1996年12月、
全日本新人王西軍代表決定戦。
それまで9戦9勝9KOで勝ち上がっていた
谷川淳さんと戦った。
動画『杉田竜平 vs 谷川淳』
※試合開始は7:40~
試合は6R。
畑中会長の作戦は、
前半は逃げ回りパンチをもらわないことに徹する。
後半、谷川さんが疲れたところを倒しにいく、
というもの。
自分もその作戦に賛成し、
しっかり練習して試合に臨んだ。
ゴングが鳴り、作戦通り逃げ回ることに徹した。
しかし、第1ラウンド後半、
打ち終りを狙われてダウン…。
それまで8戦戦ってたが
初のダウンで畑中ジム応援団、
みんな青ざめる(笑)
ラウンドが終了して
セコンドに帰るなり、
谷川さんの圧が強くもう逃げ切れない、
打ち合いにいくしかない!
と思った。
そのことを畑中会長に伝えると、
「分かった、いってもえーぞ!」
と、言ってくれた。
迎えた第2ラウンド、一気に攻めに出た。
ラウンド中盤に良いのが当たり、
そこから怒涛のラッシュ!
時間にして約1分、
後先考えず手を出した。
「死に物狂い」とは正にこの事。
その例えとして辞書に載せてほしいくらい(笑)
ラスト20秒ほどで渾身の左フックが当たり
糸の切れた操り人形のように谷川さんは倒れた。
何とか立ち上がったもののレフェリーは試合を止めた。
畑中ジム応援団、興奮の坩堝と化す(笑)
で、何を伝えたいのかと言うと、
あの時作戦通りやってて仮に負けたとしたら、
後悔してただろうなと。
逆に2ラウンド目、
作戦変更して出ていったところを
倒されていたとしても後悔はなかったと思う。
よく、「負けたら指導者の責任」
とかよく言われるけど、
周りはそう言ったとしても選手はそれで納得しない。
自分はこの時の畑中会長のように、
〝後悔のない選択〟を
最終的には選手自身にさせたい。
だってやるのは選手。
自分の身体、自分の青春、
自分の人生使ってやってるんだから
指導者の言うことより
〝選手本人の意思〟が
一番大事だと思う。
杉田ジムはそんなスタイルです。