2021年3月8日 活動報告
昨日まで、応援投稿。シェア、リターンのご購入、本当にありがとうございます。
そして、他の方々も日本の技術を守るため多様な伝え方で頑張っている掲載をみる
だけで、勇気が湧いてきます。皆さまもぜひ、日本の各地域で、ギリギリの中で
頑張っている小さな事業者の方々を応援、宜しくお願い致します。
今日は、少しユーザーの皆さまにも、知っていただきたい事があります。
SDGsという観点で、多様な伝え方がありますが。日本は他国よりも、
最新の技術でより良い事をしています。ですが、小さな事業者の方々が
支え合いながら、最低労働賃金よりも低い生産体制の中で、頑張っている
事を伝えきれていないように感じるため、お伝えしてみたいと思います。
皆さまが良く聞くSDGs(持続可能な開発目標)では、天然資源を
大切にすることや、人が着用するためだけに、飼育されて毛皮製品に
なる製品に対して、とあるラグジュアリーブランドでは、ヴィーガン
レザー を使った製品をエシカルファッションアイテムとして、取り
入れています。とても良い事ですね。
注:ヴィーガンレザーとは、植物を材料としてレザーのように加工した
製品。サスティナビリティ(持続可能性)の観点から「エコ素材」
として注目されています。種類は主に合成皮革と人工皮革の2つ。
ただ、それが本当に全てにおいて環境に良い事であり、人にも優しい事
だと思われるのは、少し残念に思います。そうした理由には、生態系の
保護観点だけで、持続可能な社会が形成されるわけではないからです。
地球に住まう私達人間のLife styleも一緒に考えながら、限られた資源を
倫理的に消費し、パートナーシップで協力し合いながら、社会をより良く
して行く事が、本来のSDGs=持続可能な開発目標だからです。
そうした事からも、各地域産業で、地域文化やコミュニティ形成の土台を
支える皆さまと一緒に、モノづくりに携わっている作り手のLife styleに
ついても、一緒に考えていただけたら嬉しく思います。
1つ目にお伝えしたいのは
牛革1頭分の大きさは仕入れ具合によって異なる事を知って頂き、
そして、本革などの天然繊維は、自然と土に還る事も踏まえ、
本当の意味での良い製品とは?をお伝えしたいと思います。
本来、天然繊維は土の浄化作用を使って廃棄出来るため、附属品
などを除外すれば廃棄処理の負荷も軽減されます。そうした観点
捉えた場合は、天然素材の方が環境に良い素材になります。また、
そうした天然素材の良さと、各地域の職人の方々の熟練度に併せて、
縫製加工を依頼し、伝えていなかった拘り箇所までも言葉ではなく、
これまでの対話から気づき、配慮して下さる場所ほど、使い手の
皆さまが、本当に使いやすいようにと観えない工夫を凝らして
くれるという事を知っていただけたら嬉しく思います。
ただ、こうした動物性の素材は本来、食用として飼育され、食材となった
部位以外の牛の革を再利用し、Bag類の製品になる方が環境の負荷は
少ないです。ですが、そうではなく、自然の摂理を超えて大量に生産
されると問題になってきます。表面的に観て、単純に生きた動物の素材を
使っているから、エシカルではないという事ではなく、生態系の自然の
摂理を超え、バランスを壊すような生産が問題であるというだけです。
そのため、バランスを整えるために、食用として家畜された牛の革を
使わずに放置するよりも、土に還る製品として生み出すのがサーキュラー
エコノミーデザインの考え方です。また、合成皮革や人工皮革も長く
愛用せずに短期間で廃棄するのであれば、これもまた、廃棄処理による
循環を踏まえて生産される必要があるため、リサイクル可能な素材で
あったり、耐久性の高い素材が出てきています。
また、革の表面に傷が多い場合は、その分の縫製時に省くロスを踏まえて、
余分に仕入れて在庫を抱える必要が出てきます。その上で、縫製時のミシン
トラブルや裁断ミスなどがおこればまた、ロスが出ます。そうしたロスを
軽減し、裁断ミスなく行うには、たとえ抑え金具があったとしても、固定
する箇所が少ない残布を使っての裁断は、精密な機械は不得手であり、
広い面積で革や布地を抑える事が出来ないため、手仕事での裁断の方が
適しています。そうして無駄なく正確に裁断出来るのは、熟練した経験が
ないと出来ません。そんな残りの革の面積をも、無駄なく正確に裁断
出来るのも、熟練した手仕事職人の方ならではの技術となります。
こうした熟練された技術は、同じ技術を持つ方々とのモノづくりを通じての
対話による学びを通じて伝えられる為、ぬくもりのある製品に仕上がります。
今回のリターン【7】 のインナーエコバッグのセットに付けた、ドット
キーチャームは、Bagで使用したレザーの残をも、丁寧に無駄なく裁断し、
仕上げて下さったのは「Room106 by advance leather factory」の庫本 氏です。
2つ目にお伝えしたいのは
手描きで描く事を、皆さまは最近されていますか?または、鉛筆を
持って紙に直接、頭に思い描いた絵柄などを描く事を最近されましたか?
