2021/04/17 20:00

こんにちは。
にゃんコール代表 鈴木ゆうこです。

兼ねてから、ご夫妻ともども親交があった、大学教授のN.Y(通称ノブリン)様から、とても心強い応援メッセージをいただきましたので、ご紹介させてください。


メッセージは少し長めなので、こちらでは短縮版の掲載とさせてください。
(全文は、にゃんコールのブログの方に掲載しています。)


いただいたメッセージを読ませていただいて、今回のプロジェクトに対する応援メッセージというだけでなく、私たちにゃんコールが目指す未来(vision)として掲げている「猫を愛する人々が、あたりまえに【生涯幸せな猫との共暮らし】を実現できる社会」に対する現実的な課題、そして、小さくはあっても、今回のプロジェクトが課題に対して果たす役割についてのレポートのような内容にもなっていて、(また過分なお褒めのことばも頂戴して、)あらためて気持ちが引き締まる思いでいます。


ぜひ、皆様にも読んでいただければと思います。
なお、全文は、こちら(▶︎「ノブリン教授から応援メッセージをいただきました *仮暮らしハウスプロジェクトvol.07」)をご確認ください。


■応援メッセージ(※内容短縮版です)

家族を失う猫さん達に【仮暮らしハウスを】応援メッセージ


 鈴木さんとは10年来の知合いですが、その”猫愛“は半端ではありません。名古屋ではまだ馴染みがなく事業として成り立つかどうか?が付いた頃に鈴木さんはキャット・シッターを始めました。

私の知る鈴木さんは、日頃から自分のことより人のことを優先する性格で【猫のために自分の生活を犠牲にすることを厭わない女性】です。自宅を猫仕様に改装し、自分は狭い部屋に引き籠っても、猫のためには広い空間を確保するなどすべてが”猫ファースト”の生活を送って見えます。その猫愛には心から頭が下がります。私はよく冗談で“猫の恩返し”がきっとありますよと言っています。

鈴木さんは、猫のことなら何でも知っている”猫博士“になることを目標にして日夜研鑽を積んで見えます。そのため猫に関係する各種の資格を取り、自分の食事より猫の食事に気を遣い毎朝猫の食事を用意して見えます。


 近年、放置される保護猫が問題になっていますが、私は、この保護猫問題は今後さらに重要な問題になってくる気がしています。少しその社会的背景についてお話させてください。

 人間にとって最も悲しいことは何でしょうか。答えは”孤独“です。よく言われるように人間と言う字は【人の間】を意味します。これは多くの人達と関係を保ちながらその中の一人として自分が存在することを意味します。人間のように最も弱い動物が過酷な自然環境の中で生存できたのは、弱いがゆえに、知恵を働かせ、皆で協力して生き残ってきたからなのです。

遠藤周作氏は自著『イエスの生涯』でキリストの意味を”永遠の同伴者“と定義しています。「あなたが孤独に耐えられなくなった時、私(イエス)の名前を呼んでください。私は常にあなたと共にいます」これが”永遠の同伴者”の意味です。このように孤独を何が癒してくれるかは今後ますます重要な問題になってくると思います。

日本の高齢化率は約3割で世界一の超高齢社会です。しかも、世帯人員がどんどん下がり、単身の高齢者世帯がどんどん増加しています。

 孤独な高齢者が増えると、どのようにして孤独を癒すかが課題になります。圧倒的に癒されるのは生きた動物、つまりペットです。犬はここ1年で飼育頭数が平均約50万頭ずつ減っています。恐らく、飼い主も高齢化し毎日の散歩が辛くなったのではと考えられます。


一般社団法人ペットフード協会が発表している飼育頭数の推移では、猫は横這いですが、犬が減少しているため猫の飼育数が犬を上回り逆転現象が見られます。


 しかし、高齢者が増加し、孤独を癒すため猫を飼ったとして、その飼育は果たして持続可能でしょうか?内閣府の「動物愛護に関する世論調査」では、家庭で犬、猫などのペットを飼っている70歳以上の高齢者は24.1%だそうです。多くの高齢者がペットを飼っていることがわかります。この傾向は今後さらに顕著になっていくことは容易に予測できます。

そんな中で気になるのは飼い主が介護や入院が必要になった場合です。その場合ペットはどうなるのでしょうか。

 ペットと入居できる老人ホームや高齢者向け住宅の数はまだまだ少ないのが現状です。ペットと暮らす一人暮らしの高齢者をサポートする取り組みも始まってはいますがまだまだ不十分です。

 私も猫を飼う高齢者なのでよくわかりますが、もし愛猫たま(横尾忠則さんの“たま”と同名)が先だった時に自分は果たしてペットロスに耐えうるのだろうか?またその後、猫を飼っても自分が先に逝った場合愛猫はどうなるのだろうかなど不安ばかり頭を過ぎります。恐らく多くの愛猫を飼う高齢者は同じ悩み、不安を抱えているのではないでしょうか。


アンケート結果を見ても「高齢者が病気などでより飼育できなくなるペットが増える」31.8%となっています。超高齢社会の中、一人暮らし高齢者が増加することが確実に予測される今日、ペット需要は確実に増加します。特に猫は確実に増えると思います。一方、何らかの障害で飼育を放棄せざるを得ない状況も確実に増加します。そうなればいわゆる野良となる猫は増加する一方です。現在名古屋市でも殺処分を避けたいと努力しているようですが譲渡会などでも若い猫は貰い手がありますが高齢猫の貰い手は極めて少ないのが現状です。

 その意味では、今の、人とペットとの関係は“持続可能”ではないのです。

こんな中、鈴木さんが立ち上がりました。実際鈴木さんが関わった方が病気で6匹の猫が飼育不能になったのです。しかも猫ちゃんは病気持ちや高齢猫です。何とかしたいと猫愛いっぱいの鈴木さんは、自宅の一角に中古のコンテナーを購入設置しとりあえず6匹を何とか保護し、その後も同様の事情で飼育できなくなり困った猫を引き取り、譲渡会に出すなど次の引き取り手が見つかるまでの仮ハウスを始めたとお伺いしています。

そのためには、資金が必要です。クラウドファンディングの締め切りは今月いっぱいです。現在(4月16日)209人の方からご寄付を頂きました。残り13日。現時点で目標の38%です。

 いよいよ最終ラウンドが近づいています。私も猫から多くを学びました。本は読んでもオキシトシン(ラブホルモン)は出ませんが、猫のモフモフとゴロゴロは脳に伝わり脳内ホルモン・オキシトシンが出ます。高齢者の健康には極めて重要な脳内ホルモンです。横尾忠則氏が最近“たま帰っておいで”という病死した愛猫たまの鎮魂の書を出版されました。早速入手して読みました。私の愛猫たまとダブリ序文から涙涙でした。私は、このプロジェクトが是非成功して貰いたいと心から祈念しています。猫を愛おしむ気持ちは人間にも通じます。猫に優しくなれれば、人にも優しくなれます。“たかが猫、されど猫”です。今世界中で寛容さ(トレランス)が無くなり人の気持ちが荒んでいます。コロナがさらにそれに輪をかけています。こんな時だからこそ少しでも優しくありたいと思うのは私だけでしょうか。

 鈴木ゆうこさんは今その優しさを保護猫に注いでいます。このプロジェクトの成否は皆さんの気持ちにかかっています。コロナの中だからこそ優しさと慈愛に満ちた心でいたいのです。このプロジェクトの成功を祈り、ゆうこさんに心から”エール”を送ります。

 

    大学教授 N.Y(通称ノブリン)


ノブリン先生の愛猫「たまりん」ちゃん