ただいま徳之島はサトウキビやジャガイモの収穫など「農繁期」として忙しく、年度末や人の移動の時期だったりで賑やかになります。自然の方も賑やか~冬に南下してきて、繁殖行動・いのちをつなぐために徳之島周辺の海で優雅に泳ぐザトウクジラさんも、そろそろ北上しつつあるそうです。 冬の渡り鳥の姿も減り、留鳥の声がにぎやかに響きます。山の緑は深緑⇒萌黄色に、虫や生き物が活発に動き出して風の匂いにイキイキとした息吹と花の香りを感じます。さて、コーヒーの収穫が終盤になってきました。開花・香りの主役はシークニン⇒八朔に、濃厚な甘い香りの中でコーヒーの実を収穫しました。完熟果実のみを手摘み、洗った後に「乾燥兼発酵過程」に入ります。 色んな方法があり私も色々と実験しましたが、今採用している方法は「果実のまま乾燥」コーヒー通の方はご存じの「ナチュラル製法」というものです。海外の大生産地では広場などに広げたまに攪拌する様子が紹介されます。 仕上がりまでに時間がかかり、虫がつくほか天候に左右されたり攪拌が足りず一部が痛むほか、未熟豆などが混在しても取り除けないためムラがでるなどの欠点があります。しかし、ゆっくりとした発酵時間の間に色んな成分が産まれ、適切に精製された場合には濃厚な質感・甘み・果実感が産まれます。当たり外れがあるけど、コーヒー通を惹きつける独特の魅力があります。この「ナチュラル製法」の欠点を補いつつ長所を最大限いかすことで、かなり徳之島産コーヒーのポテンシャルを引き出せるようになったと感じています。 ”完熟豆のみ”を”少しずつ”収穫(一般的にはまとめて収穫し乾燥させるため、実の熟度や乾燥具合にムラがでる)し、島独特のスコールのような天候と日差し・気温の変化に左右されないように、ネットやかごに広げた実を”日陰または室内”で”送風しながら”ゆっくり乾燥させていきます。今は自宅の一室で室内干しの洗濯物の横で管理しています。 レーズンのように少しずつしわしわ~アマミノクロウサギの”う〇ち”のようになりますこの状態で保存すると、数年たっても豆の状態が新鮮なまま、輸入されるコーヒー豆は脱穀されたものなので、コメに例えるとこちらは籾(もみ)の状態で輸入品は白米の状態ですね。 湿度が高く梅雨も長い、比較的風が通りやすい島の建物ではこの製法が一番合理的だと思います。味もいい。 欠点は時間と手間がかかることと、脱穀のときに硬くて大変なだけ。いつか脱穀機も欲しいですが、柔らかい国産コーヒー生豆がつぶれないかわからないので、今はすり鉢ーすりこぎのアナログスタイルで、たまに手伝ってくれる(いたずらしている?)子供たちと、殻が指に刺さりながらも夜なべしてくれる妻に助けられています。3年前の画像ですが、この様子を亡き父にも見せたかったこのようにほぼ趣味のような、無駄に(苦笑)こだわりのある作り方をしています。でも、とても楽しいです!!