缶詰になりながら作業と最終チェックをしました。そのため、「参加者チェックイン」ギリギリまで時間がかかり、観光する余裕すらありませんでした。

参加者が集まってくるにつれ、どんどん賑やかになっていく話し声に圧倒されながら、オープニングレセプションへ突入。なんでこんなに寒いのに屋上なの~?と妻になげかれながら参加しました。でも、英語に自信がない私たちは輪の中に入る勇気が出ず、あまり会話に入れませんでした。これは私にとって大きな宿題になりました。

その翌日からいよいよレビューのスタートです。緊張を隠せないまま、通訳さんと合流、1対1の商談がスタートしました。1人のレビュータイムは20分、あっという間に過ぎていきます。用意しておいた英語文も自分で言うと時間がかかるので通訳さんに任せ、自分の思いと希望を伝えます。やはり私の作品は見た事がないらしく、誰もが驚き見入ってくれました。ところが、「気に入ったなら取り扱ってほしい」と伝えても、「検討するからデータを送って欲しい」と、即答は避けられてしまいました。他の参加者もほぼ同じ様子で、即、オファーは、誰ももらっていないようでした。それでも何名かのレビューワーは実現の可能性を探ってくれて、今後の交渉次第では海外でのチャンスを掴めそうだと実感しました。

その晩の一般公開は満員御礼で、100人の写真作家を見に来た方で会場はいっぱいになりました。アメリカの皆さんはシャイな日本人と違い、リアクションが大きくこちらまでハッピーな気分になります。海中撮影する時の水深と息止めの長さは必ず聞かれる質問で、答えた後の反応が毎回アメリカンサイズでした(笑)。

2日目も6人と商談しました。他の写真家の席からは沢山の会話が聞こえ、それが40席以上あるので相当な音量です。でも、私の席だけはいつも静かで、通訳もいるからたくさん会話できるのですが、レビューワー達はいつも静かに作品に見入ります。作品を丁寧に1枚1枚送りながら。

私はそれが好きです。レビューワーが静かになればなるほどスタティックな深い海の中に入っていくような気がするからです。

レビューワーから頂いた意見の一部を紹介します。

「現代の忙しい時代に、時の流れが止まり、聞くべきことに耳を傾ける必要を思い出させる写真。静けさからのメッセージを強く感じる。展示するときは、それを表現できる展示方法がいい。」

「ニューヨークには、日本人の作品を好きな人がいるから紹介したい。霊的(スピリチュアル、レリジャス)なものを感じる。」

「友達にも見せたい!夏のフェスティバルや、他の展示の可能性はありそう。」

「日本的なものを感じた。今までみたことのない写真!神秘的なもの、静けさ。」

 

 

全員のレビューも終わり、伝説の「写真家 SAM ABELL(サムアベル)」のトークショーとディナーパーティにも参加しましたが、ディナーパーティ初心者の私達は、座るテーブルが見つからずウロウロする始末・・・。最後まで珍道中でした。

 

 

 今回は「即、オファー!」と言うような成果にはなりませんでした。去年日本の六甲でレビューを受けて、私の作品をウェブマガジンに掲載してくれたレビューワーのデイビットさんとSanta Feで再会しました。彼は休憩時間にも関わらず新しい作品を見てくれて、また掲載を約束してくれました!これが確実な成果です。あとは彼らとメールなどで根気よくやり取りをしながら、彼らがそれぞれ提案してくれたチャンスに乗れる様に関係を継続していきたいと思います。気付けば、日本で覚えた英語「keep in touch!」を全員に連呼しながら名刺をもらっていました。

 

皆様からのご支援のおかげで得られたこのチャンスを、これからも掴んでいきます。

ありがとうございました。

 


そして、

来年は日本での展示を計画しています。詳しい御報告はその時にさせてください。