あと1か月足らずで10年。いろいろありました。痺れるような興奮も、思うようにいかなかった悔しさも。瓦礫の中、夜な夜な集まって「今だったらこの街を変えられるかもしれない」「これって革命だよね」、典型的な黄昏行く地方都市だったこの街に確実に変革の種は捲かれ、「面白い」人や場所が発酵するようにジワジワと増えています。
そういう“発酵“に、多少なりともISHINOMAKI2.0という存在は寄与していると自負しているのですが、その2.0を立ち上げた主要メンバーの一人に、当時ワイデン+ケネディのアートバイヤーだった飯田昭雄さんがいます。ビキビキに緊張感を伴った切れるそのアイディアは多くの振り切った企画を実現し、2.0の「斜め上」なカラーをもたらしたのですが、彼が石巻に来た理由の一つは、あるアカペラの曲に関するyoutube動画でした。
船が転がる崩壊した商店街をさまよう映像とともにiPhoneに録音された曲の名前は『NORTH EAST COMPLEX part 3.11』。「不謹慎だろうと貫くHIP HOP」、「叫ばせてくれ、ここが現場だ」、アカペラで吹き込まれたリリックは聴くものに突き刺さり、ナイキやユニクロなど多くのメジャー広告において様々なアーティストとコラボレートしてきた一流のアートバイヤーが、曲の作者、楽団ひとりさんに会いたいがために石巻を訪れ、僕たちと出会い、2.0を立ち上げたのです。つまり、ISHINOMAKI2.0は楽団ひとりさんです。
2011年、まだ信号がともらない頃、彼は辛うじて残った廃墟のような空間でマイクを手に叫んでいました。2.0立ち上げ後も様々な曲で彼はこの実験的な活動を盛り上げてくれ、時に青空の下で高校生を、時に商店街のベテランたちを、踊らせてきました。皆で手づくりでダンスホールをつくり、それを一週間足らずで潰してしまう「とりあえずやってみよう」精神も共感しか感じず、つまりISHINOMAKI2.0は楽団ひとりさんです。
楽団ひとりさんが10年目の3月に何か企むというじゃないですか。これは祭りであり事件です。踊らにゃ損です。もちろん僕も応援いたします。という割にこの文章を届けるのが募集終了まであと5日というタイミングになってしまってますが、あまりに応援する気持ちが強すぎて、応援メッセージをお願いされたその場で届けたつもりになっていたからに違いありません。ISHINOMAKI2.0は楽団ひとりさんなんですから。
【松村豪太/ISHINOMAKI 2.0 代表】
ラストスパートというところでPC内蔵のディスクドライブが動かなくなったり、作業用のヘッドホンを友達が間違えて持って帰ったりしてますが、私は元気です…
こんなところでする話ではないと思うんですが、今回のアルバムは一般流通は考えておりません。また、当面のライブ活動も見通せないので、現場物販も考えにくいです。
ので、このクラウドファンディングプロジェクトを通じてのみの販売になる可能性が非常に高いです。
ぜひよろしくお願いします。