オンラインでの学びが増えた時期ですから、手描きをされる事が少なく
なったのかもしれませんね。ただ、オンラインの多様な学び場所では
課題解決能力が問われる時代だと聴いています。そうした時に必要な
のが、観察力につながるデッサン力です。そうしたデッサンの極みが
手描き友禅技法だと、私は、思っています。
今回のリターンに取り入れている本革Bagへの手描き友禅技法による
白菊の絵柄は、デッサン力がとても必要です。こうした技法では、紙に
下書きをした後に、布地に写し込む作業があります。布地はまだ、写し
やすいようですが、leatherへの下書きからの写しとなると、観たままを
写せるだけのデッサン力=観察力と、細やかな指の動きが必要です。
そして、手描き友禅技法は、とても歴史ある技法であり、天然素材の
女王と呼ばれている絹素材にもっと適した染色技法でもあります。
理由は、素材本来のしなやかさを損なわずに絵柄を彩る事ができる技法
だからです。そして、今回の本革の絵柄では、素材の柔らかさを残すと
いう事は、使える染料の制限から無理があった中、下地の本革素材の色を
活かしながらも、もっとも拘った白菊の白と月が交差し、反射する色どりを、
見事に描いて下さいました。その絵柄からは、素材の柔らかさではなく、
絵柄の柔らかさと、日本の方々が持つ、白菊のような、ブレる事のない軸を
表現して下さいました。
こうしたブレない軸を保つには、普段から同じ絵柄でも繊細な絵柄を
常に描いていないと出来ない技術です。伝統技法とはかけ離れますが
私もデザイン画を起こす、デザイナーですからこうした繊細な絵柄を
正確に描くには、数をこなしながら常に精密な絵柄を描き続けないと
出来ない事を知っています。そうした繊細さは皆さまのLife styleには
あまり関係がないように思うわれるかもしれませんが、実は、とても
密接に関係しています。今回のオンラインが中心となった時代で、
お子様の学びにも関連してきます。
現代では、デジタル書籍を読むお子様は、疲労感が大きく、注意力が
散漫になり、読み飛ばし、斜め読みする傾向にあるそうです。そのため
紙でできた書籍の方が、重みを体感し、記憶しながら読めるため、記憶に
残りやすく、文章を思い出すとき、本のどのあたりに書かれていたか、
イメージとして浮かび上がるそうです。こうした事からも、普段から指先で
重みを体感しながら文字や絵を描く事も記憶力を向上させると言えます。
また、昨今ではデザイン思考や、アート思考という考え方が注目されて、
そうした学びから0から1を生み出す思考力や、現状の問題点をつぶさに
観察し、課題可決能力を発揮する事が求められています。そうした学びが
日常的に行われてきたのが、多様な染色技術や手描き技法の現場であった
亊が、これまでの、染色技術の発展から日本の紡績技術が世界的レベルまで
発展した歴史を観て判ります。
そんな学び深い手描き友禅技法による白菊の絵柄を依頼させて頂いた、
「染工房 正茂」の上仲 正茂 氏は依頼当初から、まずは、依頼内容の
課題から対話を始める方でした。他の方々は、まずは、どのように変更
すれば自分らしく描けるか?また、時間のロスは少ないか?に注力し
がちですが、上仲 正茂 氏は、時間やロスよりもどれだけ課題にたいして、
再現できる方法はあるのか?また、そうした際にテストを繰り返す必要性を
問いかけながら、進めて行ける方でした。こうした課題解決能力と対話力、
意外かもしれませんが手仕事の厳しい世界にいる職人の方々の方が、とても
長けている事を知っていただけたら、嬉しく思います。
また、こうしたモノづくりを通じての繋がりから、整えて合っていく
プロセスから、次世代を背負っていくお子様にも多様な捉え方、伝え方
を体験していただけると幸いです。
3つ目にお伝えしたいのは
最近は少なくなってきた手編みや手織りはされていますか?ですが、
これは、いつも、最後まで見守って下さっている先輩の活動と一緒に
後日の活動報告にて、お伝えしていきます。こうした時期、皆さまに
とって、高価なリターンとなっていますが、こうした多様な繋がり
からの学びを大切にしていきたい思いによる活動です。
最後まで、応援のほど、どうぞ、宜しくお願い致します。