おがログノートの中表紙には固有種「タコの木」のチップが漉き込まれています。
タコの木はその名の通りタコの脚のように地表に根っこが出て、そこから幹が伸びる今にも動き出しそうな不思議な型をした木のことです。
その実はゴツゴツしていて丸いパイナップルのようになります。
オガサワラオオコウモリやネズミの好物のようで、熟した実を食べた跡が森を歩くと見られたりします。葉は細く長く、縁は鋭い鋸歯。素手で触ると怪我しそうにトゲトゲです。
このトゲを取り除き、茹で、伸ばして、乾かして、割いて、編み上げてと手間と時間をかけてブレスレットやバッグなどの「タコの葉細工」になります。
このおそろしく手間のかかる、けれども素敵な作品が作れるタコの葉細工を先人達から堪える事なく島民はその技術と文化を継承してきました。小笠原を語る上で欠かす事のできない大切な木です。どんなノートをつくるか。アイディア出しの段階では外来種の有効活用ということで増えて困っているギンネム、アカギ、モクマオウなどを漉き込んだ和紙を作ろうとしました。そこで外来種伐採とその有効活用をされている小笠原グリーンさんに相談しました。
木工所で外来種のチップのほかに街路樹として植樹しているタコの木のチップをいただきました。お話を伺うとトゲトゲのタコの木はマメに剪定をしないと通行の妨げになるので沢山チップにしているとの事。
花壇の肥料にも活用しているそうですが、他にも活用してくれるならと快くチップをご提供頂きました。外来種だからと無闇に駆除、排除するのではなく地域の課題としてどう有効活用していくのかを考えていく。この理念の元に、小笠原グリーンでは外来種のギンネムから和紙を作る事にもチャレンジ。伐採し、皮を剥き、芯の繊維を取り出し、叩いて、茹で、漉き、乾かすというこれまたおそろしく手間のかかる作業を行っていました。出来上がった和紙は無骨だけれど味わいのある温かみあふれる作品に仕上がりました。
今後のおがログ事業にこの和紙が使われるのか、ぜひ一緒に取り組んでいきたいです。
小笠原グリーンはおがログの目指す「地域の人たちと共に小笠原の魅力を作り上げていく」その想いに共感していただいた大切な仲間です。