2021/06/07 10:23
2007年に記録映画の撮影取材で東アジア共同ワークショップに参加したのが笹の墓標展示館との出会いです。
館が担う意味の重さと、朱鞠内に集う若者たちの熱い力に圧倒されつつカメラを回しました。
しかし何度かの取材の後はすっかり足が遠のき、「倒壊しそう」との噂も遠く人伝に聞く程度でした。
それが、どうした巡り合わせか、一昨年、札幌の児童書作家にたまたま依頼されていた桜の写真絵本制作の仕事で、奇しくも朱鞠内湖畔の桜を被写体とすることになったのです。
広い北海道、他にいくらでも桜の木はあるのに、なぜこの重い歴史を負うた朱鞠内の、館の目と鼻の先に生きる桜なのか––。
しかも本の内容は、風雪に晒されつつも確かな準備をし、時至って花開く桜の再生の力を讃えるものでした。
絵本は今年3月に刊行され、図らずもこの募金の返礼品に用いて頂くことに。
ぼくはいま縁の不思議を想いながら、この募金が平和の花を力強く開くことを心から願っています。
小寺卓矢